第二話:魔法少女ドラゴンウィッチ爆誕!! 後編
人が寝静まる深夜、エレメントドラゴンと舞の姿は夜空を飛行しながら移動して
いた。
エ「どうだい、今の舞ちゃんには何が見えるかな?」
舞「この、周りに漂っている紫がかった濃い霧見たいのがエレくんの言ってた…
瘴気、なの?」
エ「驚いたかい?そう、この霧のように漂っているのが瘴気だ。
瘴気は、人の欲望から生まれそして人に作用して欲望をコントロール出来
ないようにしてしまい犯罪行為に人間を駆り立ててしまうんだ,特に自制心が
弱い者はね。」
舞「じゃあ、もしかして世界中で小さな戦争みたいのが沢山起きてる原因って」
エ「そう、瘴気の影響なんだ,しかも、その瘴気の濃度がかつてない濃さでその
影響でいつ、第三 次世界大戦が起きてもおかしくない本当に危険な状態
なんだ。
そしてもう一つマズイことが起きてるんだっ、今その現場に向かっているん
だけどっ、と着いたよ。」
舞「なっ、何なのっ…これ…」
舞の目の前には、瘴気が集まり台風のように渦を巻いていた。
エ「そう、これがもう一つの問題、濃い瘴気は、窪地や谷間などに集まり渦を巻き
魔界と人界を繋ぐ門になり裏社会の魔族の魔族が多く人界に侵入して犯罪行為
を行っているみたいなんだ、まあ、正式な許可がないと人界に下りること自体
がもう犯罪なんだけどね。
そこで舞ちゃんにこの門を浄化してもらいたいんだ。」
舞「ほっ、本当に私に出来るの?」
エ「大丈夫だよ、舞ちゃんはその素質があるからボクが君に魔法少女になっても
らったんだ自信持って、それにボクもアシストするから。」
舞「じゃあ…やってみるね。」
エ「じゃあ、まず心の中で来いっ、と強く願って。」
舞(心)「こっ、来いっ!!」
すると黒い霧が現れその中から水晶球を三匹の龍の顔に固定され柄の部分は龍が
絡み合ったデザインの漆黒の魔術杖が現れた。
戸惑いながらも魔術杖を握る舞。
舞(心)「な、何これっ、何をすればいいかが頭の中に流れ込んでくるっ!!」
魔術杖を前に構え呪文を唱え始める。
舞「我が混沌の力よ、悪しき力を喰らい尽くせっ、カオス・グローズイーター」
次の瞬間、魔術杖の水晶球が赤黒く光り舞の背後に巨大な魔法陣が浮かび上がり
漆黒の霧が魔法陣から勢いよく噴出し台風のように渦を巻いている瘴気を覆い尽
くす。
舞「えっ、今何が起きてるの?」
エ「今、舞ちゃんの魔法で出た漆黒の霧が瘴気を喰っ…浄化しているんだ。」
そして漆黒の霧が消えると跡形もなく瘴気が消えていた。
舞「私、出来たんだっ…浄化出来たんだっ。」にぱぁ、と笑顔になる舞
エ「初仕事お疲れ舞ちゃん。どう、感想は。」
舞「私、ドジで頭悪いから今まで人に助けてもらってばっかりだったけど…
これからは、そんな助けてくれた人達を守れると思うと嬉しくて…
ありがとエレくんこんな私を選んでくれて。」
エ(心)「この子を選んで正解だったな。」
そう思っていると背筋を強烈な悪寒が走る。
エ(心)「なっ、殺気だとっ!!」
エ「舞ちゃんっ、危ないっ!!」
とっさに舞を突き飛ばすエレメントドラゴン、舞の居た空間を紫電が駆け抜け
地面に突き刺さり爆発起きる。
舞「きゃぁーっ!!」
爆発の衝撃に眼を瞑り耐える、そして爆発の起きた地面を見る。
舞「うそ…地面が抉れて…何なのあれっ」
?「あ~あ、殺し損ねちゃった。
今ので死んでれば痛みもなく何が起きたか判らないまま死ねたのにフフッ」
