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第五十六話:こいつは、なかなかの強敵だぜ。

メキシコでは夜だったが日本ではちょうど朝の十一時ごろ、

日本に戻って来た響、紅、陸道は、紅お勧めの豚骨ラーメン

店のカウンター席にいた。


そして、目の前に出された豚骨ラーメンの迫力に圧倒されていた。


陸道「こいつは、すげぇ!!」


響「これは、想像を超えた驚きですねっ!!」


陸道と響の目の前には、大きなラーメン丼に濃厚な豚骨スープに

そのスープによく絡みそうな細麺が入っている、ニンニクの香りが

食欲をかきたてる、だがこの豚骨ラーメンの違いは、トッピング

されたものにあった。

なんと、チャーシュウではなく花びらのように、とんかつが

ラーメンの丼に咲き乱れる。


紅「どうだっ、これが俺のお勧めの一つ、圧倒的破壊力を誇る、

  とんかつラーメンだっ!!

  そらっ、冷めないうちに喰っちまえ。」


陸道は先に、スープをすすり、響は麺を食す。


陸道「なるほど、とんかつをトッピングしているから案外、

   スープはあっさりしてるのか。」


紅「ああ、だからけっこう食べやすいんだ。」


響「麺もこのスープに合いますね。」


そして、ついに陸道と響はとんかつを麺と一緒に食した時、

二人は快楽に襲われた。


陸道(心)「これはっ!!、とんかつのサックリ感を残しつつ、

      スープを吸ってしっとり感の両方が共存しているっ!!」


響(心)「しかも、麺が合わさることで私の舌の上で味の三重奏が

     今まさに奏でられるっ!!」


響:陸道(心)「最早、芸術だっ!!」


そして、一心不乱に陸道と響はとんかつラーメンを食べるのだった。


紅「どうやら、とんかつラーメンにすっかり魅了されちまったようだな。

  それじゃ、俺も喰うか。」


そして三人で黙々と食すのだった。



だが数分後、歯を食いしばり胃を押さえながら呻く響の姿があった。


響「がっ、くっ、重蔵っ、私を嵌めよったな。」


紅「いや、初めに言っただろ圧倒的な破壊力だと。」


紅がにやりと笑う。


響「くっ、あっさり系スープに騙されて口に運んでいたが最後っ、

  凄まじいボリュームのとんかつラーメンが胃の中で牙をむくだとっ!!

  さっきまでラーメンを食べていたのは私だった…だが今は…体の

  内部からラーメンに喰われているかのような錯覚におちいってしまう

  、くぅ、…胃袋がもってかれるーーーっ!!」


紅「その程度御せぬとは、どうやらお前はスーパー九州人になれる

  器ではなかっようだな。」


響「なんですかっ、それっ!!・・・くっ、私にツッコミさせないで!!」


紅「しかし、さすがだな陸道よ、初めて、とんかつラーメンを食べて

  顔色一つ変えないとはスーパー九州人になる素質あるぞ。」


陸道「なんだよそれ、でも俺もなかなか苦しいよ、もう胃が

   パンパンでこれ以上は入らないよ、ホントなかなか

   の強敵だったよこれ。」


紅「そうか、お前もここまでか…だったらここから先は俺が真の

  スーパー九州人という奴を見せてやる。」


そういうと、紅は厨房の職人に声をかける。


紅「オヤジっ、替え玉頼む。」


響(心)「かっ、替え玉…だとっ!!・・・あれだけの高カロリーを

     摂取してその余裕…これがスーパー九州人なのですかっ!!」


オヤジ「麺の硬さはどうするよ。」


紅「愚問だな,カタに決まってるだろ。」


オヤジ「あいよ。」


そして、職人は軽く湯通しした替え玉とタレを紅の目の前に置いた。


オヤジ「へい、お待ちっ!!」


そして紅は、替え玉の麺にタレをかけ、箸で器用にまんべんなく和えそして

豚骨スープに投下しスープの中で更に麺をほぐす。


さらに、スープの中にカウンターに置いてある揚げニンニクを投入する。


陸道「よくやるなー。」


そして紅は獣の如くラーメンを貪り食う、そして麺が尽き、両手で丼を

もちあげスープを飲み干す。


響「馬鹿なっ、スープまで飲み干した…だと、どんな胃袋してるんだっ!!」


紅「ふっ、九州人の肉体は豚骨スープで構成されている、そして流れる

  血潮は背油だっ!!

  故に身体に必要な栄養素を補給したにすぎんっ!!」


陸道「…どんだけギトギトなんだよ、九州人の身体はっ!!」


こんな馬鹿話しながら少年騎士達の仕事終わりの食事を楽しんだのだった。







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