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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

再召還された勇者は王国を滅ぼします。

作者: 春風
掲載日:2019/03/23

二つ目の投稿作品です!下手くそなので感想で色々指摘して下さるとありがたいです。

もう一つ短編を投稿しているのでよろしければそちらもどうぞ!

タイトルは勇者を育てる賢者の苦労話です。

それでは再召還された勇者は王国を滅ぼします。

をどうぞ!

「おお、召喚に成功したぞ!これで王国は救われる。」


そう言ったのは俺の目の前に立っているローブを被った小柄な老人。どうやら俺を召喚したのはこいつらしいな。だが、それよりも……


「そうか。勇者は召喚されたか大義であるぞ。」


「はは!ありがたき幸せ。」


偉そうに玉座と思われる椅子にふんぞり返っているこのぶ……デブの方が原因だな。老人は従っただけっぽいしな。


「勇者よ、面を上げよ。」


そう言われた俺は顔を上げる。改めて見るとマジで豚だな、こいつ。それにしても()()()……




「勇者よ。我々がそなたを召喚したのは他でもない、魔王を倒して貰うためだ。今我々は魔王の脅威にさらされておる。魔王は非道なやつでな。今までにも……」


豚が何か言っているがどうでもいい。それよりも現状把握だ。俺は小声で呟く。


「【世界視(ワールドマップ)】」


言葉を言った瞬間俺の脳内に様々な情報が流れ込んでくる。俺はその情報を整理しながら周りを確認する。


……騎士が20人に魔法使いが30人くらいか。それと国王と思われる豚とその隣には娘と思われる女……大したことないな。全員雑魚だ。まあ、雑魚じゃなきゃ勇者召喚何ぞしないだろうがな。


さて、この世界のことも分かったし、頃合いを見計らうかな。


考えが纏まるのと豚の話が終わるのはほぼ同じだった。


「……と言うわけだ。王国を救ってくれんか?」


「……」


俺が話さないのを無礼だと思ったのかさっきのローブを被った老人が殺気を出しながら怒鳴ってくる。


「貴様!王が話しかけているのだぞ!何とか言ったらどうだ!」


……自分達で魔王を倒せないからって赤の他人を自分達の事情に巻き込んでる奴がよく言う。まあいい。


「よい。我は気にしておらん。」


「は!出過ぎた真似を……」


そう言うがまだ睨んでくる。メンドクサイやつだな。


一応確認したいことを聞いておくか。


「国王。一つ聞くが俺は元の世界には帰れるのか?」


その物言いにまた老人が怒鳴りそうになるがその前に豚が答える。


「元の世界に帰る方法は魔王を倒すことだけだ。どのみち帰る為には戦うしかないのでな。頼んだぞ、勇者よ。」


やっぱりか。以前と同じだな。


「そうか、なら死ね。」


俺はそう言って豚と豚の隣の女を除く全員を風魔法で真っ二つにする。


「な、何を……!」


「うるせぇよ。どうやらこの世界は前来たときから変わっていないらしいな。いや、むしろ悪化しているのか。」


「貴様!勇者だからと調子にの……」


「黙れ」


俺は殺気を豚に向けて放つ。それだけで豚は何も言えなくなる。


「はあ、やっぱり覚えてないか。いや、伝えられていないと見るべきか。」


「勇者様。落ち着いて下さい。」


するとさっきまで完全に黙っていた女が話しかけてくる。この状況でも顔色を全く変えないか……こいつはやはり……


「黙れと言ったぞ、糞女神。」


「な!」


どうやら図星らしいな。女神と言う言葉に反応し過ぎだ。


「それにしても……女神ともあろうものがすることか。屑め。」


「な、何を言って……」


「女神のお前なら知っているんじゃないか?俺の名は近藤宏樹。以前にもこの世界に召喚された勇者だ。」


「あ、あなたが!」


「俺は前回も魔王討伐を任されたが……その時はすぐ戻されたがまだ恨みは消えていないぞ。」


「ッ……!」


女の息を飲む声が聞こえる。そう。俺は以前も召喚されている。そして、その時に魔王を倒したが、その後は、裏切り者扱いされた……哀れな勇者だ。


大切な者を殺された恨みはまだわすれては無いぞ。


「どうやらこの国は俺が言ったことを無視しているらしいな。」


「何のこと……」


「女神のてめえは知ってるだろ。俺が魔王を倒す代わりに人間、亜人、魔族、全ての種族が平等になること。その約束を守る代わりに俺が魔王退治を引き受けたんだ。てめえらはそれを……!」


