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比較
団長は焦り、歓喜した。
自分の魔動人は、全力で疾走しているはずなのに、新型魔動人の背中は遠退くばかり。
「これ程の違いがぁ!」
そして、見えなくなる金色の背中。
人間なら全力疾走なのだろうが、魔動人だから汗こそかかないが、酷使された機体が熱を帯びる。
樹々の間を縫うように進み、茂みを掻き分けた先に見えた金色の魔動人。
「王子!」
思わず、拡声器で呼びかけた。もし、魔獣の巣であれば危険な行為にほかならない。そして、駆け寄る団長の魔動人。
金色の魔動人の傍で、真っ二つになった魔獣トーリスだったものを確認し、安堵する団長。
「団長。片付いたぞ。」
王子も拡声器で答えた。
「そのようで。」
あまりの性能差に嫉妬にも似た感情があったのか、返事に込もっていた。
「心配かけたな。」
その事を感じたのか、王子は謝る。
「新型魔動人の性能、直に体験し、これ程の違いがあるとは…。」
「確かに、比較は机上だけだったからな…。満足のいく結果が得られた。」




