第一話:魔法少女ドラゴンウィッチ爆誕!! 前編
第一話:魔法少女ドラゴンウィッチ爆誕!! 前編
薄暗い空間で五体の龍が泉を覗き込んでいる。
その泉には人の世界が映し出されていた。
映し出されたものをみながら東洋の龍,王龍が口を開く。
王龍「人の世は確かに豊かにはなったが豊かになった分、人間は欲にまみれ強烈な
瘴気を生み出している、しかも人口増加で生み出される瘴気も古の時とは比べ物に
ならない量だ。
しかもその瘴気が淀み、収束し魔界との門を形成し多くの裏社会の魔族が
人界へと侵入している。
神々に人界の守護を任されている我々龍神は、一刻も早くこの問題を対処
しなければ人界は破滅するであるう。
そこでこの事態を解決する妙案を伺いたいのだが、どなたかよい案は
ございますかな?」
(?)「では、わたしから話させてもらおう」そういうと白き西洋の竜が
口をひらいた。]
王龍「では聞かせてもらうとしようかのセイントニーズ殿。」
セ「まず、今の現状では、濃度の高い瘴気が原因で我々が神通力により
間接的に人界に影響を及ぼし解決できるレベルではないことを理解
していただきたい。
そこで、私からの提案なのですが人界に直接下りて瘴気の浄化
人界に侵入した裏社会の魔族の処理を行うというのは
どうでしょうか?」
するとワイバーンタイプの竜、アズダルが声を荒げた。
ア「なにを馬鹿な、我々が人界に下りれば人界でどのような天変地異
が起こり人界に新たな災いの要因になりかねんっ!!」
するとさっきまで口をひらかなかった大蛇のような龍、羽々が言った。
羽「確かにな、…だが、てめぇのことだ何か考えがあるんだろ?」
そういうとセイントニーズに視線をむけた。
セ「もちろん、確かに我々が人界に降りれば我らの存在自体が強力な
エネルギーだ、人界によからぬ影響を与えかねない、そこで
新龍教育もかねてこの人界の守護の任に就いた若手に人界に
降りてもらいましょう。
彼らなら人界に過度な影響を与えるほどの強大な存在とはまだ
なっていないので適任でしょう、それに自身が守護する世界
を直に知るのもよい学びとなるのでよいかと。」
ア「問題解決と同時に新龍教育も済ませるか…随分と欲張りな計画だな、
だが所詮まだ若造だ人界で取り返しのつかない失敗をやらかすかも
しれんぞ。」
セ「もちろんそのような自体に陥らないように経過報告もしていただきます。
そして向かわせる新龍にも一番優秀な龍材を向かわせ…」
さっきから泉に映る映像を見続けていた四足歩行タイプの羽の生えていない竜、
シモンが口を開く。
シ「あのー、もしかして…今人界に向かって降りている…この子のこと?」
泉には一匹の漆黒の竜が雷の鳴り響く紫色の霧の中を降下していく映像が映し
出されていた。
セ「ええ、そうですが何か?」
ア「貴様っ、また我々に相談なしで勝手に決めよって!!」
王龍「まったく、少しは、集団行動というものを身につけよニーズ殿。」
羽「全くだ…まあ、既に諦めてるけどな。」
セ「議論する時間を短縮できたんですから問題ないでしょう。
それに皆様方もご納得されるはずだ。
四台元素の使い手、エレメントドラゴンといえばねっ。」
ア「あの、新卒採用の子か、確かに学業も神通力も優秀だし何より肝が
据わってる、確かに貴様の選択に異論はないな。」
王龍「この、龍選に文句の付けようはないわ。」
羽「同じく。」
シ「いいんじゃないかな、あの子なら臨機応変に何とかやれそうだし。」
セ「ほら、皆さんもご納得の龍選でしょ。ところでエレくん
(エレメントドラゴンのこと)は、もう人界に着きそう
ですか?」
すると泉で映像を見ている四足歩行タイプの竜が怪訝そうに答える。
シ「うーん、どうも人界へ降下すればするほど人界で発生した瘴気の
影響でかなり苦戦しているみたいだね。」
ア「やはり優秀だと言っても今回の任務は、荷が重いんじゃないのか?」
セ「我々も若いころ似たようなことやったでしょう、これくらい良い勉強
になるでしょう。」
シ「着いたみたいだよ。」
セ「そうですか、着きましたか。」
五匹の龍が全員泉を覗く、そこには、朝日が差し込むビルの立ち並ぶ都心の
