モテないこどおじは、結婚をあきらめて代理出産を選択するようです。
和男はこどおじである。
と言ってもちゃんと働いているし貯金もある。
ただ、モテないのだ。
そんな彼は流石に危機感を覚えたのか、結婚の事を考え結婚相談所に登録した。
が、駄目だった。
まず、女性とのマッチングが行われなかった。
何とかマッチングが成立しデートを行っても、相手女性の「いかにもデートしてやっている」感が抜けなかった。
デートの度に高価なバッグを買わされ、何の礼もない。
これでは只の奴隷ではないか。
彼はそう思い、相談所を退会した。
しかし、相談所を退会した所でどうする事もない。結婚は暗礁に乗り上げてしまう。
それを両親に相談した所、
「出来れば結婚した方がいいが、無理なら代理出産で子供だけでもいいのではないか」
和男はその言葉に意を得た。
これまで婚活に100万近くつぎ込んだが、何の成果も得られなかた。
ならば、結婚は諦めて子供だけでもというのは正しかった。
そもそも結婚するのは子供が欲しいからという事が一番である。
和男は決意を固めて代理出産の事を調べ始めた。
代理出産には費用がかかった。
彼の場合は300万ほどかかった。
結婚相談所など無駄な費用をかけなければ、とつくづく思った。
しかし、待望の子供を授かる事が出来た。
念のため、遺伝子確認をしたが、100%、自分の子供であった。
抱きしめて、涙が出た。
両親にもだかせた。
二人とも、喜んだ。
そして、安堵してくれた。
名前は一男と決めた。
そのままじゃないか、と笑われたがそれも良かった。
一男がすやすやと寝ている姿を見て、和男は新たな家族の矯めに頑張る事を心に違って。
終