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異世界最強はエルフ達を助けに行くようです

暇な時に読んで頂けると幸いです。

 日が昇り、日差しが顔に当たる。眩しくて目が覚めた。

(やば!遅刻!!…ん??)

 ガバッ!と起き上がり、辺りを見渡す。が、見慣れないベットに見慣れない壁。そこで俺は異世界に来たという事を思い出した。

 俺はベットから離れ、水が汲まれてある所で顔を洗らう。が、何故か口の中に水が入り込んでくる。

 俺は不思議に思い、水面で反射する自分の顔を見て「うわ!」と声を上げる。そこには、口から耳にかけて右半分の皮膚が千切られた様に無くなっており、目には光がなく、今にも人を殺すような目をしている。誰だってこの顔を見たら怖い。

 誰か来て驚かせたら申し訳ないと思い、すぐに防具を着て兜を被り、身支度を済ませる。

 身支度が終わり少しベットに腰をかけた頃にコンコンッとノック音が聞こえ、部屋に入ってくる。

「おはよう、マリー」

「おっはよーなのです!!!」

 威勢が良く、満点の笑みで挨拶をしてくるマリー。

 朝からなんて元気なんだと感心しつつも寝起きなら迷惑だろうなと思う。

 ぐぅ〜。と腹が鳴る。腹は減ってないはずだが、体が反応してるのか?

「えへへ。お腹鳴っちゃった」

 お前かい。






 朝食を終える。正門のようなところから大樹の外へ出る。木々の葉が重なる間から光が漏れており、神秘的な感じだ。

「マリーよ。いくらギンタがいるとはいえ、簡単にスキルを使うのではないぞ。本当に危険な時だけだからな?そしてギンタよ。お主の強さは重々承知だが、もしもの時は全力でマリーを守ってくれ」

「あぁ。任せてくれ。この命に代えても守るよ」

「大丈夫なのです!父上もお元気でいてくださいね!!」

 俺たちはそう言い、 俺は握手を。マリーは軽いハグをして、出発しようとする。

「ギンタ、まってくれ」

「ん?」

「これは俺が小さい時からずっと持っていたお守りだ。気休めかもしれないが、受け取ってくれ」

 振り返ると、最初に俺を槍で刺そうとした男''ルーネ''が俺の首に何かをかける。タグが付いている木製で出来たネックレスだ。

 タグにはエルフ語?のような文字で何か書かれている。

「大切なものじゃないか。いいのか?」

「いいんだ。大切な物は"大切な友''に渡したいんだよ」

 大切な友。なんと響きがいいのだろう。現実世界では友なんて言ってくれる存在がいなかった。しかも異世界でできた初めての男友達。いわゆる''マブダチ"だ。

 フッ…と俺たちは笑い、握手をする。

 俺たちはもう言葉を交わさずとも考えている事がお互いわかるくらいの仲だ。と俺は思っている。

「じゃあ、いってくる」

「いってきまーす!!」

 俺たちは振り返り、歩いていく。チラッと後ろを見てマリーの親父の顔を見るがどこか寂しいそうな顔をしていた。







 ファラリの森を出てから1日が過ぎた。

 今俺たちがいるところは森ではあるが、ファラリの森のように木は多く立っていない。と、いうよりも今俺たちがいるところが普通の森と言えるのだろうか。あそこは木が異常な程立っていすぎて、そこの領域だけ隔離されているようにも思えた。あれがエルフの領域なのだそうだ。

