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第九十話:光と闇を司る影騎士 後編

威火炉守の分身体は、苦しんでいる美少年、葵の前に現れた。


そんな葵の前に現れた威火炉守の分身体に葵が願ったのは自らの死だった。


葵の発言に威火炉守の分身体が困惑する。


威火炉守:分身「何を言い出すんだっ、君はっ!!」


葵「もう…限界なんだ…これ以上はもう…抑えておけそうにないんだっ!!」


威火炉守:分身「君は一体、何を抱えているんだっ!!」


葵は諦めたようにな、フッ、と笑い語りだした。


葵「僕が四歳ぐらいのことで…父が仕事の同僚を家に招いた時だった。


  僕は玄関に行き挨拶しようとその父の同僚の顔を見た瞬間、僕の

  脳裏にその同僚の首を刃物で掻っ切り殺すビジョンが見えたんだ。


  その時、恐怖で僕は泣き出して親が慌てているのをよく憶えているよ。

  でも、これはほんの始まりに過ぎなかったんだ。」


葵「その日から、人を殺すビジョンをよく見るようになった、そして

  小学二年生の頃には、胸の奥から頭に向って植物が根を張るような

  感覚で頭の入ってきて物凄い殺意に襲われ始めた。

  そして年月が経つにつれてビジョンの頻度も殺意の強さも

  酷くなってきた。


  僕は一体何が起きてるのか、小学六年こんなことを親に言える

  わけなしから僕はこの原因を調べることにした。

  まあ、当然ネットにはこんなの載ってなかったから、僕は,

  家系に何かあるんじゃないかと思って母方の曾おばあさまを

  尋ねたんだ。」


威火炉守:分身「そこで、君を苦しめている正体が判ったんだな。」


葵「うん、どうやら殺しを生業とする一族だったみたいで、優秀な

  肉体性能を持つ者同士で交配したり、より殺し特化した者を

  生み出すために残虐性の強い者などとも交配を繰り返すことで

  一族は、最強の殺戮者を生み出すことに成功した。


  でも、あまりにも圧倒的な強さと残虐性を恐れられ、その者は

  処刑され一族は流刑にされて一族はその生業を捨て普通に

  生きてきたみたいで、特に何の問題も起きなかったみたい。


  でも、一族最強の殺戮者の血が覚醒遺伝で蘇ってしまった

  みたいで、曾おばあさまの蔵の中にあった巻物にその殺戮者

  に起きていた症状が書かれていた。

  その、症状は僕に起きている症状そのものだった。」


威火炉守:分身「そこに、抑える方法などはなかったの?」


葵は首を横に振る。


葵「どうやら僕は、自制心が強いみたいで、僕の症状が出ている

  状態になるともう殺しに手をつけているみたいだけどその

  頃の僕は、まだ踏みとどまれていたから僕は何とか耐えれるん

  じゃないかとかすかな希望が見えたと思った。


  けど、そんな考えは甘かったよ。

  今の僕の頭の中は{殺せっ!!}と言う声が眠っている時以外、

  鳴り響き、常に渇きに襲われてるんです。

  それをどうにかこうにか抑えこんでいるけど…もう限界です

  …このままだと僕は罪もない人々を殺してしまう、それに

  僕の大切な人達もっ、僕はっ、僕は誰も殺したくないん

  だっ!!

