五章 エルドリア地下水路
私たちは兵士の言葉を信じてエルドリア城に向かう。
不信感は消えないが今はあの兵士が指した方角を信じるしかない。
「太陽、動いてないね」
白梅は真上にある太陽を見ながらそう言った。
「そうだね」
梨々香は周りを見ながらそう言った。
「まるで何か隠しているみたいだな・・・」
白翔は真上にある太陽を見てそう言った。
しばらく丘を歩いていると風が強くなってきた。
どうやら崖だったらしい。
「絶景だ」
白翔はエルドリア城とその城下町を見て笑みながらそう言った。
「なんか、普通に感動しそう」
白梅はエルドリア城とその城下町を見て笑みながらそう言った。
「あれがエルドリア城みたいね」
ペンを握った華は地図を描きながらそう言った。
「低い土地にある城っていうのはあまり見たことがないな」
梨々香はエルドリア城を見てそう言った。
私たちは崖を降りてエルドリア城下町に近づいた。
城壁を飛び越えて突入しようと思っていたのだが、どうやらここの君主は思っている以上に強いらしいのでやめた。
「住民、まとも過ぎない・・・?逆に怪しい・・・」
華は城下町の生活を見ながらそう言った。
「何してるの?」
白梅は枯れた水路を確認する梨々香を見てそう言った。
「地下から行きましょう」
梨々香はそう言うと枯れた水路に飛び降りた。
「飛んでいけばいいだろう!?」
白翔は枯れかけた水路に飛び降りた梨々香と枯れかけた水路に飛び降りる華を見て焦りながらそう言った。
「結構ぐちゃってるね。それに、酷い臭い・・・」
華は地面を見て顔をしかめながらそう言った。
「・・・」
梨々香は白梅と白翔を見る。
「はぁ・・・」
白翔はため息をついた。
「風で連れていって」
白梅は白翔を見てそう言った。
「はいはい・・・」
白翔はそう言うと白梅の腕を掴んで風を纏った。
私たちは枯れた水路を進んでいく。
鼻をチクチク刺すような異臭に歩行を妨げる汚泥が合わさってまるでトイレの中にいるみたいだ。
「何が見えたの?」
華は梨々香を見てそう言った。
「おそらく、ここの君主エイニールの技だ。蛇を走らせるような術だった」
梨々香は華を見てそう言った。
「多分、あのまま城壁を飛び越えていたら僕たち死んでたな」
白翔は白梅を見てそう言った。
「うん・・・」
白梅は白翔を見てそう言った。
しばらく真っすぐな道を歩いていて曲がり角を左に曲がると少し広い地下牢のような場所についた。
もちろん、広い場所に出ても異臭はなくならない。
昔、父と共にエルドリア城に行った。
拝領当時のエルドリア城下町は、無法地帯から一国家に相当する大領地になるという期待と希望に満ちた場所だった。
黄金の英雄が座すその玉座から世界は再び美しき信仰の時代に突入すると臣民は信じて止まなかった。
父は到着早々城の清掃を指揮した。
私は居室で待っているよう言われたが、子供だったこともありそんなことはできなかった。
地下にあったのは酷い環境の牢屋だった。
異臭と汚物に満ちたその空間は、幼い子供の記憶に残るには十分なものだった。




