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第十八話:新たな力 後編

舞は、プラズマ粒子砲を交わしながら真空斬撃波を捌こうとするが見えない

斬撃は舞の体を少しずつ切り裂いていく。


エ(心)「まさかあのキッチン包丁がかなりの錬度が必要な真空斬撃を習得

しているとはただのクズ ではないということか。


     しかし厄介な相手だ真空斬撃波は属性型神通力で生み出した攻撃

じゃねぇ、無属性神通力を刀身にまとわせ神速にまで加速させ

斬り抜くことで刀身にまとわせた無属性神通力を真空の斬撃に

乗せて飛ばし遠距離の標的を切り伏せる技。


     しかも夜間だと半透明な攻撃だから特に認識しずらい上、混沌型

で無力化も不可、真空の刃は火炎型呪術を鎮火させちまうし今の

舞ちゃんには厳しい。


     だが、こんな状況でも不思議なことに不安じゃねぇ、舞ちゃん

ならなんかやってくれそうな気がするんだよな。」


舞は、真空の斬撃に追い詰められ極限状態の中、ひたすらに心の中で

求めていた。


舞(心)「私の中の力、答えてっ、こんな攻撃じゃびくともしない力が私は

欲しい、…欲しい欲しい欲しい欲しいっ、お願いっ私に力をっ!!」


そんな舞に、特大の真空斬撃波がせまり炎の壁を切り裂き、舞を鎖骨部分から

一刀両断しょうとした時、舞の周りの時間が停止したかのような感覚になり

舞の意識は、暗闇に佇んでいた。


そんな暗闇の中、舞の目の前に、黄金の光の粒が集結、巨大な光の玉となり

揺らぐ、そんな黄金の光の玉に舞は迷うことなく手を伸ばす。


舞「私って追い詰められないと、力を発揮できないタイプかもね。」


手を伸ばした舞に答えるかのように黄金の光の玉は舞に近づき舞の手に

触れた瞬間、舞は黄金の光に包まれ、現実に意識が戻ったのと同時に

舞の体に真空斬撃波が舞に直撃した。


雷斬「随分とてこずらせてくれましたが、私を近接戦闘しか出来ないと

思いこんだのが運の尽きだ。

   おとなしく買収されてれば命拾いしたものの、愚かな少女…

なぜっ、なぜ両断されてないっ!!」


確かに舞は直撃した、だが体に傷一つついてなかった、そんな舞の瞳は

黄金色に変化していた。


舞「エレメント・タイプシフトチェンジッ!!モード・ガイアァァーーーーッ」


舞の叫びで、舞のモード・フレイム体、全身に亀裂が入り、髪は白髪に

変わり舞の肌は褐色になったのと同時にモード・フレイムの外装が吹き

飛び、脚部と胴体、尾は分厚い岩石のような伽羅色の外装に覆われ

足には地面に食い込む大きな鉤爪が付き、両腕には逆立った巨大な鱗が

発達している。


その一方で翼は退化しているが、その代わり背中には剣山のような

背びれが生えていた。


エ「この土壇場でモード・ガイアを物にしたか、さて、あの包丁野郎は

これから舞ちゃんに傷つけることができるか見物だぜ。」


モード・ガイアとなった舞は、ゆっくりと雷斬に歩み寄る。


雷斬「真空斬撃波でしとめることが出来ないなら近接戦闘で切り刻む

だけだっ!!」


雷斬は、舞に斬りかかるが雷斬の巨大な刃は、キンッ、と金属音を立て

舞の体から弾かれる。


雷斬「なんてイカレタ頑強さなんだっ、切れない物はないないと言われた

私の刃が通らないだとっ!!」


その様子を見ているエレメントドラゴンは余裕な表情だった。


エ「モード・ガイアは圧倒的な頑強さと膂力兼ね備えた地属性型の完全形態、

更に俺が教えた無属性神通力による精密強化によって最早、あの包丁野郎

の無属性神通力で強化した刃でも傷つけることなど無理な話だ。」


雷斬はいったん後方に大きく跳んだ後すぐに舞に向かって闇門から

プラズマ粒子砲が五本の線となって舞に四方八方から降り注ぐ、


だが舞は、魔術杖と剣を捨て、手の指をクイッと上げると足元の砂から

岩の壁が五つ出現し全てのプラズマ粒子砲を受け止め防ぎきった。


その異常な光景に魔界から狙撃していた凱神機も恐怖していた。


凱「何なんだよこの状況はっ、安全な魔界から狙撃するだけの

  楽な仕事じゃなかったのかよっ、大体、自分の高出力の

  プラズマ粒子砲を防ぎきるなんて上級魔族、上級神族でも

  無理なはずなんだぞっ!!

