3話 チートGET
やっと、チートGETします
「アベル?」
「ああ、私はアベルだよ」
適性を観るために部屋を移動しながら会話を続ける。
「アベルってのはこの世界の名前じゃないんですか?」
「あー、私はこれでもこの世界の主神だからね。この世界の名前は私の名前からとってつけたんだ。まぁ、私が一番偉いってことだね」
この神様が本当にそんなに偉いのか?
接していると俺には全くわからん。
部屋の中には机と水晶玉が一つ置かれている。
「絶句しないでよ!君は本当にラッキーなんだからね!並み居る神の中から私にチートというか加護を受けるんだから」
「え、他の神様になる場合もあるんですか?」
「そうだよ。あ、じゃあこの水晶に触ってもらえるかな?適性を観ていくから」
「あ、はい」
「そのまま触っておいてね。じゃ、続きだ。もちろんあるよ。さっき言った他の6人は別の神が担当しているからね」
「そうなんですか。でも、それにどんな違いがあるんですか?」
「全然違うよ!だってそれぞれの神によって与えられる加護が違うんだからね」
「そうなんですか⁈」
「ああ、今回の担当は主神、魔法神、戦神、豊穣の神、鍛治の神、愛の神、それに商いの神がいるけど、それぞれの特徴にあった加護を授けられるんだけどね、君は本当にラッキーだ!なんと主神である私はどんな加護でも授けることができるんだ!」
「な、なんだってー(棒)」
「少しは見直したかい?」
「ははー、見直しましたー(棒)」
「まー、君の適性にあったものしか授けられないんだけどね〜。お、丁度適性の判定が終わっ..これは!」
「どうしたんですか?」
俺は知っている。地球で伊達に転移物の小説を読み漁っていたわけじゃない。この展開はテンプレだ!俺がすべてのチートを授かるな展開だ!
「いや、こんな適性をもつものを私は見たことがないのでね。少しびっくりしたよ」
(キター!)
「はやく、見せてください!」
「これが君の適性だよ」
こちらに向けられた水晶を覗いてみるとそこには
筋肉の申し子
観の極み
と、浮かんでいた。
「?」
忠勝は目をこすりもう一度じっくりと見てみる。
筋肉の申し子
観の極み
「うん、チェンジで!」
「いや、無理だよ⁈」
「だって、神様!筋肉の極みってなんですか⁈魔法は⁈鍛治は⁈俺の夢は⁈」
「申し訳ないけど、魔法を使うことはできても、ここで適性がなかった以上強力な魔法を使うことは難しいかな」
「俺の夢が....」
「大丈夫だよ!筋肉の申し子ってほうは私も見たことがないけど、観の極みはすごいよ!」
「ほんと?」
「うん!私たちが授ける加護っていうのは君たちにわかりやすく言うとパッシブスキルみたいなものなんだ。
例えば、魔法神の授ける魔導の申し子という加護は魔法の威力補正と魔法の習得補助のスキルの合わせみたいなものだね。
つまり加護があるだけじゃ、アクティブスキルである魔法を使えるわけじゃないんだよ」
「ふむふむ、なるほど」
「そして、観の極みは自分の才能で最大限努力した場合手に入るアクティブスキルを他人が使っているのを観るだけで使えるようになるレア加護だよ!」
「すげー、つまり天才になれるスキルってことか。神様ありがとう!」
「ま、才能がない分野に関しては何にもならないんだけどね」
「嫌なこと言わないでください!」
「ごめんごめん。さ、適性もわかったことだし早速加護を授けようかな。そこに立って目を閉じてくれる?」
「はい!お願いします」
立ち上がり、壁に背を向けて立つ。
目を閉じしばらく待つと、前のほうから「いくよ〜」と声が聞こえる。
次の瞬間、目を閉じていてもはっきりとわかるほどの光を感じたと思ったら頭に直接響くように
「目を開けていいよ。頑張ってね」と聞こえる。
声に従い目を開けると、俺は草原に立っていた。
次回から冒険をはじめたいと思い、無理矢理気味に転移しちゃいました。
チートは肉体系でしたいと思います