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第十九話:増援は欲しいがもっといい龍材いなかった?

昼下がり、エレメントドラゴンは舞の中学校の給水塔の上で直属の上司の

セイント・ニーズに定期報告を入れていた。


セ「そうですか、契約者が新たな属性を使えるようになりましたかこれから

瘴気浄化がはかどりそうですね。」


エ「ええ、それと、私の契約者の給料の払い込みの方式はどのようにしますか?」


セ「そのことですが、人界の銀行口座に直接振り込むと国税局がうるさそう

ですから、夢のある振込み方式を用意しました。」


エ「夢のある、ですか?」


セ「ええ、しかも人界で非課税ですよ。」


エ「非課税って、まさかっ」


セ「そう、宝くじですよ。」


エ「粋なはからいですねー。」


セ「でしょ、まあそんなことで売り場と、選ぶ番号をあとでそちらの

スフィアフォンに送っとくので確認してください。

あと、エレ君に朗報があります。」


エ「何ですか?」


セ「ついに人界に援軍を送れることになりましたよ。」


エ「本当ですか?」


セ「ええ、派遣する神竜には、君が契約する時の経験から作った手引書、

  {初めての魔法少女契約ガイド}を持たせていますから何とかなる

  でしょう。」


エ「流石ですね、手引書のほう読ませていただいて良いですか。」


セ「どうぞ、経験者の指摘も欲しかったとこですし。」


エレメントドラゴンは、スフィアフォンに投影されているファイルを開けると

書式データが展開された。



            初めての魔法少女契約ガイド


これを読む者は、少女達の繊細さや少女達の憧れる魔法少女像とは

何かを理解しなければなりません。


これから、こちらで紹介するのはそんな少女達の警戒心を解きながら

契約まで持っていく方法や禁止事項が載っています。


魔法少女契約の前に必ず読んでください。


第一:人払いの結界を張ること。


   この作業を怠ると、周りの人間に契約者が薬物中毒者に間違われる

   可能性があります。

   契約者の社会的立場を守るため遵守しましょう。


第二:愛くるしいマスコットを演じること。


    魔法少女といえば御付のマスコットというのが人間社会の常識、

    ドスの利いた声や育ちの悪そうな喋り方は控えてくださいドン

    引きされて契約どころではなくなります。


第三:契約内容についてしっかり開示すること。


   魔法少女になるとどのような業務とそれに伴う危険性について

   しっかり理解してもらいましょう、これを怠ると、人間社会の

   ブラック企業と変わらなくなります、自身が神竜という自覚を

   持って行動しましょう。


第四:変化後の姿はなるべく契約者の意見をくんであげること。


   この件がもっとも重要といっても過言ではありません、先に

   降りた者の報告で一般の魔法少女像からずれてたらしく

   なだめるのに苦労したようなので基本、人型であるように

   心がけましょう。


第五:なるべく心根の綺麗な少女と契約すること。


   適正があっても所詮は人間、強大な力を持つことでその力

   を悪用する可能性があるので性格ブスは控えましょう。


第六:契約しようとしている少女の身辺を調査すること。


   少女の好みや家庭環境を把握することで、その少女に甘い言葉

   を囁いて契約に持っていきやすくなります、勿論、人道的な範囲で。


      以上のことを頭にいれて契約を成功に導きましょう。



ということが展開されたデータの内容だった。


エ「まあ、…いいんじゃないですかねこういうのは長すぎるとグダりますし。

  まあ必要なことは書かれてますしね。」


セ「そうですか、では変更点はなしということで、ああ、それと今回人界に降りる

  神竜のデータです。」


スフィアフォンの投影画面に新たにファイルが届き、エレメントドラゴンが

そのファイルを開く、すると、竜の履歴書が展開される。


すると、筋骨隆々のエメラルド色のティラノサウルみたいなドラゴンの写真

を見てエレメントドラゴンは、微妙な表情になる。


エ「あー、やっぱり彼ですか、神聖肉体言語大学の肉体のトップエリート、

  バイオレンス・ティラノドラゴン、まあむちゃくちゃ強くて確実に戦力

  になりますけど…あの体育会系の絡み苦手なんですよねー、まあ悪い奴

  じゃないですが…よく神竜所属の試験パスしましたね確か彼は、肉体性

  能は最高ですが、知的レベルはチンパン(チンパンジー)レベルだった

  はずですが。」


セ「背に腹は代えれなかったんですよ、彼は特別に面接試験だけで通しました、

  それにどうしても君の力になりたいと言うものですから。」


エ「神魔無差別武道大会で彼を倒して以来、ウザいくらい懐かれるんですよね。」


