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ただいまいってきます

暇な時に読んで頂けると幸いです。



「よっと」

「なんだ…ここは…?」

「イーサンさん。ここはエルフの住む森、ファラリの森なのです!!本当はあまり人属の者を入れちゃダメなんですけどね!」



俺達はヴェッツァニア王国から瞬間移動テレポートし、ファラリの森へと移動した。

初めて見る景色にイーサンとケレン、そしてヘレーナは驚いていたが、それよりも疲労の方が優ってしまいそのまま大の字に寝そべっている。

マリーは父親に状況を説明しに行ってくると言い、大樹の方へ走っていく。



「さて…俺はどうしたものか」



イーサン達はその場で気を失っているかのように寝ている。

さすが冒険慣れしているだけあって、休める時はどんな状況であろうと休むというように体が出来ている。

あと、ヘレーナのいびきがうるさいという新事実を発見してしまった。

ふむ…それにしてもやることがない。

俺別にダメージも食らってないし、どちらかというと疲れてもいない。



「ねぇ、黒騎士。あんたこれからどうするのよ」

「む?」



俺はさっきマリーが走って行った大樹をじっと見ていると高さ的にいうと俺の腰辺りから声がしたので下を見る。



「え?お前、ついてきて良かったのか?」



見ると、そこにはスライミーが首を最大まで上げて苦しそうに見上げていた。



「ええ。前も言ったけど、私の目的はあくまでベルンに辿り着くこと。セイヤ達にはお世話になったけど、もうお別れは告げてきたわ。あとその中腰姿勢やめて!?」



苦しそうだったのでせっかく中腰になって話を聞いてやっていたのに何故か潤目で訴えてくるスライミー。

泣かれても困るので普通に立っているとまた苦しそうに首をあげる顔がなんとも申し訳なく思ってしまう。



「悪いが今はベルンに行く気はない。イーサン達を俺のしたいことに付き合わせるのは悪いしな。ヘレーナはまだ子供だし無茶はさせられない。ひと段落つくまで待ってもらえないか?」



スライミーは一旦考えてから、改めてこちらを向き直す。



「まぁ、どの道ベルンに行くんでしょ?幸い急ぎじゃないし全然いいわ。何か手伝えることがあったら言ってね」

「すまないな」




スライミーってなかなかいい奴だなと思いながら、俺はマリーが走っていった方を見る。

普通ならもう戻ってきてるはずだが...。

嫌な予感がしてきた。



「早速だが、手伝ってもらいたいことがある」

「え?今全然いいけど何?」

「イーサン達を見ておいてくれ。マリーを見てくる」

「?そのくらいなら」

「頼む」



俺はスライミー達をその場に置き去りに猛スピードで駆けた。



「マリー!どこだ‼」



大樹内に入り、やたら広い木でできた廊下を若干速度を落としながら部屋を見て回る。

見事なことに、‘‘誰一人としていない‘‘。



「どうなってるんだ?」



どうなっているのか全く分からない。

違う森にでも移住したのか?いや、それだったらヴェッツァニア王国に行く前に知らせてくれるよな?というよりそんなことマリーは一言も言ってなかったしな。

俺は一旦足を止める。



地上地図マップ



俺は地上地図マップを発動させる。

するとこの大樹の一番地下に物凄い数の人数が表示される。

しまった下か!

おそらくマリーも地下にいるだろう。

全速力で下まで降りるか?