エ(心)「なんてこった、侵入しているのであれば、人界に影響の少ない下級魔族
だろうと思っていたが、まさか上級魔族がいやがるとはっ!!」
頭上には、昆虫の羽根が生えている女上級魔族とその配下の下級魔族20体とデー
モンタイプと魔虫タイプの中級魔族2体が浮遊していた。
エ「一々、上級魔族が現場監督たぁー随分仕事熱心だな」
女「弱体化して人間の手まで借りて必死こいてる糞ドラゴンには負けるわね。」
エ「ぬかせ、アバズレがっ、貴様ら上級魔族がただ下級魔族の監督しに人界まで
来たわけじゃねーだろ、何企んでやがる。」
エ(心)「今は、舞ちゃんを離脱させるための時間稼ぎしねーとっ!!」
舞(心)「一体、何が起きてるのっ?」
舞の頭の中にエレメントドラゴンの声が響く
エ(頭)「舞ちゃん、聞こえるかいっ!!」
舞(頭)「えっ、エレくんっ、なんでエレの声が聞こえるのっ?」
エ(頭)「舞ちゃんが変化してる時は、ボクと精神がリンクしてるから頭の中で
会話ができるんだっ、いいかい、よく聞いて今対峙している女は上級
魔族だっ、今ボクたちが戦ったとしても一方的に殺されるだけだっ、
だからボクが注意をそらしてる間に舞ちゃんは魔法で逃げるための
準備をしてて、ボクが合図を出したら放って、いいかい?」
舞(頭)「うん」
女「もし企んでいたとして私が言うとでも?」
エ「けっ、口を滑らすバカ女だったら楽だったんだがなっ」
女「さて、お喋りはここまで、とっとと死になっ!!」
女の手に紫電の槍が現れ舞とエレメントドラゴンに投擲した瞬間。
エ(頭)「今だっ!!」
舞「カオスミストっ!!」
舞とエレメントドラゴンの前に漆黒の霧が現れ女の手から放たれた紫電の槍は、
霧に阻まれ消失した。
女「くっ、闇属性じゃなく混沌型かっ!!」
舞とエレメントドラゴンはこの隙に急速離脱する。
エ(心)「何とか逃げきらねーと舞ちゃんを戦闘に巻き込むわけにはいかないっ、
不完全タイプのモード・カオスじゃ属性型神通力の攻撃は無効化出来
ても、肉体の強化が不完全なままだ、上級、中級魔族相手に戦っても
勝ち目がないっ、しかも舞ちゃん自身が運動音痴だっ、最早惨殺され
る未来しか浮かばねーっ!!」
下級魔族が追いついてきて空中戦になるが舞も魔術杖で攻撃を凌いで隙が出来たと
ころにすかさず尾っぽで胴体を叩き切りその回転運動を利用して背後から襲いかか
って来た奴も鉤爪で鳩尾を貫く。
そして20メーター先に迫り来る下級魔族めがけて舞は、漆黒の火球を魔術杖から
放つ
舞「カオス・フレイムスフィアっ!!」
放たれた漆黒の火球は残りの下級魔族に炸裂し蝕むように消滅させた。
だがいつの間にか現れた中級魔族に舞の頭上と下方を押さえられ同時に刃が迫り
来る。
舞「くっ、このっ」
なんとか魔術杖で受け流すが下方からの攻撃に対応が遅れ右胸辺りを切り裂かれる。
舞「ひぐっ、こっ、このっ!!」
自身の体を切り裂いた中級魔族に痛みを堪えながらすかさず迎撃する舞。
エ(心)「だめだっ、不完全な肉体強化じゃ攻撃についていけてないっ、しかも
あいつらこちらの属性に気づきやがった、属性型じゃなく純粋な属性
なしの神通力強化で強化された刃じゃ無効化できないっ!!」
二体のコンビネーションに防いでも防いでも少しずつ体を切り裂かれ体力も限界に
近い舞は前方から襲い掛かる中級魔族の一撃を受けきりその隙に一撃を入れようと
魔術杖を構え呪文を唱えようとした。
舞「カオっ、…えっ!!」
