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第八話:慈愛の英雄

エレメントドラゴンが宝玉スフィアフォンの中の秘蔵エロデータを舞に

見つかり舞に汚物を見るような目で見られている頃、


魔界では、現魔王、大魔女帝、櫻が魔界最高意思決定機関、

暗黒宮殿の最上階、魔王執務室に上級魔族とは比べ物にならない、伝説級魔族、


漆黒の体に鋭い鉤爪が特徴的な緑焔の魔竜:ワイアーム型の極竜


無数の歯車やピストンで構成された体が特徴な

魔導殲滅機械:魔機械型の漸王、


あらゆる種類の昆虫や蟲の融合体、究極複合魔蟲:魔蟲型の斬蛾、


閃光と暗黒の魔人:魔人型の威火炉守イカロス


銀色の毛皮をまとった筋骨隆々の力の邪狼:魔獣型の牙王


五体の魔族を召集していた。


櫻は、歴代の魔王が腰掛けてきた年代物の椅子に長く美しい美脚を組んで

座っている。


櫻「皆の者、急に呼び出してすまない、早速で悪いが漸王、この部屋を調

べてもらえます?」


漸「判りました。」


漸王の体の歯車が回転し、両肩から望遠鏡のようなレンズが飛び出て、

そこから紅い光が放たれ部屋中をくまなく照らす。


 すると天井に呪文が浮き上がる。


漸「まさか、魔王執務室にこのような盗聴呪術を仕込むとは我々も随分

舐められたものですね。」


浮き出た呪文が消滅した。


櫻「ご苦労、これで本題に入れます。

今回御呼び立てしたのは他でもない呪式計測器への細工された

時期が判りました。

  今から三十年前には既に細工がされていたようです。」


極「おいっ、三十年前って、まさか!!」


櫻「はい、私の師である大天使キリシエルの孤児院学校に神魔融和政策に

反対派のテロ組織が襲撃した事件と同時期です。」


斬「今、思い出すのも胸糞悪い事件だ。あのキリシエルがこんなくだらない

  奴らに殺さちまうとは。」


極「となるとあの、事件の背後に黒幕がいたということになる。」


牙「だが、当時は、神界と魔界で合同で捜査が行われたが証拠が

出てこなかった…いや、巧妙に隠されていたということか。」


漸「そうなると、我ら魔界と神界の中枢にこの事態を仕組んだ者の

駒がいますね。」


櫻「はい、ですから今回、私の信頼が置けるあなた達を招集したのです。

  そしてこれから私が話すことは他言無用でお願いします。

  大天使キリシエル…先生はおそらく生きてます。」


それを聞いて、皆が驚愕する。


そしていままで黙っていた威火炉守が口を開いた。


威「おいっ、櫻、本当なのか?…先生が生きてるってっ!!」


極「その根拠を聞こうか。」


櫻「襲撃事件の時、先生は多くの生徒を避難させてたのは知ってますね?」


斬「ああ、だが避難した生徒達は、襲撃前に避難していたから襲撃のことに

  関しては何が起きたのか真相を知る者はいなかったはずだ。」


櫻「確かに避難した生徒の中にはいませんでした。ですが避難できなかった生徒が

  生きていたとしたらどうです?」


牙「馬鹿な、逃げ遅れた生徒は一魔を除いて皆死んだはずだっ、その一魔も

  襲撃したテロリストに刺されて昏睡状態にっ…まさかっ、意識が戻った

  のかっ!!」


櫻「はい、そして私に何が起きたか語ってくれました。」



燃え盛る孤児院学校の廊下を一魔の少女が涙ぐみながら煙を吸わないように

口元を押さえながら熱風の中、ふらつく体をなんとか前に進ませる。


そんな少女は足元の何かにつまずいてこけた。

足元にあったのは少し前まで仲良く話していた神族の男の子だったが今は、

ただ刺し傷から鮮血が流れ出すただの肉の塊とかしていた。


そんな男の子の変わり果てた姿にただ声もなく強烈な吐き気に襲われる。


そんな耐え難い地獄絵図の中、少女の生存本能が前に足を進ませ学校の校庭

に出た。


そんな少女は自身が学校を振り返ると学校の屋根に身長三メーターほどの長身の

天使が手にしているサーベルで大天使キリシエルの背中から腹部を貫いていた。


天使はサーベルを引き抜き大天使キリシエルはその場に崩れ落ちた。


天「慈愛の大天使も戦闘はからきしみたいだな。」