 俺たちは一息つき、再び王国に向かって歩き出した。

「ギンター。まだ着かないんですー?」

「俺に聞くなよ。てか、マリーの方が知ってるはずなんだが…?」

 俺たちはいくつもの馬車が通ってできた道のりを歩く。が、全く森を抜けれるような気配はなく、本当にこの道で合っているのか疑心暗鬼になっているのだ。

 こんな事ならマリーの親父にでも地図か何かを貰っておくべきだった。完璧な誤算だ。

 俺たちはトボトボと歩く、しばらくするとマリーのエルフ特有の長い耳がピクピクと微動する。どうやらこれは耳をすましているらしい。

「…ギンタ!この先で誰かが襲われています!」

 後で何かを察知したマリーは俺に報告してくれる。

 正直俺たちは道なりにだけ進んでいるが、これが合っているのか確かめたかったし、助けられるのなら助けて道を聞きたい。

 ならば答えは1つだ。

「助けるぞ。マリー、距離はわかるか?」

「はい!おそらく1km程だと思うです!」

 1kmか…。

「マリー。お前は後から来てくれ。俺は先に行って助ける。必要なら回復魔法ヒールを使ってやってくれ」

 一日中歩いただけあり、俺たちには色々とお互いのことを話し合うことができた。その中で、マリーが使える魔法についても聞くことができた。

 マリーは主に回復系の魔法が使えるらしく、完全に援護タイプだという。正直俺も回復系魔法は一通り扱えるが、この際にマリーの魔法がどれ程か知っておきたかった。

「よし…行ってくる」

 俺はマリーにそう告げ、ぐぐぐっと身を屈めて足に思いっきり力を入れ、地面を蹴り飛ばし、目的地に''跳んだ''







「リーダー!完全に囲まれてまっせ!」

 1人のハチマキをしている男がリーダーと呼ばれる男に言う。

 辺りを見渡すと、よだれを垂らし、キシシシシと嗤いながらこちらにゆっくりと近づくモンスター、ゴブリン達が10匹いる。

 最初は2匹だけだったが、近くに仲間が潜んでいたのだ。

 俺たちは3人のグループで狩りをしている。1人は先ほど俺に焦っている顔で俺を呼ぶ男、''ケレン''。主に短剣を扱い、技術面を重視している男で、訛りのある喋り方が特徴だ。ケレンはいつもふざけている男だが、戦闘になるとそんな性格とは一変して誰よりも集中する。

 そして、今俺の後ろに隠れるようにして泣いているのが我らグループの援護役の魔術師、''ヘレーナ''だ。彼女はグループの中では最年少ではあるが、魔法センスがずば抜けてある。が、実践経験が無く、実践でもっと魔法を使って成長したいと俺たちに申し込んできたのがもう2年前の話だ。だが、いつまでたっても戦闘中に恐怖で泣き出すのは今も変わらない。年は15歳でまだまだ未熟ではある。

 そしてこのグループのリーダーの俺、''イーサン''だ。

 俺とケレンは幼い頃からの仲で、家が貧しく、「いつか大人になったらモンスターをいっぱい狩って金を稼ぐんだ!」と言っていて今に至る。あの日が確か10年前くらいだから、今俺たちの歳は20代後半くらいになっただろう。あまり気にせず生きてきたため、自分の歳すら覚えていない。