  こんな化け物とやり合うなんて聞いてねぇよ、糞がっ!!」


?「この裏家業にアクシデントなしの楽な仕事などあるわけないだろ。」


狼狽する凱神機の背後から声がして振り向きざまに凱神機の顔面に

豪拳が炸裂し一発で戦闘不能となってその場に倒れる。


そして倒れた凱神機を剛雷が見下ろしていた。


剛「さあ、邪魔な砲撃は片付けた、やっちまえ嬢ちゃんっ!!」



雷斬は、両腕の刃を超音波で振動させ、舞に向かって一気に間合いを

詰め体をを左に回転させながらきりつけにかかる。


だが舞は、表情一つ変えずに「来いっ!!」と叫ぶと雷斬の足元の砂の中

からから巨大なハンマーが出現し、雷斬の鳩尾部分に炸裂し弾き飛ばされ

砂の上に転がる。


雷斬「がっ、くっ、」


舞は、砂の上に転がってもがき苦しむ雷斬に気にも留めず巨大なハンマー

に歩み寄り両手で掴んで前方に構える。


雷斬は、何とか起き上がり、舞を睨んだ。


雷斬「くっ、小娘の分際でぇーーー、私を見下ろしてんじゃねぇ

   ぞぉぉぉーーーっ!!」


雷斬の体が発光しだし、両腕の刃は赤く発光し呪文のような文章が刃の

周りを回り始める。


雷斬(心)「これを使うと自身への反動もでかいがここまでコケにされては

      私のプライドが許さないっ!!

      だが、こいつは物理的攻撃ではない純粋な呪いだっ、刃が触れた

      瞬間、どんなものでも混沌型以外はどんなものでも切り裂くっ、

      ご自慢の頑強な体を真っ二つにしてくれる。」


雷斬は、凄まじい速度で変則的な動きで舞の周りを駆け巡る、そして舞の背後

から振りかぶった両腕の刃を渾身の力で叩き込む。


それに対して舞は、足元から岩の壁を出現させ防御する。


雷斬(心)「勝った。」


雷斬の刃は岩壁を両断し岩壁の後ろにいる舞ごと切断した。


舞が両断され崩れ去るように見えた。


だが、両断されたのは本物と見分けがつかないほど精巧にできた土人形だった。


雷斬「何だとッ!!」


だが雷斬がそのことに気づいた時には既に手遅れだった、雷斬の足元から

巨大なハンマーが地中から振りかぶられ圧倒的な破壊の一撃が砂の中から

襲い掛かり雷斬の自慢の刃は砕け散り金属系の肉体もひん曲がり、ヒビが

入り、押しつぶされながら砂にめりこんだ。


雷斬「ぎぃのぉぉぉーーーーー、ぴぎっ!!」


それと同時にハンマーを振るった舞が、反動で砂の上に降り立った。


断末魔を上げ雷斬は戦闘不能となり、舞は勝利したのだった。


舞「粉砕完了。」




そんな光景を遥か遠くの建物の上から影騎士に変化した陸道と極竜の分身体

が眺めていた。


陸「なあ、魔竜さんよ。」


極:分身「なんだ?」


陸「一宮さん、ハラハラさせられるとこもあったが凄く強くない?」


極:分身「まあ、契約している奴があのエレメントドラゴンだからな、イヤでも

     強くなるさ。」


陸「そんなに一宮さんが契約してる奴は強いのか?」


極:分身「ああ、奴は規格外の上級神竜だからな、神通力の量は確かに我ら伝説級

     に劣るが、策略、神通力特性、戦闘技術だけで伝説級を殺傷できる数少

     ない存在だ。

     そんな奴が戦闘などを教え込んでいるんだ少しは安心したか?」


陸「まあ、少しはな、だが危ないとこは沢山あった次も上手くいくとは限らない

  戦闘とはそういうものだ。」


極:分身「確かにな、だがその割には援護に行こうとはしなかったな、まあ我

     としては助かったが。」


陸「一宮さんが本当に巻き返せない状況ならそうしたさ、だが危機的状況にも

  関わらず諦めなかった一宮さんなら絶対巻き返せるそう思ったからな。」

  