キリシエルを見下ろしながら笑っている。


天「貴様が神族と魔族の長きに亘る戦争を終わらせ融和政策などしたせいで

  薄汚い魔族が我ら神族の土地に土足で入り、しかも薄汚い混血まで生ま

  れ我らの土地は穢れるばかりだ・・・だがそんな諸悪の根源を生み出す

  この場所も今日で終わりだ。」


キ「私が消滅してもっ、神族と魔族は共存可能だと証明されている…きみが

  このような蛮行を働いた所で何もかわらないぞっ!!」


天「いや、変わるさ、融和を実現し神族と魔族の間を取り持つ貴様の存在が

  なくなれば直ぐでないにしても平和は崩れ去る。

  そして第二の貴様が現れないよう貴様の教えを受けた生き残った餓鬼共

  を殺し、現魔王、櫻も始末すれば均衡は完全に崩れ、また戦争の始まりだ。」


キリシエルは貫かれた腹部を押さえながら歯を食いしばって立ち上がる。


キ「くっ、それはっ、…無理ですよっ、なぜなら私がそんなことっ、

  させません…から」


天「寝言は寝て言え、この死にぞこないがっ!!」


天使がサーベルを振り上げキリシエルを両断しようとした時、キリシエルは天使

の腹部に向かって飛びついた。


天「貴様ごときが懐に組み付いたところで意味などっ」


キ「ブラッド・ボルグ」



キリシエルが呪文を唱えると、貫かれた腹部の傷口からキリシエルの血液が

結晶化し組み合った天使を串刺しにした。


天「くっ、貴っ様~っ、」


キ「私が非力な故に学校に残っていた子供達を守れませんでした。

  でもこれ以上は私の命に代えても守ってみせます。」


天「この、俺を道ずれに消滅する気かっ、…血の繋がりもない餓鬼共ためにっ!!」


キ「確かにあの子達と私に血の繋がりはありません。…ですが私にとってあの子

  達はかけがえのない娘や息子であることにかわりはない。

  そして親が子供達に願うものは自分らしく生きて欲しい…それだけなんです。」


キリシエルが天使と組み合ったまま浮遊し始める。


キ「君は、私の大切な娘や息子達の穢れなき命を奪いました。

  そんなあなたを私は許しません。」


天「くっ、何をする気だっ!!」


キリシエルは組み合ったままミサイルのごときスピードで飛び立ち

錐揉み状態になりながら人界へ落ちていった。


その光景を眺めていた少女の背中が切りつけられ少女の意識は

闇の中へ落ちていった。



威「先生はっ、最後まで僕達のためにっ!!」


威火炉守は涙を堪えることが出来ず涙が頬を伝う。


櫻「泣くな威火炉守、先生は人界にいる。」


極「だが、人界のほうに落ちていったというが人界で消滅した

  可能性捨て切れないぞ。」


櫻「私もこれだけなら生きてる根拠にはならないことは判っています。

  でもあなた達も報告が届いていると思いますが人界に持ち込まれようと

  していた対上級神族、対上級魔族兵器やある人間の殺害を請け負った魔族、

  上級神族である先生始末しようとしているのであれば説明がつきます。」


漸「なるほど、しかも人間に転生している可能性もありますいね、

  あとその殺害のターゲットにされていた人間の名前が報告で

  上がって来ていませんが?」


櫻「私も尋問に立ち会ったのですがその人間の名前を言おうとした瞬間、

  彼らの体内の呪文が起動し呪殺されました。」


牙「口封じまでとは徹底してる。

  もしキリシエルが生きているとして奴が今回の黒幕の正体を知って

  いる可能性が高いな。」


斬「呪式計測器への細工も人界に我々の眼を向けさせない為だったということか

  、だとすると急いで捜索に向かわないと。」


櫻「私も一刻も早くそうしたい、ですが新たな問題が人界で起きているんです。」


そういうと櫻は、掌から四つの青い水晶が浮かび水晶から光の線が出て水晶同士

を繋ぎ映画のスクリーンのように形づくった。


そこに映像が映し出され、その映像を見た 伝説級魔族の五魔は、最初何が起きて

いるか理解できなかったが、その映像が理解できたとたん皆、言葉を失った。



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