おそらく数十秒で辿り着くが…何かあったでは遅い。



「許せマリーの親父」



俺は馬鹿でかいハンマーを出現させ、片手で思いっきり床に振り下ろす。

すると地下までおよそ50メートルくらいあるが、いとも簡単に衝撃波で地下まで続く穴ができる。



「衝撃波で誰も死んでいないと良いが…」



俺はそんな独り言を言いながら地下まで続く穴に吸い込まれるように落ちていく。







「父上ー!只今なのです!」



元気よく扉を開け、マリーは父の書斎まで駆け込む。

しかし、そこにはいつも難しそうな分厚い本を読んでいる父の姿はなく、しーんとしている。



「およよ?いつもならここにいるんですけど…」



んー。と少し考えるが、父は狩りなどで外に行く時や宴や祭りをする時以外は書斎から離れない。いや、離れたことはあるのかもしれないがそれを見たものはいない。

マリーはとりあえずここで父を待つことにしたが、性格上待つことがあまり得意ではないので、いーち。にーい。と十秒まで数え、その場を後にした。



「うーん。どこにいったんですかねえ?せっかくギンタも帰ってきましたし、新しくできた仲間もできたというのに!肝心な時だけいないんですね!」



マリーは頬を膨らませ、ぷんすかぷんすかしていると、今歩いている奥の扉が少し開いているが見えた。



「むむ!誰かいる気配がしますよ!」



マリーは扉の奥には父がいるだろうと思い、どうせなら「わっ!」と驚かせてやろうと思い忍び足で扉まで近づく。

そういえばマリーがもっと子供の頃、父を驚かして腰を抜かしていたというのはもう随分昔の話。

ようやくマリーは扉まで辿り着き、開いている隙間から中を覗き込む。

するとそこには数名の白いローブを着た人がマリーの父を取り囲んでいた。



「レス・リーフェン殿。貴方の娘は実に魔法の才能がある。そして何やらスキル持ちだとか。さすがは彼女の子だ。何もない訳ではあるまい」



よく耳を澄ませば、マリーから見て一番手前の少し背の高い人が、父に対して何か言っている。

全員フードを被っており、顔が隠されている。



「悪いがもう‘‘お前たちの学園‘‘とは一切関係がない。私達の事は放っておいてくれないか。娘も含めての」



どうやらあまり歓迎はしていない声で答えている父の声を聞き、とりあえず銀太の所へ一旦戻ろうと背を向けたとき、そこには部屋の中に居る白いローブを着た人と同じ人間が立っていた。



