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やさぐれパン子  作者: oga
13/21

和解

 幸い、保健室の先生がまだ残っていたため、私は頭の傷の手当てを受けることが出来た。


「いくら喧嘩でも、やり過ぎよ。 金成遥」


「……ごめんなさい」


 私の頭には包帯が巻かれ、見るからに痛ましい。

今日のところは練習には参加せず、汚れた制服をはたいた後、遥に家まで見送られることとなった。

帰り道、気まずい雰囲気だったが、思い切って話を切り出した。


「いや~、モップで殴るとか、どこかのバスケ漫画を彷彿とさせるね!」


「……」


 ノーリアクション。

変なこと言っちゃったかしら。

すると、遥が口を開いた。


「……あなた、タフすぎ」


 ……はは。

確かに、あれだけやられて、まだ音楽室に向かう気力が残っていたとは。

我ながら頑丈だ。


「丈夫に生んでくれた母親には感謝しなきゃね!」


「……メンタルの方」


 そっちか。


「うち、両親の仲が悪くてさ。 それをつなぎ止めるために家じゃ良い子ぶってるのよね。 あなたに辛く当たるのはその反動かも」


 ……家庭の問題。

うちにも少なからずあるけど、一体何が原因なのかしら?


「何で仲が悪いの?」


「さあね。 あの人らの事情なんか知らないわよ。 ただ、想像はつくけどさ。 何も話さないって時点でね」


 子供に説明できない事情。

……浮気、かな?


「高校を卒業したら、私は家を出て行く。 それまでの辛抱よ」


 遥にも色々あるのね。

だから爆発してしまったんだ。

 




 気づいたら、私たちは駅前までやって来た。


「あ、ついでにパン食べてかない?」


「……いいけど」


 クレイジーブレッドに向かい、行列を並んで店内に入る。

ケイコさんに軽く挨拶して、メロンパンを2つ買った。


「これ、雪解けメロンパンっていうの。 ほっぺた溶けちゃうくらいおいしいよ」


 パクリ、と遥が一口頬張る。

おいしい、とつぶやき、こんなことをボソリと言った。


「私らの壁も、溶けてなくなる?」


「……」


 私は遥の頭を抱え、額と額を合わせた。


「壁なんてねぇよ」


ナル〇のシーンをパクりました笑

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