風景が広がっている。
だがそこには、先ほどまで降下していたエレメントドラゴンの姿はなかった。
セ「あれ、エレくんが見当たりませんが」
王龍「おかしいのー、見失うことなど滅多にないんだがのー」
羽「まあ、人界に着いたんだしそろそろ彼のほうから連絡があるだろう。」
すると泉の映像が変わり、通信、エレメントドラゴンと映し出される。
羽「ほら、何の問題もなさそうだ。」
そして、通信先の映像に切り替わった瞬間、五匹の龍達は静寂に包まれ次の
瞬間腹を抱えて大爆笑しだした。
泉に映し出されたのは紛れもなくエレメントドラゴンだったが荒々しき漆黒の
姿は、三頭身くらいのサイズになり鋭い眼光を放っていた目はつぶらな瞳へと
変化、全体的に丸っこいぬいぐるみ、みたいな姿に変貌していた。
セ「ぷっ、ぷぷ、どうしたんですかそんな…ぷっ、シルバニアファミリーみたいな
姿になってくくっ」
ア「人界のゲーセンにある景品の、ゆるキャラのぬいぐるみそっくりだな。」
大爆笑する五匹の龍に対して、ぐぬぬっ、とムカついてる心を押さえ込み
プルプル震えているエレメントドラゴン。
エ「わ、ら、い、ごとではないですよっ。」と物凄い剣幕で言う。
セ「ごめんごめん、つい、それで何があったんですか?」真剣な表情に戻る。
エ「それが、予想以上に人界に降りるまでの瘴気の層が厚く、そして濃厚
なため人界に降りる段階でかなりの力を消費してしまい現在、自分の
使える力は、元の力の1パーセントほどしか発揮できません。」
ア「なっ、それでは魔族を討伐するどころか人界の瘴気の浄化すら
難しいではないかっ!!ニーズっ、貴様、このような事態になら
ぬようちゃんと下調べしたんだろうなーっ!!」
セ「当たり前だっ、私とて考えなしに独断専行しているわけでは
ありませんっ、その証拠に人界の瘴気を計測する神々の管理
する呪式計器を使用したんですよっ誤差などあるはずはっ、」
羽「今更、起きちまったこと言ってもしょうがないだろ…それでっ、
現状況で人界の瘴気のレベルはどのくらいなんだ?」
シ「おそらく、想定していたレベルを遥かに超えていることは
確かだねっ、今すぐにでも浄化に取り掛からないと第三次
世界大戦だっておきかねない。」
王龍「どうしたものかのぉー」
悩む五匹の龍、だが同時にひらめいた。
そしてとても怖いくらいのにこやかな笑顔で泉に映る
エレメントドラゴンを見た。
エ(心)「うっわー、嫌な予感っ。」
セ「エレくん、君はとても優秀な龍材だ、そこで君に今回の
任務の責任者になってもらいます。」
エ(心)「クソッタレがぁーっ、この糞長老共、俺に全責任
丸投げしやがったー。」
羽「うわー大出世だねー(棒読み)」
シ「ぼっ、僕らでもこんなスピード出世したことないよー
うらやましいかぎりだよー」と言いながら眼を泳がせる。
エ(心)「まずいっ、このままだと責任者などと言う聞こえの
いいトカゲの尾っぽきりにされちまうっ」
エ「そうですか、うらやましいですか、でしたら自分は辞退して
神龍である長老達にこの名誉ある任務を譲りますよ。」
思わず、げっ、と言ってしまう王龍、そして首をぶんぶんと振り
王龍「いっ、イヤイヤ、ワシ等が若龍の可能性を摘み取るわけに
はいかぬからのぉー…おーっと、ど、どうも瘴気の影響で
通信がふあんていにーっ」通信が切られる。
怒りで震えるエレメントドラゴン
エ「長老共ーっ、オレオレ詐欺がばれた犯人かよっ、
通信きりやがってー、…はぁっ、しかしどうしたも
のか1パーセントの力しか発揮できない状態で何が
出来るか試してみるかっ」
手を前にかざしてみる。
エ「…本当なら念じるだけで手から業火が出るんだがやっぱ
無詠唱じゃ、無理か…だったら」
手を前にかざし呪文を詠唱し始める。
エ「我が声に集いし火炎の粒子よ我が障害を焼き尽くせっ!!」
足元に魔法陣が現れ掌に火の子のような粒子が飛んできて収束する。
エ「Hellfireburst」と叫び収束した火の粒子が
解き放たれたが…
エ「マジかよ…」しょぼい火が申し訳程度にちょろちょろと出る
程度だった。