背後からもう一体の中級魔族が舞の体を手で貫き腹部から手が出ていた。
エ「舞ちゃんー!!」
舞「がっ、うっ、」
舞の口から鮮血が垂れる。
舞は、突き刺さったままの手を振りぬき上空から地面に叩き付けられた。
エ「舞いぃーっ!!」
叩きつけられた舞の元に駆け寄り寄り添うエレメントドラゴン。
エ「舞っ、舞っ!!」
舞は、気を失い横たわる地面を貫かれた背中から流れた血が赤黒く染め上げる。
女「あらっ、もう終わり?弱体化したお前では私達からその子を守り切れず二人
とも今ここで関の山ね。」
エ「糞がっ!!」
女「でも、この状況で二人とも助かる方法が一つだけあるわっ。
死ぬよりは、ねっ。」
エ「何が言いたい!!」
女「私の配下になれっ、そうすればそのメス餓鬼は見逃してあげる。」
エ(心)「確かにそれなら舞ちゃんだけでも死なずに済むっ、だがっ」
女「あなた、自分で思ってるより有名よ。
神界と魔界の狭間の無法地帯で悪事に手を染めず強靭な精神で混沌型神通力
の属性分離に初めて成功、そして学門をも極め、神界随一の聖神大学初の無法
地帯出となりエレメントドラゴンの称号を与えられた最強の新卒ってので魔界
でも有名よ。
私としてもそのような龍材を殺してしまうより自身の配下として欲しい。」
エ(心)「俺は周りの奴らが悪事に手を染め弱者から略奪を繰り返す屑共に成り果
てるのを見てきた。
だが俺はそんな奴らに成り下がるのがイヤで努力し邪竜になる道しか
残されてない環境でバカにされ無駄と言われ続けながらも努力して神竜
としての道を切り開いた。
俺にとって悪に成らなかったのが俺の生きてきた証、だが純粋な心優し
い少女の命と秤にかけるわけにはいかないっ!!」
エ「俺が配下になればこの子は、見逃すんだろうなぁ!!」
女「ええ、有能な龍材が手に入るんだし安いものよ。」
エ「なら、契約成り」
舞「勝手に…決めないで…よっ、エレくん!!」
魔術杖で体を支えながら何とか立ち上がる舞。
エ「舞ちゃんっ、そんな体で無理しちゃだめだっ、これ以上何もしなければ
舞ちゃんは助かるんだっ、だからおとなしくし」
舞「エレくんは…本当に、くっ、それでいいの?酷い環境で生きながらも悪いこと
しないでっ、そこまでして守ってきた誇りをッ…そんな簡単にっ、捨てちゃ
だめだよ。」
エ「ボクが舞ちゃん巻き込んだんだっ、ボクの都合でキミを死なせたくな」
舞「エレくんを犠牲に生き残ったって…私っ、嬉しく…ないよ、それに私、
まだっ、くっ、戦えるよ。」
エ「無茶だっ、今だって立ってるのがやっとなんだこれ以上はっ」
舞は叫ぶ。
舞「エレくんっ!!エレくんだってどんなに酷い状況でも諦めなかったんでしょっ、
…だったら諦めないで、私をっ、信じてよ…それにっ、私は、はなからでき
ないなんて決め付けられるのがとても腹が立つの」苦しそうに顔を歪めなが
らも不敵な笑みを浮かべる舞。
エ(心)「心根が綺麗な子だとは知っていたがこの局面で俺の誇りを守ろうとして
くれるとはっ、どうやら俺はとんでもない子と契約しちまったよーだ。
だがこの局面でこんな啖呵をこんな少女に切られてたら引くわけにい
かねーよ。」
エ(頭)「判ったよ、舞ちゃんキミを信じるよ。
一つだけまだ逆転する方法があるっ、でもボクもその方法が出来るよ
うになるまでかなりの歳月かかった。
出来なければ二人仲良くお陀仏だっ!!」
舞(頭)「ありがとうエレくん私を信じてくれて。」
エ(頭)「時間がないっ、まず眼を瞑って意識を闇の中に集中してっ」