「グギャッ!!」

 ゴブリンの一体が大きく飛んで持っている短剣を俺に向かって振り下ろす。

 俺は左手に持っている鉄製の円盾でゴブリンの攻撃を受けるが、体重を活かして攻撃してきているので1つの攻撃が重く、一度凌ぐのがやっとだ。

 今の戦闘を見たゴブリン達はまたキシシシシと嗤う。

 恐らく様子見で攻撃しただけなのに凌ぐのがやっとだったから、俺が雑魚だと悟ったのだろう。

 ゴブリン達が俺たちを囲うように一歩一歩近づいて来る。

「こらもうアカンで…わいらはここで死ぬんや…」

 ケレンは今にも殺るなら殺れと言う態度でゴブリン達を睨みつける。

 一方、ヘレーナは滝のように涙を流しながらパクパクと口を動かしている。パニックになって声が出ない感じだ。

「ケレン」

「なんや…。今更もっと簡単なクエストにしとけば良かったや言うても遅いで…」

「おい、まだ終わったわけじゃない。よく聞け、ヘレーナを連れて逃げろ。退路は俺が開く」

「……んぁ!?アホ言うな!ほったらお前はどないするんや!」

 死を悟りぼーっとしていたケレンの目がカッ!と開き、俺を見る。

「俺もこいつらちょっと惹きつけたらすぐ行く!だからヘレーナを連れて行け!」

「嘘つけ!お前、ここで犠牲になるつもりやろ!」

「違う!いい方法がある!お前達がいたら出来ないんだよ!」

 俺は適当な嘘をつく。

 ケレンの言う通り、俺はここで犠牲になって死ぬつもりだ。ヘレーナはまだ子供だし、ここから1人で逃げると行っても、途中でモンスターに出くわせば一発で殺されるだろう。

 それに犠牲は少ない方がいい。

「行くぞ!」

 ケレンが何か言おうとしていたが、俺の方が早く言葉を発した。

 俺は迷うことなく一直線に走り、ゴブリン2匹にタックルをして倒し、退路を築く。

「グギャ!?」

 意外な行動にゴブリンが驚く。

「行け!早く!」

「…絶対無事に来るんやぞ!」

 ケレンとヘレーナが急いで通る。

 成功した。

「さぁ、かかってこい!1匹くらい殺してやる!!」

 俺に、1匹も倒せる力はあるのだろうか。

 結果倒せなかったとしても数秒くらいは時間稼ぎできるだろう。

 俺は横目で走る2人を見て、達者になと心で祈る。

 だが、次の瞬間目を見開いた。

「な…に…」

 ヘレーナの足に矢が刺さっていた。ゴブリンは10匹じゃなかった。木の上に隠れていたのだ。

「ぁぁぁぁああああああ!!!」

 刺さっている足元を押さえ、悲鳴をあげるヘレーナ。

「くっそ!ヘレーナ!」

 これ以上ヘレーナに矢が刺さらないように庇うケレンだが、すぐにケレンの背中にも矢が刺さる。

「ぐぁああ!」

「ヘレーナ!ケレン!!」

 ゲラゲラとゴブリンが嗤う。

 あぁ、そーいうことか。

 俺たちは狩られているのだ。もっと悪くいえば遊ばれている。

 残っているゴブリン達が俺にのしかかる。おそらく、出血多量で死にゆくヘレーナとケレンを目の前で見させるためだろう。

「くそ…」

 こんなことならやめておくべきだったのだ。

「やめてくれ…」

 最初から俺たちには無理だったのだ。実力に見合わないくせに…思い上がっていた。

 ヘレーナとケレンのうめき声が嫌でも聞こえてくる。

 もう無駄だと感じる。起き上がろうと踏ん張っていた力がどんどん弱まってくる。

「お、ギリギリセーフ」

「…?」

 後ろの茂みからガザガザとやってくる黒い影。もはや敵か味方など判断する思考すら薄れていたが、すぐに思考回路が回復してくる。

 気づけば俺にまたがっていたゴブリン達の上半身が地面に落ちていた。

「な…」

 俺は驚愕のあまり、何が起こったのか全くわからない。

 だが、ひとつだけわかるのは

「…みか…た…?」

「あぁ、助けが遅れてすまない。少し飛びすぎてしまった」

 黒い影は近づいて来る。あぁ、黒いのは鎧なのか。装備している鎧のせいなのか、普通の人より一回り大きく見える。そして、付けている鬼のような仮面…?から見える目が赤色に光る。