エ「詠唱してもこの程度かよっ、コンビニの百円ライターのほうが
まだ火力があるぞっ、…最悪だまったく打開策がうかばねぇ」
現実逃避に古本屋で立ち読みしたり、逃避出来ずに結局ふらふらと
飛びながらも考えを巡らす。
エ(心)「どう足掻いてもこの弱体化したこの体じゃー本来の性能を
発揮できねぇ…かといって体がもとの状態に回復するのを
待つ時間はないしこの人間界に漂う瘴気の影響で回復でき
るかも怪しい…神通力も回復してないがとりあえずこの体
だけでもなんとか…ん、体…そうかっ、体だっ、自分の体
でなく人間の体を依代に使えばっ、そうすれば人間の
魂魄から神通力も生成されてるから神通力回復の問題も
解決できるっ。」
希望にみちあふれた表情になる。
エ「だが、素質のある人間をさがさねぇーとな、だがなんとかなる
気がしてきた、やってやろうじゃねーか、糞長老共っ、吼え面
かかせてやるっ!!」
勢いよく飛んで行くエレメントドラゴン、一時間後、上空から中学校
の校庭を眺めているエレメントドラゴンは苦い顔をしていた。
エ(心)「素質のある人間は見つかったには見つかったが…」体育の
授業でマラソンが行われている校庭に他の生徒は走り終わ
ってるのに、一人の小柄で小さな胸の黒髪セミロングの
少女がフラフラになりながら足をプルプルさせながら
走っていた。
セ(心)「体力なさすぎだろー、…ま、まあ体力面は依り代になれば
強化されるからまあいい,…それにこの子にもいい面は
沢山あるはずっ」
そう思ってその少女を観察する、その結果、廊下で何もないとこで
自分の足につまずいて顔面から盛大にこけたり、テストの答案用紙
の点数が絶望的だったりなどの様を見せ付けられた。
セ(心)「マズイ…この子のいいところを見つけようとすればするほ
どダメな部分がっ、贅沢は言ってられん、心根が綺麗で
依代としての資質を持ち合わせてるだけでも良しとするか。」
そして難しい顔になり腕組みしてする。
エ(心)「この子で決まりなのはいいが、問題はどうアプローチ
したものか、いきなり俺があの子の前に出て行って
(やあ、俺はエレメントドラゴン、この世界を救うため
に俺の依り代にならないか?)何て言ったら、まず俺
の姿見ただけで気絶か見えてないふりされるだろうな、
あと依り代って表現がなぁー、何か別のソフトな言い方
できねーものか。」
うーん、と悩むエレメントドラゴンは地上に降りて何かいいヒント
がないか思い返す、ふと古本屋で立ち読みしてたときに魔法少女物
の漫画がったことを思い出してひらめいた。
エ(心)「そうだっ、依代ではなく魔法少女といえばいいんだッ!!
俺の力=神通力=魔法みたいなものだからあながち間違い
でもないし、俺の力で肉体を変異させるわけだから定義と
しては間違ってないだろっ、うん。
まあ、あの子アホな子そうだから俺が突然目の前に現れて
も案外そのまま状況を受け入れる可能性もあるだろう。」
あの子を思い浮かべながらかなり失礼な考えにいたる。
エ(心)「魔法少女という設定で行くなら俺も魔法少女のそばに
居る愛玩マスコット的なものを演じる必要があるなぁ、
まあ大体の方針が決まったとこだし後は実行あるのみっ
…おっ、あれは…」
廊下でプリントを運んでい黒髪セミロングの少女が又もこけてプリント
が散乱する。
そこに通りがかった一人の顔立ちのいい男子生徒がプリントを拾うのを
手伝う。
黒髪セミロングの少女は顔を赤らめパニくりながら急いでプリントを
ひらおうとすると男子生徒と手と手が重なり更に顔を赤め、更に
パニくる姿を目撃する。
エ「ほぉー、こいつは使えそうだな。」にやりと笑う
エレメントドラゴン。
夕方、下校時間になり生徒たちが帰り始める。
黒髪セミロングの少女も女友達と校門で挨拶を交わし帰路に就く、
そして道に人気がなくなった時、そよ風と共に黒髪セミロングの
少女の前にエレメントドラゴンは、姿を現した。
そして少女は、その光景にその場に棒立ちしている。
エ「ボクの名前は、エレメントドラゴン、ねえっ、ボクと
契約して魔法少女になってくれない?」