言われたとおりにする舞、すると闇の中に複数の極小の色の粒が見え始める。
エ(頭)「色の粒が見え始めたら一つの色を選んでその色を集まれと念じてその
色の粒が大きくなったたら掴みとってっ!!」
女「それで?、どうするのっ、まあそんなメス餓鬼の希望的観測なんて考慮入れ
る必要性などないでしょさっさと契約に」
エ「どうやら俺もこの子のバカが移っちまったみてえだっ!!俺はこの子を信じる
ぜっ、見せてやるぜアバズレっ、心中覚悟の大逆転劇をなぁっ!!」
女「たくっ、優秀だと聞いてたのに合理的な判断も下せないなんて…もういい
わっ、二人仲良く逝ってしまいなっ!!」
女の手から数百もの黒電の槍が放たれ舞とエレメントドラゴンに迫る。
一方舞は、闇の中から朱色の粒が集まり火の玉のようになっていた。
舞(心)「エレくんが私を信じて私に賭けてくれたたんだっ、絶対に失敗して
、たまるかぁーッ!!」
朱色の光の玉を掴む。
そして現実では迫りくる数百もの黒雷の槍が舞達を串刺しにしようとした瞬間、
舞の体から眩い光が放出され黒雷の槍が瞬時に消滅したのと同時に舞の傷付い
た体は治癒されていた。
女「くっ、私の黒き破滅の雷を全て消し飛ばしたですって!!…でも体が治癒した
だけで肉体に変化もないようだしまた一から切り刻めばいいだけっ」
エ「いや、俺の勝ちだ!!」
舞の漆黒の鱗に覆われた体に亀裂が入り朱色の光がもれだし鱗が弾け飛び色気漂
う女の体に急速成長し体は朱色の鱗で覆われより攻撃的なデザインへと変わった。
エ(心)「まじでやりあがったよこの子、俺ですら属性分離に相当な歳月かかった
のに、しかも完全体のモード・フレイムになりやがった!!」
女「お前達っ、全力で排除しろ」
中級魔族は姿が変わりデーモンタイプと魔虫タイプが瞬間移動でもしたかのように
頭上と背後に現れるが頭上のデーモンタイプは舞に鉤爪で地面に叩きつけられ魔虫
タイプは翼で挟まれ食虫植物に捕まった虫のようになっていた。
さらに地面に叩き付けたデーモンタイプの頭部を踏みつけ動けない状態にするが
女上級魔族が急速接して舞を狙うが舞の肩や太ももの鱗が開き舞を中心に灼熱の
爆風が一帯を焼き尽くした。
女上級魔族は障壁を展開して後方に飛び難を逃れた。
だが中級魔族は炭化し崩れ去った。
女「人間のメス餓鬼風情が…上級魔族の私の前に立ちはだかるなど…あってたま
るカーーーッ!!」
女上級魔族の体が変化し始め、目は複眼、皮膚は装甲車のごとき頑強なクチクラ
となり、腕も二本増え、装甲型飛行魔虫タイプに姿を変えた。
女「細かく切り刻んでひき肉にしてあげるわ。」
そういうと、次の瞬間、舞の目の前に現れ舞の横腹を昆虫特有の鉤爪が切り裂き
にかかるがとっさに舞は、膝を上げガードするが背後に回りこまれ背中を切り裂
きにかかられる。
だが舞は尻尾で何とか受け流したが、急加速、急停止を可能とする蜻蛉の羽を
持ち、圧倒的な装甲で覆われた女上級魔族に致命傷には至らないにも体中、切り
裂かれていく。
舞(心)「くっ、体中、痛くて今すぐ逃げ出したいっ…けどっ、絶対何処かに
チャンスがッ!!」
そう思いチャンスが来るのを待っていた舞に、女上級魔族が舞を仕留めるため振
り下ろされる鉤爪が大降りになった。
舞(心)「そこだぁーっ!!」
大降りでがら空きになった懐に飛び込み、肘の鱗が開き爆風が放出され加速した
舞の鉤爪が女上級魔族の胸部装甲に炸裂した…だがッ!!
