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転生騎士  作者: ノザ鬼
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誕生日

 会社にて…。


「お疲れ様でした。」

 誰に言うともなく、部屋から出る。僕の背中にかけられる声は無い。

 まっ、期待していたわけじゃないから気にしないが。


 今日は、僕の30歳の誕生日…。この年になると嬉しいなんて思うはずも無い日だ。

 そう思っていたけれど、今回の誕生日は違ていた。その事を知ったのは半年程前になる。



 半年前…。


 いつもの様にネットでお気に入りのチェックをしていると、マウスを動かす右手が止まった。ついでに、心臓も止まった。心臓については比喩だけど。


 手が止まった理由は、大好きなロボットアニメ【転生騎士 ナイト技亞ぎあフレーム】の限定版円盤フィギア同梱の発売決定の告知だった。

 しかも、フィギアは第一話で主人公が乗った試作機体と戦った別の試作機体。登場はたったの一回で時間も短い、マニアの間でも幻の機体と言われている。その設定をんだのか、プラモデルやフィギアになっていない。

 これを選ぶとは、ファンの気持ちを解ってくれていると喜んだ。

 付け加えておくと、この戦いが元で、別の試作機体に乗ったパイロットが敵に回るという展開に繋がるのだけれど…。


 おっと、ネタバレになりましたね。これから先は実際のアニメを見てください。どっぷりとハマる事請け合いですよ。


 話が反れましたね。修正しましょう。

 僕は翌日に行き付けのショップで予約しました。僕は通販ではなく、ショップで買う派なので。

 もう、お気付きでしょう。この限定版の発売日が、僕の誕生日だったのです。 

 これは、運命…、僕と【転生騎士 真ナイト技亞フレーム】が見えない赤い糸で繋がっている証拠なのです。



 帰り道…。


 早る気持ちを押さえながら、ショップへ向かう僕。

「あっ。」

 思わず声が出た。それは、顔に当たった雨粒。会社を出た時に、もう少しもつだろうと思っていたのだが…。

 知らない間に早足になる…、今日は傘を持っていない。


 程無くして、ショップへ到着した。

 混み合う時間だが、その待ち時間さえ楽しみに変わる程に今僕は幸せなのだ。


「ありがとう御座いました。」

 店員さんが手持の付いた大きい紙袋を渡してくれる。

 僕は受け取り、急いで外へ向かう。


 ショップから出た時、まだ雨は降り出していなかった。空を見上げると、まだ明るい部分もある。帰るまで持ちそうだと早足気味に家路に着く。

 言うまでもなく、紙袋はお腹の前にしっかりと抱えている。





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