第四話:魔法少女だって地道な努力は必要だよ。中編
午前三時四十五分、寝ている舞の枕元に置いているスマホのアラームが鳴り、
眠気眼の舞がスマホを手に取りアラーム切りジャージに着替え、ふらつきな
がら洗面所で顔を洗い意識を覚醒させると両頬をパンパンと手で叩き気合を
入れた。
舞の真横にエレメントドラゴンがやってきた。
エ「おはよう舞ちゃん、準備はいいかい?」
舞「うんっ、がんばってトレーニングして陸道くんを振り向かせるだからっ!!」
エ「それじゃ、行こうか。」
舞とエレメントドラゴンは外に出た。
エ「まず最初は、走りこみだけどその前に…」
エレメントドラゴンは紐を二本取り出し舞の両足の太ももの付け根をほどよい
硬さで縛った。
舞「太もものとこ縛ったけど何か意味でもあるの?」
エ「これは加圧トレーニングと言ってね短時間で効果的に鍛える方法なんだ。」
舞「ほんとにこれだけで効果あるの?」
エ「まあそれは後のお楽しみかな、それじゃ走りこみ始めるよ、
よーいスタート!!」
そして舞は走り出した。
ある一定の速度を維持しながら走ったり、エレメントドラゴンの掛け声でダッ
シュに切り替えたりしながら走ること一キロくらいの地点で河川敷を走っていた
息絶え絶えの舞が急に顔を真っ青にして口を押さえながら足をプルプルさせなが
ら川の方へふらつきながら歩いて行き川についた瞬間、大変お見苦しいシーンが
展開された。
エ(心)「まあ、トレーニング初日だからな体力なくて当たり前、しかもずっと
我慢しながら走ってたんだ、そりゃまあ吐くよな。
しかし大した者だ、道端で吐いたら人の迷惑になるからずっと我慢
して川に来るまで耐えるとは流石舞ちゃん,人の迷惑も考えないで飲み
まくって駅のホームで吐きまくるいい年のサラリーマンとは格が違う
ぜっ、やはり舞ちゃんには魔法少女の資質があるな。」
ナレーション:魔法少女関係ねーだろ!!
その後、舞は、一時間、なんとか走り続け三キロ走りきり河川敷で歩きながら休憩
をとるが死にそうな顔をしていた。
だがそんなこと知ったことかと言う感じでエレメントドラゴンは、次のトレーニン
グに移るのだった。
エ「それじゃ、腹筋、背筋、腕立て50回ずついってみよう。」
舞「…この…サディスト!!」
舞は死にそうな顔をしながらエレメントドラゴンを親の仇を見るかのような目で
睨む。
エ「舞ちゃん、いくら睨んでもメニューは終わらないよ、それと…」
エレメントドラゴンは今度は、両腕の付け根を紐で縛る。
舞「今度…は、腕にも…するの?」
エ「少しでも効率よく鍛えないとね。」
そして、腕立てが開始されるが腕をプルプルさせながら連続で五回が舞の
限界だった。
その他、背筋も連続で出来る回数は似たようなものだった。
だが腹筋だけは、連続で十五回出来たのだった。
エ「すごいよ舞ちゃん、連続で十五回もッ!!」
だが褒められた舞は最早余裕なしといった表情をしていた。
舞「私…上級魔族と…戦う前に…死んじゃう」
エ「大丈夫だよ、人間、案外ゴキブリよりしぶといから、あと最後の10回
は頭の後ろで手を組んで体を捻りながら右肘で左膝につくように左肘で
右膝につくよう交互にしてね。」
舞「…悪魔めっ!!」
恨み言を言いつつも舞は四十分かけながら何とか終わらせたのだった。
そして休憩ついでに歩きながら家に戻り、スパーリングの準備を始めた。
エ「舞ちゃんは、サンドバックとか殴るのは初めてだろうし正しい殴り方や
蹴り方も判らないだろうから今からボクが舞ちゃんの体を乗っ取って
正しい型を教えるよ。」
舞「乗っ取るって…幽霊みたいに?」
エ「まあ、似たようなものだね、それじゃ行くよ。」
そういうとエレメントドラゴンは光の球になり舞の胸に吸い込まれるかの
ように入っていった。
そして舞の目が龍の目に変化した。