「もう大丈夫だ」

 俺はあまりに安堵しすぎてそのまま気絶してしまっていた。












「ギィィイイエエエエエ!」

 ゴブリン達が俺に向かって飛びかかって来る。が、俺は右手に持つ刀、クロベエで''ただ横に振る''。

 するとそれが自然であるかのようにゴブリン達の胴から上がスライスされるように切り落とされる。

 ただ、横に振っただけだ。それで地上にいたゴブリン達は全滅だ。

「さて…と」

 俺は首を鳴らす。

地上地図マップ

 スキル、地上地図マップを使う。すると目の中に敵の位置やある程度の範囲の図形が表示される。どうやら木に隠れているゴブリンは2体だけのようだ。

「そこか」

 俺は一体目のゴブリンのもとに瞬間移動テレポートする。

「ギィ!?」

 驚いた様子で後ろを振り向くゴブリンだが、すぐに俺に殴られ、パァン!と弾ける。

 俺はゴブリンが持っていた弓を取り、もう1匹のゴブリンに構える。

「試してみるか…。属性付与エンチャント

 ただの木で作られた弓矢に雷がビリビリと纏う。

 どうやら成功したみたいだ。

 バシュッ!と音をたてて放たれる。ゴブリンに命中するとバチバチッ!と感電する。

 俺は死亡を確認すると、彼らの元へ行く。

 2人ほど刺されて倒れている。まだ息はあるが、2人とも辛そうだ。

「マリーに回復魔法ヒールを使って貰いたかったが、時間がないな。すまない2人共、少し痛いぞ」

「…痛っ!!」

 俺は刺さっている矢を抜き、すぐに青色のポーションを2人に振りかける。

 回復魔法ヒールを使っても良かったのだが、俺が持ってるポーションを試してみたかった。予想通りこの世界でも俺が持っているポーションは使えるみたいだ。

「安心しろ。もう痛くないはずだ」

「ほんとだ…痛くない…」

 元は白いローブであったのだろうが、長年使って黄ばんだローブを着た少女が目を丸くする。

「よく頑張ったな。偉いぞ」

 俺は少しでも安心できるように少女の頭に手を置いてやる。

「お、おおきにやで!あんたが助けてくれへんかったらわいらもう死んでたわ!命の恩人やで!」

 ハチマキをした男が俺の手を握り感謝をしてくれる。というか、関西弁だよなこれ。

「例には及ばないさ。それより痛いところはあるか?もし痛いところがあれば言ってくれ」

「そんなもんあらへんよ!みてみ!この動き!」

 男は勢いよく飛び跳ね、痛くないという事をアピールする。少女の方も頭をコクコクと上下に振っている。

「はぁ…はぁ…。やっと着いたです!あ!ギンター!へぶっ!?」

 マリーが俺を見つけ、こちらに走ってくる。が、途中で気を失っていたもう1人の男に引っかかり、勢いよく顔面からこける。

「ん…は!?ヘレーナ!ケレン!」

 さっきの衝撃で目覚め、男が立ち上がっりながら辺りを見渡す。

「わいらは無事や!リーダーもなんか怪我してへんかー!?」

「あぁ…俺は大丈夫だけど、お前たちなんともないのか…?」

 リーダーと呼ばれる男が驚きながらこちらに走ってくる。

「あぁ!この通りぴんっぴんや!この人が助けてくれたんや」

「大丈夫みたい…?」

 ケレンと呼ばれる男がウシシッ!と笑い、ヘレーナと呼ばれる少女がまだ戸惑っている顔でこちらをみる。

「鎧の方、俺たちを助けて頂き感謝します」

 リーダーと呼ばれる男が2人を代表して深く頭を下げる。

「いやいや大丈夫だ。それより、聞きたいことがあるんだが…」

「な、なんでしょうか!?」

 俺が最後まで言い終わるまでにリーダーが目を輝かせる。助けてもらった恩を少しでも返せたらと思ったのであろうか。

「あ、あぁ。実は俺とそこに倒れている奴でヴェッツァニア王国に行く途中なんだが、この道で合ってるのかわからなくてな」

「あぁ!わいらそこに住んでんねん!!リーダー、送って差し上げましょうや!」

「あぁ、そうだな!よろしければ私たちが案内しますよ?」

「(コクコク)」

 3人とも笑顔で顔をずぃっ!っと近づける。

「あぁ…。なら案内してもらいたいが構わないか?」

「「「はい!!」」」

 快諾してもらった。











 1時間ほど歩いた。

 もう少しでヴェッツァニア王国に着くと言われ、どんな所なのだろうと胸を膨らます反面、まだ捕まっているエルフ達が無事かと緊張する。

