5 マーガレットの孫娘マーナ
「あんた誰」
「ま、マーナと申します」
「なんで、空から落ちてきたの?」
「家で薬品を作っていたのですが、失敗して爆発してしまい吹っ飛ばされました」
マーナは恥ずかしそうに笑った。
確かにミーナ黒いワンピースは所々、焦げて破けている。
いや、薬品爆発って・・・。大丈夫なのか、この子。色々な意味で。
「はぁ、気を付けなよ。ところでさぁ、マーガレットって魔女知らない?ここら辺に住んでいるらしいんだけど」
「マーガレット・・・ですか?」
「うん。彼女に用があるんだよね」
「私の祖母です」
「え!?そうなの!?じゃあ、アンタも魔女なの!?」
マーナはコクンと頷いた。
見えない。こんなに鈍臭そうな子が、あの伝説の魔女の孫!?
「そ、そう。それで、マーガレットに用があるんだけど、案内してくれる?」
「祖母は亡くなりました」
「え?」
「去年、事故に遭い亡くなりました。それで、今は私が一人で住んでいます」
「嘘だろ!あのクソ王!!」
情報が違うじゃねーか!!
「あの、祖母に何か・・・」
「あーうん。もういーよ。しゃーない、帰るわ」
あーあ。時間の無駄した。
「あの!」
マーナに手を掴まれた。
「何?」
「私に何か、力になれることはありませんか!?」
「アンタが?」
トリシャはマーナを見る。小柄な体、キラキラした犬のような瞳・・・。
使えそうにないな。正直言って、面倒臭そう。
「いや、いいー」
結構と断ろうとしたが、トリシャは気付く。
マーナの自分を掴む手が震えている事を。
・・・仕方がないなぁ。
「分かった。取り敢えず、家に案内してよ」
「ありがとうございます!!」
パッとマーナの顔が輝いた。
なんだ。野暮ったいと思ったけど、笑うと結構可愛いじゃん。