「ま、待て!何のことだ。我は知らんぞ。」


豚がそう言うが……


「だろうな。前の国王が伝えていないんだろうな。大方人間こそが至上の種族だとか何だとかほざいて約束を反故にしたんだろ。あいつならそうしてもおかしくはない。俺も確認する前に女神に戻されたしな。しかも女神の糞野郎は俺の目の前で婚約者を殺しやがった!許せるわけがないだろう!……まあ、それももう一度喚ばれたことで解決した。以前の恨みも含めてこの王国を……女神を……全て壊してやるよ。」


俺はそこまで一息で言い切り魔法の準備を始める。


「ま、待ちなさい!私を殺せば元の世界には帰れませんよ!それでもいいのですか!」


女神が馬鹿なことを言っているが関係ないな。


「お前は勘違いしている。」


「勘違い……?」


「そうだ。そもそも俺は自力で帰れるんだ。それをお前らは俺が帰れないものだと考えていたんだよ。バーカ。」


「な……と、とにかくこの世界を滅ぼすことはさせません!そんなことをするならば、あなたを……」


「もう遅い。」


俺は魔法を唱える。その魔法の名は……


「【滅びの光】」


この魔法は俺が恨みを持っている対象を問答無用で滅ぼすもの。


その対象は……


「か、体が!消えていく……と、止めなさい!」


「わ、我の体がぁぁぁぁあ!痛い痛い痛い!」


それは外からも……


「う、うわぁぁぁぁぁ!何だこの光は!か、体が!体が消えていくぅぅぅぅぅ!」


「きゃぁぁぁぁぁ!何なのこれえぇぇぇぇ!」


あちこちからそんな声が聞こえてくる。ああ、これでやっと……やっとあいつの仇を討てる……俺がそう思っていると、


「あ、貴方がこの世界を滅ぼすのなら貴方も私達と変わりません!結局は貴方も同じなんですよ!」


馬鹿なことを言う女神がいる。こいつは勘違いをしているな。


「お前は何を言っている?俺が滅ぼすのはこの国と女神、これだけだ。」


「……え?」


呆けたような声を出しているが……当たり前のことだ。この国は俺の言った平等にするということは守っていない。奴隷制度何て当たり前。しかも奴隷の全てが人間以外の種族だ。


だが、他の国は俺の言ったことを守っている。何故そんな所を滅ぼす必要がある?あるわけがないだろう。それは魔王も例外ではない。というかむしろ魔王が最も守っているだろう。


どうやら今回の奴は俺がわざとトドメを刺さなかったあいつらしいな。そうか。回復していたのか。


ここまでの事を説明してやると女神の顔は絶望に染まる。どうやら自分の仕出かした事の大きさが分かったらしいな。そもそも俺より強い奴は女神を含め存在しない。よくもまあ、そんな中で強気に出れたもんだ。


前回は魔王相手に手こずっていたのもあり、油断したところを強制的に女神に戻されたが……今回は違う。油断何ぞ絶対にしないしこいつらを殺すまで恨みは消えそうもない。


さあ、もう終わらせようか。


「死ね。屑ども。塵の一つも残さずにな。」


俺は魔法を全力で放出する。その瞬間あらゆる音が消えた。残っているのは俺という存在のみ。王国という存在はたった今消滅したのだ。


「……仇は討てたよ。安らかにルーシア。」


俺は婚約者の名を口にしてある方向に向けて飛んでいく。


「せっかくだし、魔王に挨拶に行くか。前の事も謝りたいしな。……あいつは許してくれるかな……あいつが許してくれるなら魔王の街に住むのもいいかもな。」


そこには婚約者を殺され恨んでいた者の顔はない。どこかスッキリした感じの青年だけがいるのみだ。


その後、青年は魔王とも仲直りし、この世界に再び召喚されたことを知られ色々な種族が感謝してこようとしてきたのだが……


その話はまた今度。再召喚された勇者がどうなったのかは誰も知らないだろう。


あの世で全て見ていたルーシア以外は……


お読み頂きありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] 短くサクッと読めて良かったです
[良い点] 『勇者を育てる賢者の苦労話』と一緒に感想を送る事をお許し下さい。 二作品とも面白かったです。 特にこちらの作品は感情移入してしまいました。 [気になる点] 最初の段階で主人公がゲーム的な…
[一言] 差別で苦しめられた人々の絶望も、愛した相手を殺された恨みも、瞬☆殺☆解☆消!!
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