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やさぐれパン子  作者: oga
15/21

カツサンド

 この後、遥がカラオケに行きたいと言い出したので、近くのカ〇館に向かった。


「西〇カナ、歌いま~す!」


 遥が上機嫌で歌い始めた横で、私は気になってさっきの話を聞いた。


「あの、さっきの男の人って……」


「ああ、調理学校時代のライバルだよ。 木村シンゴってんだ」


 毎年冬に行われるパンのコンクールで、ケイコさんはまだ一度も優勝したことがなく、原因は木村さんがいるかららしい。


「あいつ、インドに3年間修業に行ってて、超本格的なカレーパンを作れんだ。 しかも、スパイスを現地調達してくる程のこだわりっぷり。 あれに対抗するには、メニューの意外性と、素材にも力を入れなきゃならねぇ」


 一体、どんなレシピを用意したのだろう?


「ケイコさんは、今年は何で対抗するんですか?」


「……カツサンドだ」


 カツサンド?

あんまり意外性は無いような気がしたが、驚いたのはその後だった。


「使うのはイノシシの肉だ。 豚肉よりずっと上等な味がするんだけど…… 仕留めてからすぐ血抜きをやらなきゃマズくなっちまうらしい。 だから、生け捕りにして業者の所に持って行く」


 ……えっ!?

い、生け捕りって……


「イノシシは西日本に生息してんだ。 四国とか、九州。 雪が多い所にはいないんだってよ」


「ちょ、待って下さい! ケイコさんが捕まえに行くんですか?」


「ああ、トラック借りてな。 ユメと遥も来るか?」


 いや……

近い内吹奏楽のコンクールもあるし、かなり危険な匂いがする。

断ろうとした時、遥が叫んだ。

 

「私、姉さんに一生ついてきます!」


「遥、よく言った!」


 嘘でしょ……

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