舞(心)「何これっ、意識は、はっきりしてるのに体が私が動かそうとして
いるのに動かないッ!!」
そう思っていると舞の意志とは関係なく舞の口が喋り出す。
舞(体)「どうやら上手くいったみたいだね。
舞ちゃんボクの声が聞こえてる?」
舞(心)「これどうなってるの?、全然体が言うこと聞いてくれないんだ
けどっ!!」
舞(体)「今、舞ちゃんの体はボクの制御下にあるからね。
体の感覚や視界で見たものは舞ちゃんにも伝わるけど体を動か
したりするのはボクしかできないよ、どう感想は。」
舞(心)「なんか新手のホラーみたい。」
舞(体)「上手いこと言うね、それじゃスパーリング開始ッ!!」
舞の体は、サンドバックに向けてまずは鋭いローキックを放ち、放った
勢いで右肘でサンドバックを右から左へ殴り、最後にサンドバックを両手で
左右がらロックした所に膝蹴りを入れる。
その動作を何十回も繰り返し続けること十分、舞の体からエレメントドラゴン
がはじき出た。
エ「体の中に入って動かすのは、十分ちょっとが限度か、でも舞ちゃんの体鍛
えるくらいには、ちょうどよさそうだ。」
ようやく自分の意志で動くようになった体を確認している舞にエレメントドラ
ゴンがすかさず指示を出す。
エ「じゃあ、舞ちゃん、さっきボクが舞ちゃんの体でやった動きをやってみて。」
舞「やってみるけど、そんなすぐに出来ないと思うけど…」
そう思いつつサンドバックに一連のスパーの動作をやってみる舞だが、不思議な
ことにエレメントドラゴンがやってたほどでないものの滑らかに動きを再現できた。
舞「すごいっ、なんか体が勝手に動いてくれる感じがするっ!!」
エ「さっきボクが舞ちゃんの体で何十回と、型をやったから舞ちゃんの体がその
動きを覚えたんだよ、こうすれば体の使い方を一から覚えるよりは時間を
短縮できるからね。」
舞「…最初からエレ君が私の体に入ってトレーニングすればよかったんじゃ?」
エ「確かにそうできればよかったんだけど今はボクも弱体化してるし、一日、十分
が限度みたいだ。
だからもう一回入ろうとしてもっ」
舞の体に入ろうとエレメントドラゴンが試みるが舞の体にはじかれる。
エ「だから、仕上げは舞ちゃん自身でやらないといけないんだ、そういうことで
今の型を時間になるまで馬鹿みたいに繰り返すよ。」
舞「人生楽はできないものなんだね。」
そういうと舞は黙々と型をやるのだった。
そしてようやく七時になり朝のトレーニングは終了した。
舞は汗をだくだく流しながらぜぇぜぇと息を切らせていた。
エ「よくがんばったね舞ちゃん、お疲れ様。
それじゃ手足の根元を縛っていた紐を取ろうか。」
紐を解くと今まで血流制限されていた血液がダムの放水の如く舞の手足に駆け
巡ぐる。
舞「なんか、変な感じ。」
エ「そのうち慣れるよ。
それより舞ちゃん学校あるから急がないと。」
舞「そうだった、疲れすぎて忘れてたっ!!」
舞は汗でべたついた体をシャワーで洗い流しながら考えていた。
舞(心)「毎朝これが続くと思うとぞっとするなー、絶対授業中に寝ちゃう
な私。」
舞は脹脛や太ももを触ってみるがぱんぱんに張っていた。
舞(心)「まあ、午後からストレッチは、大丈夫だと思うけど、山岳トレーニン
グって…私の体…もつかなー」
そんな不安で仕方ない舞だったがあっという間に午後のストレッチの時間
となった。
舞とエレメントドラゴンは学校の屋上でストレッチをしていたが舞の体
が予想以上に硬いことにてこずっていた。
エ「まさか…舞ちゃん…冗談…だよね。」
舞は必死に前屈しているが傍から見ればただ足を伸ばして手をまっぐ突き
出して座っているようにしか見えないのである。
舞「これが…マックスだよっ!!」
エ「やばいよ舞ちゃん干物並みに、かっちかちだよっ!!」
エ(心)「まずいっ、体の柔軟性は絶対的に必要なファクターだっ!!