「わっ!びっくりした」

「君が彼女の娘か?ふむ。確かに顔立ちは似ているな」



男はマリーの手を掴み、父がいる部屋の中に入らされる。



「マリー!?帰ってきておったのか!?ええいなんと間が悪い」

「父上!今帰って来たところです。それよりこの人たちは誰なんですか?」



今まで父と話していた白ローブの人達が父など目もくれず、じっとこちらを凝視してくる。

フードを被っているので実際凝視しているかはわからないが、そんな気がする。



「間違いない。彼女の子だろう。まだ中にあるのは眠っている」

「中?いったい何の話ですか?」



この人たちは自分達だけで勝手に納得して、マリーの質問には全く答える気配がない...。



「いい加減にしろ。貴様らが何を企んでいるかは知らぬが、このまま帰らぬのならば容赦はせぬぞ」



父がドスの効かせた声で言うと白ローブを着た人達はお互いに顔を見合い、一番背の高い男が返答する。



「わかった。このまま帰ろう」

「ああ、そうしろ。そしてもう二度として姿を現すな。貴様らが何度来ようとも私の意思は変わらん」

「そうか。なら仕方ない。伝えておこう」



白ローブを着た人達は撤収の姿勢を見せる。そしてドアノブに手をかけようとしたとき。



「おとなしく帰る馬鹿がどこにいる」



白ローブを着た人達は一斉に振り向き、背の高い男が「おい」と告げ、あとの人たちが杖をこちらに向け、何やら唱え始めている。



「いかん!伏せろ、マリー!」

「ふん。もう遅い」



すると視界が真っ暗になり、マリーは気を失ってしまった。




「んん…」

「マリー!やっと目が覚めたのか」



深い眠りについていたマリーは意識を取り戻し、横で心配そうに見つめる父を見る。

それから辺りを見渡すと、エルフの皆がいた。



「一体何があったのですか?」



マリーは父に聞くと渋った顔でこちらを見つめてくる。



「また時が経てば全て話そう今は何も聞かずにいてくれ」

「でも...」

「頼む」


何故白いローブの人たちも父上も何故教えてくれないのか。

マリーはそう思いながらも渋々了解する。



「うむ。目覚めたようだな。それでは始めよう」

「?」



マリーが目覚めたのを確認した背の高い男はぶつぶつと言い始める。

すると地面に大きな文様が現れ、マリーの体が一気に熱くなる。



「く、苦し…」



それはマリーだけでなく他のエルフ達も同じで悶えている。



「やめろ…。こんなことをしてもお前らの思い通りにはならぬ…!」

「それはお前が決めることではない。さあーー」



背の高い男が手を上げ、他の人に合図の様なものを送ろうとしたその時、地面が大きく揺れ、地下の天井が崩れ、大きな穴ができ、背の高い男の体制が崩れる。



「な、なんだ!?」

「わかりません。ですが上から恐ろしいほどの魔力が接近しています」

「仕留められるか?」

「いいえ、この魔力量は以上です。例の娘が召喚した‘‘魔獣‘‘かと」



白ローブを着た人達は何やら慌てながら状況を確認しあっている。



「マリー。今のうちにこっちへ!」



エルフ族の隊長であるルーネがマリーの手を引っ張りながら走る。



「ちっ!仕方ない。幸い時間はまだある。娘を連れて撤収だ」

「「「はっ」」」



ルーネに手を引っ張られながら地上に上がる階段まで全速力で走っていると、目の前に長い顎鬚を生やした白ローブの老人が立ちはだかる。

ルーネはマリーを庇うように前に出て戦闘態勢に入る。



「絶対に渡さぬ!」

飛行フライ



普通なら自分にかける魔法を白ローブの老人は、ルーネに魔法をかけて宙に浮かす。



「くそ!下せ!!うわっ!」



ルーネはいとも簡単に魔法で投げ飛ばされる。

そして今度はマリーち自分に飛行フライをかけ、仲間の元まで飛ぶ。



「何も生贄はお前たちでなくても良い。むしろこちらには良い生贄は山ほどいる」

「待て!」



白いローブを着た人達は、マリーの父を無視しその場から消え去ってしまった。

消えてからほんの数秒後に、エルフがいる地下に黒い物体が高速で降りてくる。



「マリー!どこにいる!?」



黒い物体の正体は俺だ。

俺はひとまず誰も怪我をしていないことを確認しながらマリーを探す。



「ギンタ!!マリーが連れ去られてしもうた!」



声がする方を見ると、マリーの親父がおろおろしながらこちらに向かってくる。

最初あった時とは全然雰囲気が違う。

そんなことよりも、



「連れ去られた?誰に?何が起こってる?」

「それは…」



何やら言いたくなさそうな顔で下を向くマリーの親父。



「マリーは大丈夫なのか?」

「それはまだ大丈夫であろう。しかしあまり悠長にしていては命の危険が…」

「そうか。ならどこに連れていかれたか教えてくれ。事情はそいつらに聞く」



自分の娘が危険にさらされているのに何も言おうとしないマリーの親父に一瞬腹がったが、兜を被っていたおかげで収まった。



「…おそらく、マリーは”ベルン”に連れ去られたはずだ…ぐ…」

「!ルーネ!!大丈夫か?」



マリーの親父が答えるよりも先に傷を負ったルーネが答えてくれる。

見れば右手の手首らへんを左手で支えながらゆっくりとこちらに歩いてきている。



「白いローブを着た老人に投げ飛ばされてな…」

「脱臼か。そこに寝ろ。手荒だが、入れてやる。マリーの親父、手伝ってくれ」



ルーネを寝かし、動かないようにマリーの親父に抑えてもらう。

俺は外れた右腕を引っ張る。

ゴゴゴッ。



「すまないなギンタ。感謝する」

「右手を固定するものが欲しいが…すまない。誰かに作ってもらってくれ」



俺はルーネから離れ、俺が降ってきた所に行こうと立ち上がる。



「ギンタよ。いったいどこにーー」

「決まってるだろ。マリーを助けに行く」



俺がそう言うと、それを聞いたエルフ達がざわつく。



「ん?変なこと言ったか?」

「ギンタよ。いくらお主が強かろうがベルンでは全く歯が立たんぞ」



マリーの親父は悔しそうな顔をして下を見る。

ルーネも申し訳なさそうにしている。



「どういう意味だ?」

「ベルンはな、お主と同等の力を持った魔法使いが何十人といる。そしてその者達は独自の魔法学校を設立し、日々優秀な魔法使いを育てているのじゃ」

「言いたいことはそれだけか?悪いが何と言おうと俺は行く。そういえば、ここに人を連れてきている。あいつらが落ち着くまでここでいさせてくれ」

「ま、待つのじゃギンタ!ならばせめてヨンドゥールという者の魔術院に入れ。まだマシであろう」



俺がさっさと歩き始めると、後ろからマリーの親父のアドバイスを受け取る。



「問題ない。すぐに戻る」



俺はそう言い残し、地上まで一気に飛んだ。







「スライミー!」

「何?どうしたの?」



俺は地上に着き、スライミー達がいたところに戻る。

すると、寝ている三人に何やら癒し系の魔法をかけているスライミーが俺の声に気づき、こちらに向く。



「今からベルンに行く。マリーが攫われた」

「え!?ちょっとどういう事?」

「説明は行きながら話す。準備はいいなら今から行くぞ」

「え?待ちなさいよ。この人達はどーすんのよ?」



俺はすぐにアイテムでモンスターを出現させる。今回は前とは違って大きくたくましい程でかいキングウルフを呼ぶ。

こいつで行けば道中のモンスターは近寄りもしないだろう。



「イーサン達はマリーの親父に面倒見てもらうよう伝えてある。さあ乗れ」



俺はキングウルフの背中に乗り、スライミーに早く来るように手を伸ばす。



「え?も、もう!急展開過ぎて話が全然入ってこないわ!しかも何しれっと伝説のキングウルフ呼んでんの?そいつ一回この世界を破滅まで導いたって言われるモンスターなんですけど!?」

「わふ!!!!」

「こっち見ないでよ!ほんと怖いんだから!!」



ギャーギャー言いながらも渋々キングウルフの背中にまたがるスライミー。

ちゃんと乗ったことを確認した俺は、キングウルフを高速で走らせる。

気づけば数秒でスライミーは泡を吹きながら気絶していた。







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