舞「そんっ、な…」
舞の鉤爪は装甲を貫けず装甲にはじかれた。
はじかれ呆然とたった舞の顔面を女上級魔族の鋭い上段蹴りが決まり蹴り飛ば
され真横に地面をバウンドしながら転がる。
女「あんな、へぼい突きで私の装甲に穴なんて開くわけないじゃない…
馬鹿な子。」
舞は、傷付いた体を何とか気合で起き上がらせる。
舞の狙っていた一か八かの賭けは失敗に終わり最早打つ手なし、諦めかけたその
時頭の中にエレメントドラゴンの声が響く。
エ(頭)「舞ちゃんっ!!」
舞(頭)「エレ君、私…ダメだったよ、ゴメンねエレ君…折角、私を信じてくれ
たのに。」
エ(頭)「君は一人で背負い込みすぎだよ舞ちゃん、君は一人で戦ってるんじゃ
ないんだ。
さっきボクが舞ちゃんを信じたように舞ちゃんもボクを信じて頼っ
てよッ!!」
舞(頭)「エレ君…判ったよエレ君っ、今から頼りに頼りまくるから覚悟してお
いてよねッ!!」
舞の瞳に力が漲る。
エ(頭)「その息だっ、じゃあまず最初に杖を出した時みたいに来いっ、と強く
念じてっ、」
舞(心)「来いッ!!」
舞の目の前で火炎旋風が現れ、火炎旋風が収まるとその中から剣が現れた。
舞「これって…」
エ(頭)「さっき言ってなかったけど出てくるものは杖だけじゃないっ、
その状況にもっとも適した物が出るようになってるんだ。
準備はいいかい?舞いちゃん!!」
舞は剣を真横に構え前傾姿勢をとり突撃体勢となる。
舞(頭)「いつでもいいよエレ君。」
女「死んでればこれ以上痛い思いしなくて済むのに、でかい剣もって勝てる
気にでもなったの?
馬鹿な子ねぇーそんなもの当たらなきゃー意味ねーんだよっ!!」
突撃してくる女上級魔族、舞も突撃して迎え撃つ。
女上級魔族は機動力を最大限生かした戦法で舞いに襲いかかる、先ほどの
舞なら少しずつ切り刻まれているとこだが舞は、既にどこから攻撃が来るか
が判っているかのように全て受け流す。
受け流されるほど激昂し女上級魔族の攻撃が大降りになる。
女「調子乗ってんじやねぇーぞっ、メス餓鬼がぁぁー!!」
これ以上ない大振りで直撃すれば即死する威力の攻撃が舞いに迫る。
エ(頭)「いまだっ!!」
エ(頭)「壱!!」
舞はその大降りの攻撃を剣で受け流す。
エ(頭)「弐!!」
舞は受け流した攻撃の軌道を剣で変え女上級魔族の鳩尾に導き自身の攻撃が
女上級魔族自身に炸裂する。
エ(頭)「参!!」
女上級魔族が自身の攻撃が自身に炸裂した瞬間に舞は、女上級魔族の腕を蹴り
こみ舞の力がプラスされた女上級魔族自身の攻撃は自身の体を貫いた。
女「がっ、ぐ…そんな、ただの…メス餓鬼にっ、こんな高等な…カウンター
使えるはず…」
舞「はぁ、はぁ、確かに、私だけなら、絶対に…できない…でもっエレ君が全て
指示してくれたから。」
女「まさっ、か…私の攻撃を急に全て…捌けたのも…自身を完全にあの糞ドラ
ゴンに委ねたからだというのっ、…馬鹿げてる…指示が間違ったら…」
舞「私は、エレ君のこと信じてるから。」
女「ふざっ、けんな…こんなギャンブルでっ、このわたしがぁぁぁーっ!!」
致命傷の女上級魔族が舞に襲い掛かろうとするがかつての機動性もそこには
なかった。
そんな女上級魔族を灼熱の業火を纏った剣を上段に構え、そして全てを