エ(心)「よしっ、登場の仕方としては上出来だろっ、
気絶されてもないし、見えてないフリされて
立ち去る気配もない…これ、いけたんじゃね。」
そう思った時、
少女「あっ、あの、質問いいですかっ!!」
エ「?、なんだい、ボクに答えられることならいいよ。」
少女「具体的に魔法少女になって、何をするんですか?」
エ「君、この状況受け入れるの早いね…てっきりボクは、
今起きてることが幻覚とかそっちの方を聞かれると
思ってたよ。」
エ(心)「よしっ、思ったとおりだっ、この子、お頭弱
そうなのが不安材料だったが何の疑問も持た
ずこの状況を受け入れたようだっ、いやー
アホな子で助かった。」
エ「えっと、魔法少女になって何をするかってことだね、
簡単に言うと人間の欲望から生み出された悪い
力を浄化してもらいたいんだ。」
エ(心)「欲を言うと人界に侵入した裏社会の魔族の討伐もしたいが
そこまでの危険には、巻き込むわけにはいかねー
からな。」
少女「あのっ、私たちの世界ってとてもマズイことに
なってるの?」
エ「マズイなんてものじゃない、すぐにでもなんとかしないと
とても大きな戦争が起きて多くの罪のない人々が死ぬこと
になるっ、だからそれを止める為にボクはこの世界に来た
んだっ、だからボクと契約してほしいんだっ!!」
すると少女は、少し考えてから
少女「その、こんな私でも多くの人が救えるのなら…
協力させてください。」
エ(心)「よっしゃーっ、依代ゲッート、こんな、ええ子を
巻き込むのは少し心苦しいがなんとかなったぜ。」
エ「それじゃあ契約を始めるから、手をボクのほうに掲げて。」
少女は、エレメントドラゴンに向かって手を出す。
そしてエレメントドラゴンが呪文をとなえ体が光り始めその体
から出た光が少女の右手首に収束して光が収まると手首には竜
が自身の尻尾を咥えたデザインの銀色の腕輪が付いていた。
エ「これで契約完了だよっ、これで今日から魔法少女だっ、
これからよろしくね。…あっそういえば名前聞き損ねて
たね。」
少女「一宮、一宮 舞って言います。」
エ「じゃあ、これからよろしくね舞ちゃん。」
舞「うんっ、よろしくねエレ…名前長いからエレくんでいい?」
エ「うんっ、呼びやすいように呼んでくれたらいいよ。
とりあえず魔法少女に変化するのは舞ちゃんの部屋でやろう、
ここに張ってる人払いの結界が切れそうだから。」
舞「うんっ…あっ、部屋の片付けしたいから少し待ってもらっても
…いい?」
舞とエレメントドラゴンは家に着く、そしてキッチンで夕食の準備を
している母親に、ただいまと言い二階の自室に向かう、舞の母は、
もう少しでご飯だからその間に宿題とか終わらせちゃいなさいと言う。
舞は、はーい、と返事をしながら階段を駆け上がり自室に入った。
そしてごとごと少し大きな音がしたあと「いいよ」と舞の部屋から
声がしてエレメントドラゴンは舞の部屋に入った。
部屋は年頃の女の子の部屋らしくテディーベアなどのヌイグルミが
棚の上に可愛らしい小物と一緒に配置されていている。
舞「エレくんのことお母さん全然気づかなかったね。」
エ「ボクの姿は実体化しないと他の人には見えないからね。
舞ちゃんは素質があったからさっきも実体化してなかった
けどボクを見ることが出来たんだ。」
舞「そうなんだ。」
エ「だから外でボクと会話するときは注意してね。でないと…」
舞「なにかマズイことでもあるの?」
エ「ボクとしては問題ないんだけど…ただぁ…舞ちゃんが薬物
やりすぎて脳みそいかれた奴と思われるから…」
舞「全力で気をつけます。」
エ「さて、それじゃ舞ちゃんに早速、魔法少女に変化して
もらうけど心の準備はいい?」
舞「ドキドキするなぁー。」変化することに
わくわくしている舞
エ「まず、腕輪の付いてる手を胸の前に持ってきて。」
舞「こう?」言われたとおりにする舞。
エ「うん、そして左手で腕輪に触れて、エレメント・チェンジ
と言って。」
舞「え、エレメント・チェンジ?」
すると腕輪から眩い光が溢れ舞を包み込み舞の着ていた
服は光の粒子のようになり一瞬で、散り行き裸体となり
今度は体全体を漆黒の霧が包み込む。