セ「それは仕方ないでしょ、伝説級神竜の規格外クラスの誰にも負けたこと

  無かった彼が生まれて初めて負けたんですから体育会系のノリなら

  リスペクトされるでしょ。」


エ「そういえば彼、伝説級ですが人界に降りて人界への影響は大丈夫

  なんですか?」


セ「人界に降りるまでに瘴気の影響で弱体化するので問題ないようです。

  彼が魔竜タイプでなくて助かりました。」


そしてもう一竜のセラミックのような純白の外骨格に覆われたワイバーンの

履歴書を見た瞬間、エレメントドラゴンは驚愕した。


エ「ちょっ、なんでよりによってコイツを採用したんですかっ!!コイツ、

  ただの屑野郎ですよっ!!」


セ「いやー彼を採用したの私じゃないよ、なんかアズダルの友人の息子

  らしいが私も彼に関しては悪い噂があるからやめた方がいいと思っ

  たんですがアズダルがどうしてもと言うので。」


エ「そこは、もっと反対してくださいよっ!!、なんてこった、あの名門、

  セイクリッド家の生んだ最低最悪の末っ子、セイクリッド・ヴェノ

  ムワイバーンが少女と契約したら…駄目だ、最悪の事態しか思

  い浮かばねぇーっ!!」


セ「ま、まあ、あくまでも噂は噂ですし、そう悲観しなくても…」


エ「私は、奴と同じ大学だったんですよっ!!悪い噂は真実そのものっ、

  そして私も奴の屑さを体験しました。」


そして、エレメントドラゴンが大学時代を思い返す。



私は、大学でさまざまな学問の分野で成果を出し、教授の研究室に

顔パスで入れる権限を持っていました。


そんな、ある日その権限に目をつけた奴が私に廊下で声をかけて来たのです。


ヴェ「あんたが、有名なエレメントドラゴンかい?」


エ「有名かどうか知らないがが何か?」


ヴェ「まあ、ここで話すのもなんだからそこの空き教室で、な。」


エレメントドラゴンとセイクリッド・ヴェノムワイバーンは空き教室に

入ってセイクリッド・ヴェノムワイバーンは話し始めた。


ヴェ「いやねぇ、君に頼みがあってね、お互いにいい思いが出来る

   話なんだよ。」


エ「いい思い?」


ヴェ「いや実はね、今度大規模なパーティを開こうと思っていてね、

   酒も食べ物も食べ飲み放題でチケットもほぼ完売、しかも

   女性陣の割合を多くするため女性は半額以下で販売したから

   効果抜群だ。」


エ「そんなので採算取れるのか?」


ヴェ「別に採算なんてどうでもいいんだよ、ここからが本題だ。

   君は研究室の機材を使える権限も持ってたよな?」


エ「俺に何をさせたい?」


ヴェ「いや、君ならさ、いい感じに意識が朦朧として次の日には

   綺麗さっぱり記憶がなくなるような薬作れるんじゃないかってね。」


エ「お前っ、まさかっ!!」


ヴェ「そういうこと、女性陣の酒に入れてヤリまくりっ、おいしい話だろっ、

   お互い、いい思いしよう…」


セイクリッド・ヴェノムワイバーンが言い終わる前に、セイクリッド・

ヴェノムワイバーンの顔面にエレメントドラゴンの尾っぽが炸裂、

壁に叩きつけられる。


ヴェ「ぎ…ば、馬鹿な、無法地帯育ちのコイツなら…絶対この話に乗るはずっ!!」


エ「残念だが、俺は、無法地帯で悪事なんてやらかしたことはねぇーんだよ、

  この屑野郎、そのような卑劣なことが許されると思っているのか?

  だったらそんな考えできないようにこの場で肉体に叩き込んでやるよ。」


ヴェ「やっ、やめて、もうしませんからっ、もうしませんから御慈悲っ、ぎ

   にぁぁーーーーーーー!!」



思い出話から現実に帰ってくる。


エ「こうして、何とかその計画は阻止したんですが、他のことでも問題を

  起こしたみたいでその都度、事件がもみ消されて公にはなってい

  ませんが噂だけは残っているという感じです。」


セ「何てことでしょう、いくら龍材がいないからととんでもない犯罪竜を

  採用してしまった。」


エ「今からでも遅くはありませんっ、奴の人界降下を取りやめにっ!!」


セ「いや、もう無理なんです…もう送っちゃった…てへ。」


エ「てへ…じゃねぇよぉぉぉーーーーー!!」



そのころ、セイクリッド・ヴェノムワイバーンは瘴気の中を降下していた。


ヴェ「ひぁっはぁーーっ!!、神界じゃ、大概やりつくして暇してたからなぁ、

   ちょうど新しい刺激が欲しかったところだった所に親父がいい話もっ

   てきやがった。

   口うるせぇ、親父もたまには役に立つこともありやがるっ、しかし

   魔法少女かっ、少女をおちょくって遊ぶのが楽しみでしかたねぇぜ。」



ナレーション:やばい、とんでもない屑が、ぼんくら長老のせいで送り込

       まれてしまった。

       一体どうなるっ!!、次回を待て。



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