4話 草原
やっと冒険をはじめます。
目を開けると穏やかな風に吹かれ揺れる草原が広がっていた。
「いや、どこやねん!」
突然の状況を理解できず、慌てて辺りを見ると薄汚い袋が落ちているのに気づく。
「ん?なんだこれ?」
拾い上げて中を見てみると数枚の硬貨、短剣、一枚の手紙が入っていた。
手紙を広げるとこう書いていた。
「この手紙を読んでるってことは君はもう私の前にいないんだろうね。いきなり、転送しちゃってごめんね〜。まぁ、頑張っていこうよ。
数日間食べるのに困らないくらいのこの世界の通貨と手入れ不要の錆びない短剣をサービスしておくよ!やったね、ラッキー!
他の必要なものは自給自足で頑張ってね。
あ、あと君は他の転移者に比べて老けていたからね。少し若返らせておいたよ。
なに、これもサービスさ!ラッキー!
それじゃあ、頑張って生き抜いてね アベルより」
手紙を読み終え、
「ふー、よし一回落ち着こう。慌ててもいいことない。落ち着け〜。とその前に、...なんやねんこれ!......よし落ち着いた」
叫ぶことでいったん冷静になり現状確認をはじめる。
「まず、金だな。銀貨10枚に銅貨10枚かどのくらいの価値なのかさっぱりだな...まぁ数日は食事に困らないらしいし大丈夫だろ。
次は短剣か。これは錆びないらしいし便利そうだな、街までの護身用とかに使えそうだな。
で、最後に一番重要な身体のことだけど、ほんとに若返ってるのか?鏡がないからよくわからないな。言われてみれば身体が軽い気も...」
地球にいた頃の忠勝は31歳のごく普通の容姿をした会社員だった。
人付き合いが得意ではなかったので、特別親しい友人や特定の異性はいなかったが安月給なりにそれなりに生きていた。
そこにいきなり新たな生き方を示された俺は
「まぁ、せっかく新しい生き方をもらったんだから頑張ってみようか。異世界転移にありがちなハーレムとか俺tueeeしたいしな」
前向きに生きることにした。
「まずは街に行きたいな。でも、どう行けば街なんだ?....とりあえず、道を探すか」
歩き始めて1時間ほどたっただろうか。忠勝はいまだに草原を歩いていた。
途中うさぎのような生き物を数匹見た以外はなにも変わらない景色に飽きてきた。
「どこやーここ、寒いし、いい加減喉渇いた」
疲れからか、素の口調を出しながら忠勝がダラダラとあるいていると前方の丘の向こうからキンッと金属の交わるような音が聞こえた。
「人か⁉︎」
突然現れた変化に嬉しくなった忠勝は駆け出した。丘を越えた先には8人の男が馬車を囲むようにしており、その中の1人が馬車の護衛であろう男と剣を交えている光景があった。
「戦闘中⁈盗賊か?.....せっかくチートもらったんだし、助けるか!」
読んでいただきありがとうございます。
はい、今回もテンプレ展開となりました。
これから筋肉無双が始まるのか⁈
ということでこれからもよろしくお願いします