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やさぐれパン子  作者: oga
11/21

雪解けメロンパン

 帰り道、ケイコさんがガリガ〇君 (焼き芋味)を奢ってくれたので、それを食べながら話をした。


「ケイコさんの代は、コンクールどうでした?」


「……どっかの馬鹿がインフルにかかったのに練習に来やがって、出場停止になっちまった」


 げ、それって一番最悪じゃ……


「その馬鹿は私なんだけどさ」


 え……

 

「ユメ、明日ヴァイオリン持って来いよ。 夜なら少し教えてやれっから」


 ヴァイオリンか。


「今、楽器屋に預けてて…… 弦の交換終わったら連絡くれるみたいです」


「じゃあ、しばらく私の使えよ」


「いいんですか?」


「その代わり、朝は手伝ってもらうぜ!」


 こうして、その日は家に帰り、翌朝クレイジーブレッドで仕込みの手伝いをすることになった。





 「メロンパンの作り方を説明するよ」


 枝豆さんは、前日作っておいたクッキーの生地を大きめのボウルから取り出し、テーブルに置いた。


「分量は僕が決めるから、栗井さんは伸ばし棒で生地を伸ばして、その上に丸めたパンの生地を乗せて、包んでいってよ」


 私は言われた通り、生地を伸ばしてから、丸めたパンの生地をとって、包み込んでいく。


「仕上げにグラニュー糖をまぶして、ヘラで切れ目の模様をいれて、オーブンで焼けば完成だよ」


 グラニュー糖をまぶす理由は、表面をカリっとした仕上げにするためらしい。

オーブンで焼き上げると、香ばしい薫りがした。


「わあ、おいっそう!」


「一個食べてもいいよ」


 私は出来たてのメロンパンを2つに割り、頬張った。


「まいう~」





 授業が終わり、放課後だ。

今日から1ヶ月後に吹奏楽のコンクールがある。

私が教室から出ようとすると、金成遥が入り口に立ちはだかった。


「……どうしたの?」


「あなたを音楽室に行かせるわけにはいかない。 コンクールまで後一ヶ月。 足を引っ張られるわけにはいかないの」


 いつもの遥より、更にプレッシャーを感じた……

私の心臓が早鐘を打っている。

これから何が起こるのか、何となく想像がついた。




  


 



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