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第十二話:闘争の王、緑焔の影騎士  中編

午前0時、陸道は稲穂丘町の港近くの工場地帯の倉庫群にいた。


他の倉庫に灯りのない中、一つの寂れた倉庫から灯りが漏れているそして倉庫の

扉の前には屈強な黒いスーツを着た男が立っていた。


そんな厳つい男二人は陸道の姿を見るや否や深々とお辞儀した。


男1「闘神様、お待ちしておりました。」


陸「ご苦労様。」


男2「さあ、中にどうぞ。頭がお待ちになっています。」


倉庫の扉が開き陸道が入るとそこにはたくさんの人が四角の金網で覆われた

リングのルール無用の試合に熱狂していた。


そんな人々をの横をすり抜け倉庫の階段を登り部屋の前に着く、部屋の前には

またも屈強な黒いスーツを着た男達がいたが陸道の姿を確認すると部屋のドア

を開けて迎える。


その部屋には稲穂丘町を拠点に活動するヤクザ、虎牙会の若頭、東山 昇 

(25才)がソファーに座り陸道を待っていた。


東「よお、九上院、まあ座りな。」


陸道は危機管理のために偽名を使っていた。


東山の正面の席に陸道が座るり、東山が後方の小型冷蔵庫に手を伸ばす。


東「いつものイチゴオレでいいか?」


陸「悪いね。」


陸道は東山からグラスに注がれたイチゴオレを呷る。


東「それで、珍しくお前さんから連絡してくるとは、どんな話だ?」


陸「ああ、今日でこの裏闘技の世界から引退しようと思ってな。」


東山が驚愕する。


東「闘争の塊みたいな…お前が…引退、何を考えてやがるお前が戦いを

やめれる訳…」


陸「別にやめはしない、ただ今以上に残虐な闘争が出来る環境に行くだけだ。」


そのような話をする陸道の顔は狂気に満ちた顔で笑っていた。


その狂気に満ちた笑顔を見て東山はため息をついた。


東「わかったよ、好きにすればいい。」


陸「随分、物分りのいい返事だな、脅してでも引き止めると思っていたんだが。」


東「そんなことやらんよ、大体、お前に八百長試合させようとしてお前に組員

ともども殲滅されかけた過去があるんだ、そんなことはご遠慮願うよ。


  まあ、それにオレも組員もお前の強さに惚れ込んでんだお前の邪魔だけ

にはなりたくない。」


陸「今まで世話になった、今回だけは八百長に協力してもいいんだが。」


東「馬鹿言うな、お前の強さに惚れ込んだんだ最後もいい試合見せてくれ。」


陸「ああ、それで、今回の相手は誰だ。」


東「ロシア出身の傭兵だったかな。」


陸「そうか、楽しませてくれるといいんだが。」




そして陸道最後の裏闘技の試合の時間となった。


観客は金網で覆われたリングに向かう陸道に熱狂する。


そして陸道は金網を登りリングに降り立つ、そこには身長、190cmはある

ロシア出身の大柄の男,セルゲイが傭兵の格好で仁王立ちしていた。


セル「まさか東洋に生粋の闘争マシンがいると来て見ればまだ幼い少年とはな。」


陸「がっかりしたか?」


セル「いや、今対面しているだけでも私の本能が警告してくる{戦うな殺され

るぞ}っとな。」


陸「なら、俺が金網登ってくる時に奇襲すればよかったのでは?どうせルール

無用だし。」


セル「その程度で仕留めれるたまではないだろ、仕掛けるとしたら」


セルゲイがズボンの右ポケットに手を入れる。


セル「今だろっ!!」


セルゲイのズボンの右ポケット辺りからズボンを突き破り物凄い速さで陸道に

飛来するが陸道は飛来してきた物を親指と人差し指で抓み取った。


陸「スペツナズナイフかこんな実用性に欠しいもので奇襲とはね。」


セル「ルール無用と言っても重火器使えないならこれぐらいが妥当だろ、あと君が

異常なだけで大概の相手なら仕留めれてる。」


陸「まあな、さてそろそろ、闘争を始めるかっ!!」


陸道は、セルゲイとの距離を詰め鳩尾に拳を打ち込もうとするがセルゲイは

陸道の手首を掴み関節を極めにかかるが、陸道は拳を開き手首を回しセルゲ

イの拘束を無力化して今度はセルゲイの手首を掴みにかかる。


それをセルゲイは陸道が関節を極めにかかる力に逆らわず脱力して受け流す。


そんな攻防が続き膠着状態が続く。


セル「驚いた君も実践的なシステマが使えるとはなっ!!」


陸「俺のはシステマではなく合気道だ、まあシステム的には似たような

構造だがな。」


そんな膠着状態の続く中、先に動いたのは陸道だった、陸道はセルゲイの手首

の関節を掴み返さず再度、右拳でセルゲイの鳩尾を狙いにいく、だがやはり

セルゲイに手首を拘束され腕をねじ上げられ骨が砕かれるかと思った時、陸道

は肩の関節を外し無力化し、残った左拳でセルゲイの鳩尾を打ち抜いた。


セル「がっ、ごっ、見事だっ!!」


