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やさぐれパン子  作者: oga
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19/21

夢の奮闘

 私は急いで家から飛び出した。

スマホで遥にかけ直す。


「会場までは近いから、私、教えてくる!」


 試合の様子は遥に見ててもらい、ケイコさんと木村さんの試合が始まる前に、ケイコさんに先行を取るよう伝えれば良い。

しかし、


「ユメ、ケイコさんの試合始まったよ! これで勝ったら、次は木村さんとの勝負になる。 早くしないと間に合わない……」


 調理の時間が無いため、試合の結果はすぐに出る。

会場までは10分。

駐輪スペースに来ると、自転車を引っ張り出し、急いでまたがった。


「行くわよっ!」

 

 しかし、こぎ始めた瞬間、思い出した。


「わっ、パンクしてたんだっ!」


 随分前に、パンクしたのを機に自転車には乗らなくなっていた。

修理に出すのを面倒くさがったばっかりに……

間に合わないと知りつつ、それでも私は走った。


「はぁっ、はぁっ…… どうしよ……」


 木村さんのカレーパン (辛ぇパン)は、恐らく香辛料で味を分からなくさせる。

何か、それをリセットする手段はないかしら?


「……ミント」


 私は、家にある芳香剤を思い出した。

ミントには匂いを浄化する作用がある。

そして、噛めば沈静作用もあったはずだ。


「そうだっ!」


 私は、コンビニでミント味のアイスクリームを3つ購入した。





「ユメ、ケイコさんが勝ったよ! 木村さんとの試合が始まっちゃうから、急いで!」


「あっ!」


 その時、私は石に躓いた。

アイスを入れた袋が宙を舞い、道路に落ちる。

グシャリ、とアイスは車にひかれ、潰れてしまった。





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