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やさぐれパン子  作者: oga
17/21

イノシシ現る

 野生のイノシシが現れた!

しかも、目がつり上がっており、殺気立っている。


「や、やばいよ遥か……」


「に、逃げるぞ……」


 私たちが逃げようと思った瞬間、イノシシは咆哮を上げた。


「グオオオオオオオオン!」


 うわっ、と尻餅をつく。

イノシシは臨戦態勢に入っているようだ。

ほんとにやばい!

その時、ケイコさんが躍り出た。


「ケイコフィールド、発動!」


 ケイコフィールド。

これは、車中でケイコさんから説明を受けたが、赤い服装をしている時にのみ発動できる技で、半径15メーター圏内にいるケモノを自分に呼び込むらしい。

ちなみに、この技名を聞いた時、ケイコさんってちょっと痛い子なのかな? とひそかに思ったのは黙っておく。


「グルルルル……」


 イノシシはケイコさんに向き直った。

ところが、すぐに私の方にまた向き直った。


「お、オイ! てめーの相手は私だろ!」


 バットをガンガン叩きながらイノシシを引き付けようと試みるも、完全に標的は私だ。


「……くそっ、何がどうなってやがる!」


 ……ケイコフィールド不発。

てか、ケイコさん以外の誰か助けて……!


 ガオオオオオン! と鋭い音が森に響き渡った。

気づくと、目の前のケモノは頭から血を流して横転していた。

どうやら即死のようだ。


「何が起きたの?」


 私の視界の奥に、毛皮を着たおじいさんが現れた、

ケイコさんの真後ろに立っており、猟銃を担いでいる。


「バカモンガアアアアアアアアッ!」


 そのおじいさんは、ケイコさんに向かって物凄い怒鳴り声を上げた。


「うわっ!?」

 

「貴様っ! そんな恰好で森を歩きおって、死にたいのかっ!」


 この後、ケイコさんはかなりこっぴどく怒られ、帰り道はずっとブルーだった。





 おじいさんと一緒に下山し、その際私は銃で捕らえたイノシシを分けてくれないかと頼んだ。


「……やめておけ。 銃で即死させてしまったから、血抜きもできん。 肉が欲しいんなら、村で売っているのを買えばいい」


「普通に売ってんの? 私ら、馬鹿じゃん」


 私と遥はあはは、と笑った。





 村でイノシシの肉を購入。

夕方、定食屋でイノシシ汁と呼ばれるトン汁風の食べ物を食べた。

イノシシの肉の他に、大根、タマネギ、白菜、シイタケ、豆腐が入っており、とてもおいしかった。


「イノシシの肉っておいしいね!」


「ああ、私も初めて食べたけど、こりゃうめえな」


 ……初めて食べたんかい!



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