そして腕輪から放たれた舞を覆っていた光がガラスが
崩れ去るように崩壊していき魔法少女となった舞が現れた。
エ(心)「どうやら成功のようだ…だが不完全タイプの
モード・カオスか、四台元素が無秩序に混ざり
合ってどの属性型神通力も使用できないが瘴気
の浄化ならこれでも問題ねーだろ。」
エ「どうだい?魔法少女になった気分は?」
ぷるぷる震えている舞。
エ(心)「まあそうだよな、女の子が誰しも一度は憧れる
魔法少女になったんだそりゃー感動して声も出…」
舞「なっ、な、な…なによこれーっ!!」
舞が叫ぶのも当たり前だった鏡に映ったその姿は、全身、
硬質の漆黒の鱗に覆われ筋骨隆々とした二足歩行では
あるがドラゴンの肉体で強靭な尾っぽと翼が付き、顔は、
厳ついドラゴンそのものに変化していた。
舞「これのどこが魔法少女なのよっ」
エ「?、何いってるんだい魔法の力で少女が変異して
るんだから魔法少女だよ、定義としては間違ってな
いはずだよ?」
舞「何が定義よっ、一般的な魔法少女像のどこにも掠りも
してないよっ、普通、魔法少女って言ったら女の子が
可愛いコスチューム着て魔法で問題解決みたいなもの
を言うのっ、こんなライダー怪人みたいな姿で魔法
少女って言わないのっ」
エ「なに言ってるんだい、あんなヒラヒラした非合理な
格好で戦ったりしてる魔法少女物のほうがおかし
いんだよ。」
涙目になりながらまるで親の仇でもみるかのような目で
エレメントドラゴンをにらみつける。
舞「うぅ…この嘘つき、詐欺師、バカドラゴンっ、」
近くにある物をエレメントドラゴンに次々投げつける舞
エ「無駄だよー、実体化してない僕に投げつけたって当たるわけ…」
飛んできたコンパスがエレメントドラゴンの眉間に突き刺さり噴水
の如く血が噴出す。
エ「ぐのぉおおー、」その場を転げまわる
エ(心)「忘れとったーっ、変化したら俺と同じ無実体だから
舞ちゃんの攻撃当たるんだったーっ、俺も育ちは
悪かったが眉間にコンパスが突き刺さるなんて
初体験だぜ。
しかし今まで順調だったが、まさか見てくれで
ここまで拒絶されるとは、理解に苦しむよ。
だがこの状況をなんとかせねば。」
と考えていると舞が廊下でプリントをぶちまけた時に一緒に
ひらってくれ舞が顔を赤面させたことを思い出す。
エ(心)「いいカードが残ってたよ。」
エ「舞ちゃん、物を投げるのをやめて聞いて欲しいんだっ。」
舞「うぅ、嘘つき、今更何だっていうの。」
エ「姿の方は可能な限り君の意見を優先するからっ、それと
魔法で何が出来るかって所だけど、恋愛成就の魔法とか
も使えるんだよっ。」
ぴくっとする舞。
舞「恋愛…成就…」
エ「そ、そうなんだよボクの魔法はかなり優秀だから手順すら
省いてすぐに相思相愛になれるんだっ。」
舞「相思…相愛に…なれる」
しばし無言になる舞。
舞「ホントに姿は変えられるの?」
エ「あ、あるていどなら。」
舞「判った…それで我慢する。」
エ(心)「色恋沙汰のことが絡むとちょろいもんだ。」
舞「今の姿からどう変えるつもりなの?」
エ「とりあえずこのこれでどうだろ。」
ただ、ドラゴンの角にリボンをつけただけだった。
エ「リボンのワンアクセントが女の子らしさをアピー」
言い終わる前にプルプル怒りで震える舞が投擲を再開した。
エ「まっ、舞ちゃんぼ、ボクが悪かった、悪かったから
カッターは投擲しないでぇーーーー!!」
その後なんとかお互いに妥協を重ねて手来たデザインは、
全身漆黒の硬質の鱗で覆われているものの舞の
ボディーラインはそのままで尾っぽと翼はそのまま、
手足は、人の体に合った鉤爪が付き顔は、舞の顔の
ままで耳の部分に角が生えている感じになった。
舞「これなら…まあ…なんか違うけどいいかな。」
エ(心)「ふぅーっ、何とか納得してくれたか、一時は
どうなるかと思ったがこれで浄化作業に取り
掛かれそうだ。」
エ「それじゃあ早速…」
ぎゅるるるるっ、と舞のお腹から音が出る。
舞「えっ、えとーそのー、夕ご飯食べてからで…いい?」
エ「はっ、ははは、ま、まあ生命活動には必要だから…ね。」