その一太刀かけるかのよう女上級魔族を一刀両断した。
女「ぎやぁぁぁーーーー!!」
女上級魔族は消し炭となって逝くのを見ながら舞は、疲れ果てその場に
へたりこんだ。
エ(心)「最高だぜ舞ちゃん魔法少女なりたてで属性分離をやってのけ
さらに俺の指示があったとはいえ上級魔族までキルしちまう
とは、もはや魔法少女なんて生易しいものじゃねえな」
疲れ果てた舞は呆然としながら自身の体を見回している。
エ(心)「しかし舞ちゃんはほんとに心優しい子だ、あったばかりの俺
ために戦ってくれたり俺を全力で信じてくれたり…ありがとな
舞ちゃん。」
エレメントドラゴンは舞の方を見ながらそう心のなかで思う。
エ(心)「最初は糞長老共の腐れ責任転嫁のせいで貧乏くじ引かされたと
思っていたがなんとか人界でやっていけそうだなっ。」
呆然としていた舞が、正気に戻りプルプル震えている。
舞「何よっ、これっ、私、私っ!!」
エ(心)「無理もない、あのような過酷な戦闘を行ったんだPTSDになった
っておかしくないっ、精神面でのサポートしないと…」
舞「すっごい、モデルみたいなプロポーションなってるー!!」
満面の笑みで眼をキラキラさせてさっきの戦闘が嘘かのようにはしゃいでる舞。
エ「…そっちかよっ!!」
数日後エレメントドラゴンは、体育の授業で校庭を走る舞を学校の屋上から
眺めながら長老達に事後報告をしていた。
王龍「いっ、いやーワシは君なら上手くやりとげると思っていたんじゃよ。」
などと言いながら目が泳ぎまくっている王龍。
セ「いやー、私の龍選に間違いなかったですね。」
そう言って責任転嫁したことを誤魔化そうとする長老達をじとーっとした目
で睨むエレメントドラゴン
王龍「わっ、判ったよワシ等が悪かったって特別手当にさらに色をつける
からこの件は水に、ねっ。」
エ「はぁーっ、判りましたよ。」
ア「しかし、君の提案、魔法少女システムは実に画期的だ、これなら人界に
降りても活動できる。
神界でこれから志願龍を募るからそれまで人界での浄化作業を頼む。」
エ「はい。後、呪式計器は故障していたのですか?」
その質問で長老達の表情が怪訝なものになる。
王龍「詳しいことはまだ判らん、じゃが細工が施された形跡があるらしい…
このことはまだ他のものに漏らさぬように頼む。」
エ「判りました。では失礼させていただきます。」
そう言って通信を終了した。
エ(心)「呪式計器への細工に、人界に侵入してた上級魔族…随分ときな臭い
ことになってるな。
特に上級魔族とまたやり合うことになれば次は五体満足で戻れる
か…こりゃ舞ちゃんを強化するしかなさそうだ。
まあ舞いちゃん肝っ玉据わってるしなんとかなるだろっ!!」
そう思いながら校庭を走る舞を見ると足を絡ませた舞がこの前プリントを拾って
くれた男子の股に盛大に顔面から突っ込んだ。
そして舞は、顔を真っ赤にして「いやぁーーー」と叫んでいた。
エ「…超不安になってきた。」
ナレーション:こうして、頭と運動性能が残念だが心根の優しく肝が据わっている
のかただ図太いのか判断のつかない女子中学生 一宮 舞とスラム
のような環境で育った高学歴竜エレメントドラゴンの魔法少女&マ
スコットライフがはじまったのであった。