極:分身「随分買ってるんだな。」


陸「ああ、俺が惚れた自慢の女の子だからな。」


極:分身「では、そろそろ我らも行くか?」


陸「ああ」


陸道と極竜の分身体は舞の戦いの結末を見届け、夜の闇に飛び立った。




陸道達が遠くから見守っている中、舞は砂の中にめり込んだ雷斬に近寄り

モード・ガイアからモード・カオスに戻り、魔術杖を出現し直し、

雷斬の頭を掴み、カオス・ソウルデストラクションジャックを発動し

雷斬の記憶を探る。


すると雷斬がある裏家業の仕事斡旋をしている魔人型魔族に映像を見せられ

ている記憶が舞に中に飛び込む、その映像には一人の面長の髪の毛を短く整

えたワイルドな顔立ちの男が映っていた。


更に記憶を探ろうとしたがエレメントドラゴンがストップをかけた。


エ「十分だよ舞ちゃん、これ以上は証拠を消し去るための呪術が起動しかねない」


舞「うん」


舞は、カオス・ソウルデストラクションジャックを停止させた。


舞「それで、この人たちどうするの?」


エ「ああ、魔界統制局に引き取ってもらうよ。」


そういうと、エレメントドラゴンは宝玉で何処かに電話し始めた。


エ「あっ、陣ちゃん、おひさー。」


舞「えっ、陣ちゃんって…魔界統制局の陣さんっ!!、っていうかやたら

  フレンドリーなんだけど。」


エ「うん、メル友だからね。」


舞「いつの間にっ!!」


エ「いやー、実は今、瘴気浄化作業で二魔を戦闘不能状態で拘束してるん

  だけど引き取りに来てくれない?

  えっ、今日、非番、いや悪かったねー、…えっ、部下に連絡連絡して

  引き取りに来させるって…助かるよ、あと尋問しやすいようにしといたから

  …うん、それじゃそういうことで、はい、また今度。」


そう言って、エレメントドラゴンが電話を終え、数分後、魔界統制局の魔族達が

雷斬と魔界側で取り押さえた凱神機が回収されて行って剛雷が闇門から降りてき

たあと、舞が闇門を浄化を始めた。


エ「今回は、大きな収穫だ、なんせ奴らの狙っている人間の人相が判ったからな、

  見つけ出して保護すれば更に有益な情報が得られるだろう。」


そんなことをエレメントドラゴンが考えていると浄化を終えた舞がやってきた。


エ「お疲れ、舞ちゃん、やっぱり舞ちゃんは追い込まれて実力を発揮する

  タイプみたいだね。」


舞「そうみたい、今回のことで私判ったの。」


エ「何がだい?」


舞「私は追い込まれないと実力が発揮できないタイプの人間、つまり

  テストの範囲を余裕を持って勉強しても意味がないのよっ!!

  つまり、テスト前日に一夜漬けでこそ私の真価が発揮される

  はずなのよっ!!」


エ(心)「やべぇぇぇーーー、そうきたかぁーーー、舞ちゃんは、

     神通力に関しての才能があるから極限状態で真価が発揮

     されるが勉強面の才能が皆無そのものの舞ちゃんが追い

     詰められても発揮できる力そのものが無いんじゃ

     意味ねぇーーーっ!!」


エ「舞ちゃん…いくらなんでもギャンブルすぎると…ボクは思うんだけど」


舞「大丈夫だよっ、エレ君が私を鍛えてくれたんだから何とかなるよ。」


エ「あのー、ボク、勉強面を鍛えた覚えないんですけど。」


エ(心)「だめだ聞く耳持たないなこりゃ、結果は火を見るより明らかだが…

     ま、死ぬことはないし、いいか。」



こうして、舞は六月の期末試験に自分を極限状態にして一夜漬けで挑んだ

のだが当然、全滅したのであった。



そして、舞は絶望的な点数の答案用紙を机に広げ教室で放心状態になっていた。


舞「馬鹿な…私の、計算は完璧だった…はずなのに…」


そんな舞の前に猫柳が顔を出す。


八重「いやー、いつにも増して、絶望的な点数だなーマイマイは、平均点29点は

   流石にやばいぜ。」


舞「終わった、私、終わっちゃったよ。」


猫柳「まあ、そう落ち込むな、新鮮な空気でも吸って気分を入れ替えろ。」


そう言って八重が教室の窓を開けると強い風が吹き舞の答案が教室のドアの外に

吹き飛ぶ。


舞「ぎゃーーーー」


舞が急いで教室の外に出ると、答案を拾ってくれた男の子がいたが最悪なことに

陸道だった。


舞「ぎゃぁぁぁぁーーーーーー陸道くんーーーーっ!!」


そして陸道は、哀れみを含んだ表情で、舞に微笑みながら


陸「一宮さん、人の価値なんてこんな紙切れで評価なんて出来ないんだから

  気にしないで。」


舞「そんなこと言いながら私を哀れみの目でみないでぇぇーーーーっ!!」


これから勉強を死ぬほど頑張ろうと思った舞なのであった。


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