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第百話:初期段階

全ての試合が終わり、観客の熱気がなくなった倉庫の控え室に

重蔵と陸道、響の姿があった。


陸道「どうだ俺が見ているものが見えた感想は。」


重蔵「人間にこんな力があるとはな、筋肉の動きでの予測より

早く、そして的確に相手の出方が分かるってのはすげぇ

アドバンテージだ。」


陸道「まあ、でもお前が今回得た物はまだ初期段階の物に過ぎない、

   そのうち背後からの攻撃や遠距離からの狙撃などにも反応

   出来るようになるはずだ。」


重蔵と陸道が話している所に、響が話しかける。


響「そう言えば、あのブトゥという人も強いから、やはり九上院や

  久山と同じで見えてるんですか?」


陸道は首を横に振る。


陸道「いや、あれはまだ勘とかが鋭いだけのレベルだ、というか

   こういった能力を習得できないよ。」


響「それまた何故?」


陸道「奴は生まれながらに強者だから、追い詰められることが無い、

   それに元から強い奴は追い詰められても自分なら状況を覆す

   力があるという傲慢からその精神状態に陥らないから、到達

   出来ない、まあこれは弱者だからこそ到達出来る力なのさ。」


響「…でも陸道も強い部類ですよね?…それなのに何故習得

  出来てるんですか?」


陸道「いや、俺も最初は弱者だったよ、でもこのような能力があると

   知ったのは技術とかをある程度極めた後だからもう、その頃に

   なると試合で俺を追い詰めることの出来る者はいなかったから

   俺の場合、ゴム弾を使用した狙撃とかで全身の骨が砕けるくらい

   撃たれまくってやっとこさ覚醒したからなぁー。」


響「…君…ドM?」


陸道「そっちの趣味はないよ、ただ戦闘に使える物ならどんなこと

   しても身に付けるだけさ。」


響「凄い執念ですね…私も当然同じことが出来るように訓練する

  予定ですよね?」


陸道「ああ、そのつもりだが基本的な戦闘技術を叩き込んでからに

   なるからもう少し先だな、今のままやると確実に死ぬからね。」


響「ですよねー。」


陸道「ああ、あとこの能力に関してオカルトとか言ってたが、違うぞ。」


重蔵「えっ、これ説明つくの?」


陸道「まあ、この能力を使用している時の脳の働きを調べたんだが、

   大脳新皮質の活動が活発になっていたんだ。


   まあここからは俺の仮説なんだが哺乳類はまだ恐竜が存在する

   頃は、主に夜間に活動していたんだが当然夜間に活動するには

   視覚以外の感覚を発達させなければならなかった。


   それに対応するために哺乳類は大脳新皮質を肥大化させ感覚を

   発達させることで視覚に頼ることの出来ない夜という環境に

   哺乳類は適応した、この能力も脳の活動領域からするにそこから

   生まれたものだろう」


響「つまり、この能力は太古の哺乳類から受け継がれた能力

  というわけですか。」


陸道「まあ、仮説だけどな。」


重蔵「しかし、お前がこんな高インテリジェンスな話をすると

   違和感あるよな。」


陸道「失礼な奴だ、俺を何だと思っている?」


重蔵「脳筋戦闘馬鹿。」


陸道「この野郎っ!!」


響「あー、九上院はこう見えて、全国模試一位だから。」


重蔵は驚愕の表情をする。


重蔵「マジっ!!」


響「認めたくはないですが事実です。」



陸道達が話している所に控え室のドアが開き、ブトゥが入ってきた。


ブトゥ「おっ、どうやら生きてるようだな。」


重蔵「死ぬ一歩手前だっよ、鎖骨も肋骨も逝ってるから

   マジでいてぇよ。」


ブトゥ「文句は九上院に言え、こいつにマジで殺しちゃって

    いいからと今回頼まれたからな。」


重蔵がが陸道を睨む。


陸道「ま、まあ、次の段階に進めたんだしいいじゃんか、なっ!!」


ブトゥ「しかし、九上院っ、この男なかなかやるよ、俺に勝つとはな、

    近いうちにまたやろうぜ。」


ブトゥは重蔵に再戦の約束しようとしたが、重蔵は。


重蔵「あんたと戦ったら生きた心地しないから遠慮しとくよ。」


ブトゥ「つれないなぁー、まあいい、気が向いたらまたやろうじゃあな。」


ブトゥは控え室から出て行ってすぐ東山が入ってきた。


東山「ブトゥに随分気に入られたようだな、それで久山、本当に

   医者に見せなくて大丈夫か?」


重蔵「ええ気にしないでください、このくらいすぐに治癒しますから。」


重蔵(心)「変化したら一瞬だしな。」


東山「本人がそういうならいいが、…ああ、それと九上院、お前に

   頼まれてた品だ。

   おいっ、こっちに運べ。」


東山が黒服を指示して控え室に陸道の身長よりも大きい長方形の

木箱を運び入れる。


その木箱を開け、陸道は中身を確認する。


陸道「流石だな、いい品だ。」


東山「こんなもん、調達させるって、お前…一体何やるつもりだ?」


陸道の口元がつり上がる。


陸道「ちょっとした戦争さ。」


陸道の狂気に満ちた表情に悪寒が走る東山だった。




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