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第八話〜輪廻の反転〜

執事であるヒデジはいつものように紅茶を入れ、いつものように姫のもとへ。


そしていつものようにノックをし…いつものように…


「ヒデジでございます。フランシスカ様」


いつものように、入室許され……ない?


訝ったが、戸惑いが大きく、一瞬動きがとまる。いつも冷静なヒデジにすれば珍しいことだ。


なにか部屋から醸し出されている独特の空気も影響したかもしれない。


気を取り直し、再度ノックをしようとしたその時、男の声が聞こえた。失礼は承知の上、ドアを開け、確認に走った。


すると…男かと思っていた者は中世的で、その美しさは私の判断を鈍らせた。


しかし、姫は口付けとともに倒れ、姫を抱く少年の姿は神秘的で…死神を思わせた。


ふと男も気づいたようでこちらを見て、その異常な状況にもかかわらず、私に微笑みかけた。


姫が死んだ?死神?私は?殺される?殺されてもよい?殺されたい?死神に?


思考が死んでいた。


いつものように


いつものように


いつものように


いつものように


紅茶を運びにきた。


今まで恐ろしい想いもしてきた。


それこそ死にそうな目にさえ。


私は死が至上の恐怖だと信じて疑わない。


でも?今?私は?何を?考えている?


姫を助ける?幸せ?守る?何から?


目の前から?彼は?恐ろしくない?至福…


何をすべき?私は…


そんな中、少年はただ好奇心に満たされたような目をしながら近づいてきた。





私は…










わけも分からず…叫んだ。











少年は驚いていたようだった…


その様子は私を少し現実に引き戻し、


叫びながらも、すまないことをしたなぁ…などと場違いなことを考えていた。

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