どんなに体格のいい奴でも柔軟性がないと肉体性能をフル
で発揮できない…しかも舞ちゃんの貧弱、もやし現代っ子
な肉体だと柔軟性でカバーしないと最早どうしようもない
部分が多すぎる。
ここは心を鬼にして無理やりにでもやるしかねぇー」
エレメントドラゴンは舞の背中に手を置く。
舞「ちょっ、エレ君何するきなのっ!!」
エ「大丈夫、舞ちゃんなら耐えれると…思う。」
舞「ちょっ、耐えれるって何っ!!、あとその間はなによっ!!」
エ「せいやっ!!」
次の瞬間、エレメントドラゴンは掛け声と共に舞の背中を勢いよく押し、
舞の体は舞いの悲鳴と共によく伸びた。
その後、舞は拷問にも似た無理やり強制ストレッチの痛みで気絶しな
がらも全身のストレッチがくまなく完了したのだった。
エ「よしっ、これで柔軟性の必要な型が出来るようになったね。」
舞「死んじゃう、…私死んじゃう…」
エ「まずいな、痛みで気がふれちゃってる、一回、魔法少女化させて
急速回復させるか。」
と思った時、屋上に上ってくる人の気配を感じるエレメントドラゴン。
エ「そういや舞ちゃん凄まじい断末魔あげてたからなー、人が何事かと
思って来ちまったんだろう。」
そして屋上のドアが勢いよく開かれそこから陸道が現れた。
陸「…一宮…さん…一宮さんっ!!何がおきたんだっ!!」
舞に駆け寄った陸道は舞の頭を自分の膝に乗せ膝枕にして、気のふれた
舞に呼びかける。
すると舞は徐々に正気に戻り違う意味でパニックに陥りだす。
舞(心)「ふぇっ、なっ、一体どんな奇跡がおきてるのっ、陸道くんに
膝枕されてるーっ、しかも顔近-、陸道くんの香りがーーーー!!」
顔が真っ赤になる舞。
そんな舞に陸道が話しかける。
陸「一宮さんっ、!!、なにがあった、誰にやられたっ!!」
舞(心)「どっ、どうしよー、どう説明すればいいのよぉー!!…」
陸「…もしかして、久遠寺 美花にやられたのかっ!!…陰湿な奴だと思って
いたがここまで腐ってるとはッ!!」
舞(心)「なんか勘違いしてるー!!」
舞「ちっ、違うのっ、…実は…」
舞(心)「ええいっ、もうエレ君のことだけ隠して言っちゃえー!!」
舞は、エレメントドラゴンのことを隠して、自分は体が硬いからストレッチ
をかなり強引なやり方でやってあまりの痛さに悲鳴を上げていたと陸道に話した。
それを聞いた陸道は大爆笑していた。
陸「あははははっ、一宮さんって…なんていうか…そのっ、ぷっ、あははは」
舞「だって、そのっ、…いいもんっ、どうせ私はアホな子ですよっ!!」
陸「ごめん、ごめん…でも急いでしないといけない訳があったんだろ。」
真面目な表情になる陸道。
舞「詳しくは、言えないけど、その格闘技みたいなことやり始めたんだけど
(魔族との戦闘のこと) もうすぐ試合(死合)があってそれに間に合わせ
るためにストレッチを…」
陸「そういうことか、でもいくら何でも無茶が過ぎるよ、下手したら筋が
切れて病院送りになっちゃうよ。」
それを聞いていたエレメントドラゴンは
エ(心)「まあ、普通はな、だが筋が細切れになろうが舞ちゃんの場合、
魔法少女化すれば瞬時に再生、保険証いらずなんだよねー」
陸道は少し考えてから舞に提案をする。
陸「もしよければ、俺がストレッチ手伝おうか。」
舞(心)「えっ、なにこれ突然、イベント発生ーーっ!!」
舞「えっ、ええっ、いいの…ていうかなんでっ?」
陸「だって、一宮さん一人だったらまた無茶しかねないからな。」
舞(心)「まあ、無茶するのは私じゃなく主にエレ君なんだけどね。