「なぁ、ヴァルダナ=ニバルレルンってどんな奴なんだ?」

 俺は国でのニバルレルンの評価がどんなものか気になった。

「あの伯爵ですか?そうですね…」

 イーサンが手を顎にあて、考える素振りをする。言葉を選び、うまくまとめているのだろう。

「あんの貴族はクソ野郎ですわ。言いにくいんやが、噂ではエルフ族を襲って奴隷としてオークションに売っとるそうですわ」

 やはり国内でも奴の評価はひどく低い。

 チラッとマリーを見る。シュンッと落ち込んでいる顔だ。

「なるほどな。ちなみにそのエルフ達がいる場所とかわかったりするか?」

「そこまではわかりませんが、宜しければ俺たちが探しましょうか?手掛かりくらいはありますので」

「いやいや、そこまでしてもらうのは悪い」

 俺は両手をガシャガシャと振る。

「旦那。初めての場所でしかも手掛かりもなし。そこから探すんは大変ですぜ?ここはわいらに任せて貰えへんやろか?」

 確かにケレンの言う通りだ。今のこの一瞬一瞬が捕らえられているエルフ達の命に関わらん事もなくはない。

 それなら彼らに任せた方が賢明だと言える。

「すまない、任せる。」

「……それまで、どうする、の?」

 詰まり詰まりで話しかけてくる少女、ヘレーナ。俺の事が怖いのだろうか、それともただ話すのが苦手なのか。

「そうだな。とりあえず宿を探してこの王国の状況をいろいろ確認したい。あと、俺の名前はギンタだ。好きに呼んでくれ」

「お、ほんならヘレーナを連れて行ったらええですわ!この子、街の事めっちゃ知ってるから」

「……まかせ、て!」

 ヘレーナがフフンと鼻を鳴らす。子供らしさがあってとても愛らしい。

「では、宿が決まるまでお供します。情報が掴め次第、参ります」

「あぁ、頼む。それと、硬い言葉なんて使わなくていいぞ?普通の方が話しやすいしな」

「そうか、すまない。気を遣わせたな」

「お!ほなわいも!よろしゅうな!」

 フッと笑うイーサンと、二ッ!と笑うケレン。対照的な感じだな。

 少し話しながら歩いていると王国の門まで無事に来ることができた。

 門の周りには検問を受けるために整列している人達がいる。

 俺とマリーも並ぼうとするが、イーサンから声がかかる。

「あ、ギンタさん、マリーさん!俺たちは大丈夫だ!ギルドメンバーは並ばなくてもいいんだ」

「でも、マリー達ギルドメンバーじゃないですよ?」

「大丈夫や!わいら弱いチームやけど顔だけは広いんやから!」

 わっはっは!と大笑いするケレンと苦笑いをするイーサンとヘレーナ。

 おそらく、討伐系のクエストよりモンスター以外で困っている人のクエストを行なっているのだろう。

 チラッと列に並んでいる人達を見る。彼らもこちらをチラチラと見ているが、おそらく俺の鎧や刀を見てここのギルドメンバーだと思ったのだろう、別に気に留まることもなく自分の持ち物を整理し始めた。

「おっ。今日はいつもより遅かったな、イーサンの旦那」

 列に並ぶ人達が通る大きい門よりは随分と小さい門のそばに立つ二人の門番兵に声をかけられる。イーサンは彼らに笑顔で手を振りながら答える。

「あぁ。危ないところをこの方々に助けてもらったんだ。恩返しをしたいんだ。通して貰えるか?」

 門番兵達は俺とマリーを見て少し考えてから笑いながら言う。

「そりゃ、助けてもらったら恩返ししねぇとな!おう、入れ入れ!お前らでギルマスに理由ちゃんといえよ?」

「あぁ、すまない。じゃあまた今度一杯行こうぜ」

 門番兵とイーサンがパンっと手を叩き、門を通る。

 ケレンも「その時わいも呼んで!?」と言いながら門を通る。

 俺たちも門を通ろうとすると門番兵が「ありがとな」と拳をポンっと俺の胸元に当ててくる。

 俺はいえいえと両手を振り、マリーはぺこりとお辞儀をしてヘレーナと一緒に通る。

 さぁ、ここからどうやって捕まっているエルフ達を奪還するか。

 まずはイーサンとケレンが調べるまでここの事をヘレーナに聞きながら俺たちが出来ることはやってみよう。

 また、俺は気合を入れる。

 さぁ、ミッション開始だ!















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