1話 目覚め
「知らない天井だ」
目を覚ますと見知らぬ部屋のベッドに横になっていた。どこか友達の家に酒に酔った勢いでやっかいになったのか?
俺の酒癖の悪さは自他ともに認めている。
「どこだ、ここは?」
身体を起こしながら、昨日までの記憶をたどっても何故ここにいるのか思い出せない。
辺りを見回すが特に変わったところはなく、ごく普通の6畳程の部屋だ。窓から日がさしこんでいるので夜ではないのだろう。
ベッドから身体を出し、
「う、少し寒いな」
ベッドにあった毛布を一枚羽織ると立ち上がった。どこにいるのか確認するために窓を開け外に顔を出す。
「いや、どこやここ⁈」
思わず素が出てしまった。そこに広がるっていたのはヨーロッパのような街並みだ。
「?.....外国?え、何で?」
必死に昨日の行動を思い出そうとするが思い出せない。頭を抱えていると後ろのドアが開いた。
「あ、起きたんだ。こんにちは〜」
振り返るとそこには長い銀髪に青い瞳の10代後半から20代前半のイケメンが立っていた。
「....こんにちは」
突然のことに反応が遅れてしまう。
「ん、起き上がれるってことは元気そうだね。気分はどう?」
「あ、はい、大丈夫です。」
「そうか、それはよかった。」
「....あの、あ「あ、そうだ。下にごはんの用意をしてあるんだ。食べるよね?」
「あの、あなたは誰ですか?ここはどこですか⁈」
「あー、まぁその話はごはんを食べながらにしない?忠勝君もお腹空いてるだろうし」
「いえ、そんguuuuなこ...と」
「あるね〜」
「ちょっと待ってね〜、今スープを入れるからね」
「あ、はい...」
結局、抵抗虚しく謎の男と食卓を囲むことになった。場所はさっきの部屋から階段を降りた先の、12畳程の少し広めの洋室だ。椅子に座り部屋を見渡すと、火のついた暖炉や、外国語であろう文字の書かれた本の数冊無造作に入れられた本棚が目に止まる。
「さ、できたよ。食べよっか。」
「はい、いただきます」
出てきた料理はクリームシチューや、パンといった簡単なものだったがお腹に空いた今は十分なご馳走だった。かきこむように食べ、あらかた腹が膨れると忠勝は先ほどの質問を問いかける。
「あなたは誰ですか?」
「私は神様だよ」
何言ってんだこいつ....
はじめまして、河下ユングと申します。
今回初めての作品投稿ということでこのような文で大丈夫なのかという疑問はありますが、楽しんでいただけたらとおもいます。