私としては、この展開、よっしゃーーーな感じなんだけど
問題はエレ君指導の下でやってるからエレ君が許可してくれ
るかなんだけど…」
すると舞にエレメントドラゴンが「別にいいよ。」と許可が下りた。
エ「言っただろ、ボクは舞ちゃんの恋の応援をするって。」
エ(心)「と言うのは建前で、舞ちゃんのモチベーション上げるには
ちょうどいい、しかも今回無 理やりストレッチで柔軟性
は確保できたから後は、柔軟性の維持だけすればいいだけだ
から軽いストレッチで問題ねぇ。」
舞は膝枕されてる状態で少しモジモジしながら。
舞「じゃ、じゃあ、明日から、そのっ…手伝ってもらって…いい、
かなっ。」
陸道は微笑みながら「じゃあ明日からよろしく、一宮さん。」と言った。
こうして舞のストレッチを舞の想い人、陸道が手伝ってくれるという奇跡が
起きた。
陸「一宮さん、保健室に行かなくて大丈夫?」
舞「えっ、あ、うん痛みもだいぶ引いてきたみたいだし…ありがとう陸道くん
…その…膝枕まで…」
陸「別にいいよ、それで舞ちゃん立てそうかい。」
舞「たぶん大丈夫だと思う。」
陸道に支えられながら心臓がばくばくさせながら立ち上がる舞。
陸「そろそろ授業が始まるから急ごう。」
舞「陸道くんは、先に行ってて荷物置いてるからそれを片付けてから行くから。」
陸「判った、それじゃ一宮さんまた後で。」
そういうと陸道は屋上を去った。
陸道が去ったの確認した舞は、狂喜乱舞して喜んでいた。
そこにエレメントドラゴンが寄って来て。
エ「よかったね、舞ちゃんこれで舞ちゃんが他の女子より一歩リード…」
とエレメントドラゴンいった瞬間、舞はエレメント・チェンジと唱え瞬時に
不完全タイプのモード・カオスになり、頭上を浮かんでるエレメントドラゴ
ンを見事なハイキックで屋上のドアに叩き付けた。
舞「せいやっー!!」
エ「ぎにゃーーー」
悲鳴をあげ屋上のドアに叩きつけられたエレメントドラゴンはぴくぴくしながら。
エ「じゅ、柔軟の…成果…出てる…じゃん…ガク」
と言いつつ気絶した。
舞「殺す気カァーーーッ!!」
そう、エレメントドラゴンは誤算していた。
舞が陸道のことで先ほどの拷問ストレッチでのことを忘れていなかったの
だった。
そして放課後、十六時半、舞は十五分ぐらいで頂上まで登れる小さな山を体操服で
背中にリュックを背負い登っていた。
だが、息切れしていながらも舞の目は希望に満ち溢れていた。
エ(心)「しかし、背中のリュックに十キロの重りを入れて登ってるが、目が
キラキラしてやがる。
よっぽど陸道くんとのストレッチでモチベーションが上がった
みたいだな陸道くんには感謝しねえとな。」
こうして舞は、初日のトレーニングを終えた。
そして、舞とエレメントドラゴンは舞の部屋で明日のトレーニングのことに
ついて話していた。
舞「えっ、明日はストレッチだけでいいのっ!!」
エ「うん、筋肉を効率よく鍛えるには一日休ませることも重要なんだ。
だから明日はゆっくりイチャ…ストレッチしてくれればいいよ。
まあ、夜、瘴気の浄化には行くけどね。」
こうして舞は、一日は、ガチで鍛え、一日は完全な休息を取り、それを
交互に繰り返した。
腕立てや、腹筋、背筋は回数が前にやったときより十回ずつプラスされ
、山岳トレーニングの重りも増えていき、舞はエレメントドラゴンを睨み
ながらもメニューをこなしていった。
まあ、時々限界が来て倒れてぴくぴく痙攣してる時もあったけどね。
そんな舞がトレーニングを始めて一ヶ月が経ち、舞の体に変化が現れた。
舞が午前のトレーニングを終え、シャワーを浴びている時に、鏡を見て気づいた。