セルゲイが膝をついたところに陸道が横薙ぎにセルゲイの頭部に蹴りを入れ

セルゲイが倒れ試合終了となった。


陸道は外れた関節をはめ直し、リングをあとにしする。


金網を登ってリングを出たところに東山が待っていた。


東「おつかれ、柔対柔の攻防、高度すぎて観客には何やってんのか判らなかった

だろうがオレには見ごたえのある試合だった。

  だがお前は物足りないって顔してるな。」


陸「対戦相手に悪いが駄目だなもう、血が滾らない。」


東「おう、お前ら、例の物、もってこい。」


配下の男がデパートのパンパンに詰まった紙袋を五つ持ってくる。


東「預かっていたお前のファイトマネーとお前が自分に賭けた分の金だ受け

  取れ。」


陸「量が多い気がするが。」


東「ああ、それはお前が企画した試合のインターネット配信の分の分け前だ。」


陸「いいのか?」


東「かまわんさ、お前の御蔭でたんまり儲けさせて貰ったからな、お前さんの企画

  に対する正当な取り分だ気にすることはない。


  しかしここも寂しくなるな、試合のことじゃなくても困ったこがあれば

  頼って来いよ。」


陸「ありがとな、昇。」


東山と陸道は強く握手した。


陸「あっ、そういえばここに見た目の可愛らしい女の子が来て、三対一の試合

  とか最近したか?」


東「いや、女のファイターもいるにはいるが三対一なんてお前さんの試合以外

  やらないよ、そんなこと聞いてどうかしたのか?」


陸「いや、ちょっとな。」


陸(心)「一宮さんの言ってた試合はここではなかったか…だったら一体…」




倉庫の上空で極竜の分身体は一連の陸道の行動を見ていた。


極:分身「戦闘能力、カリスマ性どれをとってもずば抜けているがやってる

     ことが中学生じゃないぞ。

     普通、中学生といったら中二病患ったイタイ子とかそのあたりだ

     ろうが、彼の場合、血に飢えた野獣的な意味でヤバイ奴だよっ!!

     いくら善良な部分があっても彼が契約して強大な力を手にして力

     に飲まれないか心配なってきた。」


そんなことを言ってるとデパートの紙袋を抱えている陸道が倉庫の外に

出てきた。


そして倉庫から離れた所で陸道が口を開いた。


陸「見てたんだろ、魔竜さん。」


上空から極竜の分身体が降りてくる。


極:分身「気づいていたのか。」


陸「どうやら、君らが見えるようになって人だけでなく君らの気配も感じ

  取れるようになったみたいだ。

  さて、待たせて悪かったな契約しようじゃないか。」


極:分身「早速か、では、こちらの契約書にまず目を通してくれ。」


極竜の分身体は宝玉を操作して契約書を映し出す。


映し出された契約書に陸道は目を通していく。


陸「驚いた、給料も出るし、戦闘がある度に危険手当まである、しかも年二回

  ボーナスまで。」


極:分身「当たり前だ、魔界は優良世界だ、議員が泣きじゃくったり国民から税金

     吸い上げ福祉に使われることなく議員の懐に入る日本国とは格が違うの

     だよ。」


陸「大体の契約書には目は通したし書類の記入も済んだ本契約と行こうか。」


極:分身「変化するためのアイテムは選べるが何にする?」


陸「ベルトや腕時計もいいと思ったが邪魔になりそうだしな、左目の眼球を変化

  のアイテムに出来るか?」


極:分身「問題ない、では、始めるとしよう。」


極竜の分身は呪文を詠唱し始める。


すると極竜の胸部から緑焔の球体が生み出される、生み出された緑焔の球体は

陸道の左目に吸い込まれるかのように入って行き陸道の黒かった瞳は濃い緑色

に変化し契約が終了した。


極:分身「契約終了だ、早速死霊人間を狩にいくか?」


陸「そうしたくてうずうずしてるが、肉体の性能や何が出来るかの確認をして

  おきたい。」


極:分身「そういうところしっかりしてるな君は、じゃあまず変化してみよう

     変化する時は、緑焔変化と言うんだ。

     決めポーズはお好みでいいぞ。」


陸「決めポーズか、そのうち考えてみるか、とりあえず緑焔変化!!」


陸道が叫ぶと陸道の左目が緑色に光り、陸道は緑焔に包まれる、緑焔の中で

陸道は着ている服が粒子状になり消失し体は黒光りした装甲のような鱗で覆われ、


手には鋭い鉤爪が付き腕の前腕の側面に折りたたまれた刃のような羽が格納され

、長く強靭な尾が付き頭部は人間のままだがV字の角が付き瞳は両目とも緑色

になった。


そして陸道を包んでいた緑焔が消え変化した陸道が姿を現し変化した体の溝のよう

なものが緑色の光を放ち陸道の生まれて初めての変化が完了した。




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