第十話:影騎士計画(シャドウナイト・プロジェクト)
不敵な笑みを湛える櫻の表情みて威火炉守が嫌そうな顔になる。
威「その顔すると絶対ろくでもないこと言い出すんだろ幼馴染の僕は
その表情した櫻にどれだけ酷い目に遭わされたか。」
櫻「まあまあ、そうあからさまに嫌な顔しないでよ。
今回のは私の策ではなくあの最強の新卒神竜エレメントドラゴンの
生み出した策なんだから。」
極「それは本当なのか?」
櫻「はい、この前の密輸入の件で部下が会ったみたいで神龍側も人界の
瘴気浄化のために人界に降りてたみたいでその時にエレメントドラ
ゴンに聞いた策みたいです。」
威「はぁ、よかったこの前その顔した時、魔界コミケで櫻の書いた
ルシファー総受けBL本販売の売り子やらされたからな。」
斬「櫻嬢ちゃん、最早それ新手のいじめだぜ。」
牙「ルシファーの奴、自分の本が売られるって聞いてルンルン気分でコミケ
に行って出てきた時,神と戦って瀕死の重傷負ってたときよりも死んでし
まいそうな顔してたからな。」
漸「流石は我らが魔王、ただの本で魔界最強の堕天使の精神を破壊するとは
とことん腐ってますね。」
櫻「はいはい、話戻しますよ。
まあ、部下の話によると神界から人界に降りる時、尋常でない瘴気の
量で人界に着いた時にはエレメントドラゴンは力をほぼ使い果たし
とても浄化作業に移れる状態になかったみたいです。」
牙「…あれ、だがエレメントドラゴンは瘴気を神通力に変換できたよな?」
威「確か神界の法律で瘴気の変換が禁止されてるみたいですよ。
精神汚染の危険性があるからという観点からで。」
牙「ああ、神族は変換できない奴多いからな。」
櫻「そこでエレメントドラゴンは人間の少女を依り代とすることで少女の
魂魄で神通力を生成し弱体化した自身の代わりに変化した少女が浄化
作業を行ってるという話です。」
極「なるほど、自身の回復が見込めないから少女を依り代にしてか…しかし
依り代が我々の力を使えるとして出力は大丈夫なのか?」
櫻「問題ないと思いますよ。
なぜならこの前の密輸入に関わってた上級魔族の三魔を倒したのはその
少女らしいですから。」
斬「決まりだな、それでその依り代になる人間だが魔族の我々となると条件
は違うよな。」
櫻「はい、神龍では、我々のような存在が見え、巫女などの素質がある者
ですが、我々の場合、素質プラス、瘴気の神通力変換に耐えうる精神
力を持った者で男の子というのが条件です。」
漸「なかなか条件が厳しいですね…しかし何故男の子限定なのですか?」
櫻が空中を手でなぞるすると先ほど水晶で展開されていたスクリーンに
映像が映し出されそこには、魔界と神界の特許申請されている商標や
システムなどがある。
その中に、魔法少女システムというものがあり出願した者は
エレメントドラゴンだった。
漸「なるほど、これじゃ女性は使えませんね。」
牙「どういうことだ?」
その特許の内容は、女性を依り代として魔法少女として運用することが
規されていた。
漸「つまり、女性を依り代に使って同じことやろうとすると特許侵害で
訴えられてエレメントドラゴンに火の如く使用料をとられてしまう
ということです。」
櫻「そうなんですよーいやー残念です。」
などと言いながら嬉しそうな櫻。
威「なんか嬉しそうだな?」
櫻「別に。」
極「しかし、特許申請までしているとは抜け目ない竜だ。」
斬「最早、神竜というよりただの商人って気がするが…あれ、そうだ俺達
も男の子限定にしなくてもいいんじゃね?」
櫻(心)「ギクッ!!」
牙「そういえば男全般なら特許に触れずに済むな。」
櫻「あっ、あのー、ここは神竜側も少女ですし歩調を合わせるということで
少年でいいと思うんですが。」
漸「いえ、選択肢が多ければ多いほど依り代を見つけ出すには好都合ですし。」
威「向こうが魔法少女ってしてますからこちらはどうします?」
極「そうだな、男全般で考えて影男爵なんてどうだ?」
勝手に話が進んで怒りでプルプル震える櫻。
威「いいですねー。」
漸「決まりですね。」
ついに櫻がぶちきれ暴言を吐いた。
櫻「貴様らぁー勝手に決めるなぁー、私が少年と言ったら少年なのよっ!!
これは魔王命令だぁーっ!!」
極「櫻っ、いきなりどうしたんだっ!!」
威「あっ、僕わかったかも。」
櫻「私はっ、私はっ、…少年たちの絡みが見たいのょぉーーー!!」
櫻の魂の叫びに、極竜、漸王、牙王、斬蛾は呆然となっていた。
櫻「いい、依り代に選ばれた少年達が共に戦い価値観の違いでいがみ合い
ながらも友情が生まれそして愛にっ!!」
櫻の美少年と美少年が顎クイ口付けシーンのピンク色の妄想が展開される。
威「やっぱりね。」
極(心)「キリシエルよ櫻は魔界の為によくがんばっているよそんな
櫻をサポートを頼むと言ってたがこの腐れっぷりは対象外だ。」
斬(心)「うーん、櫻嬢ちゃん腐女子モーター全開だな、どうなだめたも
のか。」
牙「櫻よ、少年限定だとどうしても依り代が見つからない可能性が」
櫻「やだ、やだぁー少年がいいのぉーっ!!」
威「そんな子供みたいな駄々こねるな、見てる僕が恥ずかしいよっ!!」
そんな時、漸王が動いた。
漸「では櫻、こうしましょう。優先的に少年の依り代を探しますが
どうしても見つからない時は男全般でいいですね?」
櫻「うぅ、わかりました。」
こうして何とか櫻の暴走は漸王の大人な対応でおさまったのだった。
櫻「あと、呼び方は影騎士にしませんか。」
威「影騎士か、いいね。」
牙「確かに血生臭いことやるのにバロンは違うな。」
極「ああ、影騎士のほうがしっくりくる。」
櫻「では影騎士計画として進めます。」
こうして死霊人間討伐とキリシエル救出のための影騎士計画
(シャドウナイト・プロジェクト)が始動したのであった。