舞「あれっ、なんか体つきが変わったような…いやっ、変わってる!!、
というか、プロポーションがよくなってる。」
そう、舞は、身長が五センチほど伸び、ぷにぷにしていた足や腕は引き締まり
、ウエストも引き締まっていた。
おまけにバストもAカップからCカップになっていた。
舞は、風呂場から飛び出て急いで体を拭き自室のエレメントドラゴンの
所に飛び込んだ。
舞「エレくんっ、私の体がっ、体がっ、」
エ「えっ、…そうか自分だといつも見てるから気づきにくいのか…
まあトレーニングの成果だよ。
あれだけのトレーニングすれば当然筋肉量も増えるから体も
引き締まるよ。
あと、身長が伸びたのは、成長期もあるかもしれないけど加圧
トレーニングで成長ホルモンが分泌されたからかもね。」
舞「あの、ただつらいだけのトレーニングにそんな効果がっ!!」
エ「まあ、よくがんばったよ。…まあいずれにせよもっといい
プロポーションになるだろうけどね。」
舞「えっ、…どういうことなの。」
エ「舞ちゃん、完全体のモード・フレイムになった時、舞ちゃんの体が
モデルみたいな体になったよね。」
舞「うん…それが…どうかしたの?」
エ「あの姿は、舞ちゃんの肉体のスペックから割り出された姿だからね。
このままトレーニングすればいずれ近いプロポーションになれる
はずだよ。」
舞「やったーーーー!!」
喜んで飛び跳ねる舞を見ながらエレメントドラゴンは、考えていた。
エ(心)「舞ちゃんの肉体改造も進んだし、なんだかんだで俺の教えた型も
完璧とはいかないものの70%くらいの完成度で習得できてるし
上級魔族とやりあっても何とかなるかもな。」
エ「舞ちゃん、今日の山岳トレーニングはなしにしよう。」
舞「どうしたの?…エレくん…」
エ「今日の夜、今まで手を付けれなかった瘴気の渦を浄化しに行こう。」
舞の表情が真剣なものになる。
舞「上級魔族と戦わないといけないんだね。」
エ「うん、そこは三体の上級魔族が守っているから、倒さないと浄化
できないんだ、かなり激しい戦いになると思う。
もし舞ちゃんがイヤなら断ってくれても…」
舞「私やるよ、そのために今までトレーニングしてきたんだもん…
それにエレくんはなんの勝算もなくそんなこと言わないでしょ。」
エ「ありがと、舞ちゃんボクを信じてくれて。」
舞「今更だと思うよエレくんだって私たちパートナーでしょ。」
エ「…ふっふっ、そうだね。」
エ(心)「ほんとこの子、肝っ玉座ってるよな嬉しい限りだ。」
舞とエレメントドラゴンは覚悟を決めた。
舞「あっ、エレくん、このことを伝えたい人がいるんだけど…いい?」
昼休み、屋上で舞と陸道がストレッチを終わらせ一息ついていた。
陸「そうなんだ、今夜試合するんだね。」
舞「いままで、ストレッチに付き合ってくれてありがとう陸道くん」
陸「それで、どこで試合するの?」
舞「それは…」
舞の表情が曇る。
それを見た陸道は察したかのように。
陸「人には隠し事の一つや二つくらいあるよ。」
舞「…聞かないの?」
陸「ああ…でも話せる時がきたら聞かせて欲しいな。」
舞「うん、その時がきたら絶対話すからっ!!」
そして陸道は舞の頭をなでながら
陸「がんばってね一宮さん…でもくれぐれも無理しないでね。」
舞「うんっ、がんばって、がんばって、がんばりまくるよ陸道くんっ!!」
すっごいやる気の舞を見ながら陸道は
陸(心)「一宮さん、絶対無理するなぁー。」
と思うのだった。
そんな微笑ましい時間は過ぎ、戦いの夜となるのだった。