  だから頼むよ…僕が殺人鬼に成り果てる前に殺してっ!!」


苦しそうな顔をして涙を流しながら威火炉守の分身体に自らの

殺害を懇願する葵。


威火炉守:分身(心)「そんな衝動を一人で抱えて耐えて、その上

           好きなはずの女すら遠ざけて…

           なんて強い心、でもとても痛々しい…」


威火炉守:分身「僕は君を殺さない、むしろ生きて幸せになれっ!!」


葵「ねえっ、僕の話聞いただでしょっ、どう足掻いたって…」


威火炉守:分身「いや、方法はあるよ、君のそれは衝動を満たして

        やればその声も殺意も収まるはずだ。」


葵「僕に殺しをやれっていうのっ!!」


威火炉守:分身「簡単に言えばそうだ、でも人を殺すわけじゃない。

        そういえば僕が人界に来た目的についてはなしてなかったね。

        僕が人界に来た目的は死霊人間の討伐の為なんだ。」


葵「死霊…人間?」


威火炉守:分身「ああ、この人界は善悪のバランスが崩れていてね、

        それによって人間の幽霊が悪

        人とかに憑依して、もとの人間の魂を喰って肉体を

        奪っている存在のことだ。

        しかも、共食いすることでより強くなる厄介な存在なんな。」


葵「それを僕に殺せと…僕は殺すこと事態が嫌なん…」


威火炉守:分身「こいつらは、罪のない人々を人間社会に住み着き奪い、

        殺し、と非道の限りを尽くしている。

        誰かがやらないと更に多くの犠牲者が出る…それでも嫌か?」


葵(心)「彼の話が本当なら僕のような殺人鬼予備軍が適任だろう、

     それにこれで衝動を緩和、抑制出来るならやる価値がある。

     でもこれで殺しの快楽に溺れてしまったら…」


葵「判ったよ、僕がやるよ。」


威火炉守:分身「本当か?よかった、それじゃあ早速…」


葵「ただし条件があるよ。」


威火炉守:分身「なんだい?」


葵「僕が殺しに魅了され殺人鬼になり果てたら…僕を殺すと約束してっ!!」


威火炉守:分身「ああ、判った…約束する。」


葵「だけどどうやって戦うの?一応肉体があるんだよね?」


威火炉守:分身「えーと、これが微妙なとこで、実体でもあるけど非実体でも

        あるんだよ、だから人界の銃とかで銃弾を当てることは出来

        るけど損傷を与えるのは無理だね。

        確か人界の理から外れた存在になってしまったから人界の理

        の武器では殺せないんだ。

        だから、僕が来たんだよ。

        契約者を見つけて影騎士の契約を結ぶためにね。」


葵「シャドウ…ナイト?」


威火炉守:分身「まあ簡単に言うと…そうだねぇー、闇夜に忍んで、悪を断つ

        ヒーロー的なものになって君が戦うんだよ。」


葵「なるほど、それじやあ契約しようよ。」


威火炉守:分身「ああ、変化の時に媒体が必要になるけど媒体は選べるけど

        何にする?」


葵「うーん、だったらこれでいいかな。」


葵はスマホを取り出す。


葵「アプリで入れられる?」


威火炉守:分身「ああ、大丈夫だよ。」


威火炉守:分身「それじゃ、媒体も決まったことだし契約始めるよ。」


葵の足元に魔方陣のようなものが現れ、輝きだす、そして威火炉守の分身体は

呪文を唱え始めた。


威火炉守:分身「我、光と闇を統べる者、我が命ににより、汝に我が

        光と闇のを授けるっ!!」


魔法陣のようなものからの光が強くなり葵の全身を包み込む、そしてすぐに光は

弾け跳び粒子となって消えて、葵が現れる。


そして、葵はスマホのアプリを確認すると、黒い騎士の全身鎧のロゴのアプリが

表示されていた。


威火炉守:分身「そのアプリを指で押したまま、閃光暗黒変化と叫べば、

        変化出来るよ。」


葵「判ったよ、それじゃ試してみるね。」


葵はスマホの黒い騎士の全身鎧のロゴのアプリを親指で押しながら、

閃光暗黒変化と叫んだ。


スマホから光の粒子と漆黒の粒子が葵の身体を螺旋を描きながら包む。


光と漆黒の粒子で包まれた肉体は急速成長し、右半身は白銀の鎧と純白の

マントが装着され髪はプラチナブロンド、瞳は金色に変化、左半身は

漆黒の禍々しい鎧に覆われ、漆黒のマントが装着され、髪は変化しなかったが

瞳は鮮血のような赤色に変化した。


そして、光と漆黒の粒子の螺旋が弾け飛び、光と闇の力を身に纏った存在として現れた。




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