おまけ4:うん、まともだな。
舞の部屋から蒼龍と通信していたエレメントドラゴンは通信を終えた。
エレメントドラゴンの中では、蒼龍の評価は悪いものではなかった、
むしろこれからどうなるかを楽しみにしていた。
エ(心)「まあ、自身の能力を客観的に判断して、契約者で
カバーしようとしたことは評価できるな。
まあ、詰めが甘い部分があるようだがまあこれから
経験でなんとかなるだろ蒼龍は。」
エレメントドラゴンはスフィアフォンでセイクリッド・ヴェノム
ワイバーンから送られてきたデータに目を通す。
エ「なるほど、これがサニアちゃんの現在、学校で習っていた範囲か
、来週からサニアちゃんの勉強みるから問題集を作っておかないとな。」
スフィアフォンの文章制作アプリを開いて舞のベッドに寝転びながら
問題集を手馴れた感じでエレメントドラゴンは制作していく。
エ(心)「人界に降りても、孤児院学校でやってたことをやるとはな、
どうやら俺は誰かに教えるのが天職なのかもな。
しかし、ヴェノムの奴も変わったな、契約者に勉強を
教えてやってくれなんて、昔のアイツは、全てを穢れた
ようなものを見る目をしていたが、…まあ、親が子から
学ぶことがあるように奴も契約者から学んだということか。
まあ、舞ちゃんにしろ、サニアちゃんにしろ芯がまっすぐ
だからなまあ契約者に実際恵まれてるな。」
そんなことを考えながら問題集を制作しているとスフィアフォンに
通信が入る、バイオレンス・ティラノドラゴンからだった。
通信のマークに触れ、通信を始めた、そこに映し出された映像には
バイオレンス・ティラノドラゴンが必死に泣きついている姿ががあった。
バ「エっ、エレさんっ、助けてっ、ノラがっ、ノラが自分をいじめるンっすよっ!!」
エ「…はぁ?」
するとバイオの頭に手のひらがかぶさり鷲掴みにする。
バ「ぎにゃぁぁぁーーーーっ!!」
そして映し出された映像に現れたのはノラだった。
ノラ「いじめてないわよ、…あっ、初めましてこの欠陥神竜の契約者のノラよ。」
エ「ああ、君がノラちゃんか、話は聞いてるよ、随分とヨーロッパ方面の
浄化作業をがんばってくれてるみたいだね。」
ノラ「私はただ強い奴と戦えるだけで満足だからただ自己満足でやってるだけよ。」
エ「なるほど、まさに修羅道そのものみたいだね君は、あっ、そうそう
僕のとこの契約者の舞ちゃんも仕上がったからそろそろ
君との組み手が出来そうだよ。」
ノラ「本当にっ、やったーっ、今から楽しみで仕方ないわッ!!」
エ「おっと、まあその話は置いといて、バイオが何かいじめるとかいって
通信してきたけど何があったの?」
ノラ「ああ、それはね、バイオって強化しか使えないじゃないですか。」
エ「ああ、確かにバイオは脳みそがお粗末だから呪文をろくに憶えてないからね。」
ノラ「だから、勉強をさせて記憶力とかの底上げを図ろうとしたんだけどねー。」
ノラは呆れた表情を浮かべため息をつく。
ノラの手に頭を鷲掴みされたバイオレンス・ティラノドラゴンが
ばたつきながらエレメントドラゴンに訴える。
バ「ノラ酷いんですよっ、自分にいきなり分数の足し算引き算や、九九などの
高等数学を強要するんっすよ、非人道的すぎるっすよ。」
エ「何が高等数学だこの馬鹿タレがっ!!そんなの人界の小学生低学年の
範囲だろうがぁーっ!!」
エレメントドラゴンは頭を抱え、ため息をつく。
エ「えーと、なんかゴメン。」
ノラ「ううん、別にあなたが悪いわけじゃないいんだから気にしないで。」
エ「ちなみに、九九はどこで躓くんだその馬鹿。」
ノラ「七の段からまともに計算出来ない感じね。」
エ「バイオ、お前よく学校卒業出来てきたな。」
バイオレンス・ティラノドラゴンは腕を組み得意げな表情をする。
バ「計算など瑣末な問題、強化があれば何でも出来て、大概のことは
大目に見てもらえる、これこそ力こそ正義ってことですよ。」
エ「なるほど…究極に大目に見てもらってたんだな…ノラちゃん、
僕がノラちゃんに呪術を教えるよ無詠唱は無理かもしれないけど
ノラちゃんが覚えればとりあえずぞ呪術は使えるようになると思
うよ。
ただし条件があるけど。」
ノラ「えっ、何?」
エ「その馬鹿に引き続き勉強を教えてやってくれないか?」
その提案にバイオレンス・ティラノドラゴンが暴れだす。
バ「エレさんっ、自分を売りやがったなぁーっ!!」
エ「いや、流石に最低限身に着けないと今の話聞く範囲ではヤバイからな、
しっかりノラちゃんに教えてもらうんだぞ。」
ノラ「わかったわ、私が責任持って教えるわね。」
エ「悪いねー。」
バ「この裏切り者ぉぉっ!!」
エレメントドラゴンはバイオレンス・ティラノドラゴンが頭を鷲掴みに
されたまま暴れる映像が流れている通信を切った。
そして、少し考えてから。
エ「蒼龍は、まともだな。」
そう、結論を出したエレメントドラゴンなのだった。