表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

プロローグ   「ジャムパン食べたい」

暇すぎて小説書いてみようかなってなってます。

初めてです。あんまおもんないかもです。

ガチ書きじゃなくて趣味(暇なときに書く程度)なのでご了承ください。でも物語は湧き出てくるので書く時は書きまくります。


どこだここ。

暗い。怖い。どこを見ても暗闇。足場さえ見えない。

コツコツと金属音のような足音が近づいてくる。

俺、殺されるのかな。嫌だ。怖い。死にたくない。

「...ロン、アーロン!起きなさい!」

「はっ!」

俺は汗だくのままベッドから飛び起きた。

ベッドもところどころ湿っている。

目の前にはエプロンをした2つ上の姉が朝ご飯に使用したお玉を片手に

ブツブツ言っている。

「ったく15歳にもなって、いい加減起きなさいよ。何回起こしたと思ってんの?学院登校初日なんだから、シャキッとしなさいよ」

ふぁあ、無意識にあくびが出る。

朝は苦手だ。

「嵐が来ない限り遅刻なんてしないよ、流石に。」

うちの姉は色々と優秀ではあるが少々うるさいのである。

それと少々純情でもある。

「てかなんでこんなに汗だくなの...ま、まさか、変な事でもやってた...?」 

ほらきた。頬を赤らめて声が高くなっている。

「わ、私、ちょっと、そ、外にお出かけに」

そう言い部屋を出ようとする。

これ、絶対勘違いしてるやつだ。

さすがに弁解しなくては。

「どこ行くんだよ、これは、その、違くて」

そう言い、部屋を出て行こうとする姉の手を掴んだ。

ただ変な夢のせいで汗をかいただけなんだよな。でもどんな夢だったっけな。

なんか物凄く...んーーだめだ思い出せん。

早く何か言わないとすぐにでも部屋を出ていきそうな勢いだ。

「夢の中で走っただけなんだよ」

よし、ひとまずこれで良いだろう。

「本当に?」

「本当だ」

「マジ?」

「マジ」

なんだこのくだり。

ま、分かってくれたならいっか。

朝から疲れるな。

さらに廊下から足音が近づいてくる。

家には俺含め3人しかいないため足音で誰か分かる。

俺と3歳離れた妹のアンナだ。

「お姉ちゃんどうしたの」

そう言いながら俺の部屋に入り、壁にもたれかかった。

眠そうな目をこすりながらクマのぬいぐるみを抱いている。

アンナは一瞬俺の方を見たあと湿ったベッドを見た。

瞬時に理解した。

あっコイツ絶対変なこと言う、と。

「お姉ちゃん、お兄ちゃんが夜中に女の人と2人きりで女の人に水やりしてもらってた」

姉が説明する前に言葉は放たれた。遅かった。

もちろん虚言だ。だが、

「フンー!?」

姉が赤面しながら変な声を出している。

姉はまた声が高くなり

「や、山へ芝刈りに、行ってくる」

んもう!

「なんの水やりだよ!てか、なぜ急に水やりが!?あと、これただ変な夢で汗かいただけだから!」

姉はさらに頬が赤くなり、

「へ、変な夢!?」

まずいどんどんそっち系に流されていく。

「姉さん落ち着いて、

ち、違う。変な夢っていのは、えっと」

テンパって何も浮かばない

「あぁもう!アンナもなんとか言えよ、」

アンナはムスっとしてこちらを見つめている。

なるほど、この眼差しは要求の目だ。

「キャンディー二つでどうだ」

アンナは可愛いらしい無表情でクビを横にふり、

「お姉ちゃん、流石に冗談。」

ふぅ、一安心だ。

まったく、一体どこで覚えたんだ。

卑怯すぎないか。

ん?、アンナは可愛いらしい無表情で、首を横に!?いやいや、流石にないない。

「さっきのは冗談で、知らない女の人は2人いた。その人たちに水やりされてた」

んんー?あっれれぇ?おっかしーぞー?

「姉さん!?、違うから!てかなんで水やりなの!?マジで疑問なんだがなぜ水やり!?」

「......か、か、川へ洗濯に」

そう言い、2人が部屋から逃げだした。

「うぉい、アンナァ、待てぇい!」

アンナがキャッキャッ言いながら家中を飛び回る。アンナが一階へ逃げていった。

まずはコイツを懲らしめなければ。

そう考えた俺は早々と階段を駆け下り、

アンナの前でフェイントをかけた。

案の定アンナはバランスを崩して一瞬立ち止まった。

よし、かかった。そう思い手を伸ばした。

必死に逃げようとしているがもう無理なのだよ。

俺はガシっと体ごと捕まえた。

「フッフッフ俺から逃げられると思ったか」

アンナが悔しそうな顔をしている。

ふははは、まったく愉快!愉快!

「どんな刑にしようか。」

そうだ、こちょこちょにしよう。笑い泣くまでやめないぞ。あははは。

その時、俺は気づかなかった。

アンナがニヤリと笑ったことに。

「あんたら朝から何してんの」

はぁん!

突然かけられた声にびっくりした。

思わず声が漏れたかもしれない。

いつの間にか玄関が開いて朝日と共に1人の少女が立っていた。

その背後には執事と何人もの護衛が立っている。

「はぁん!?...じゃないわよ。朝からウチの可愛い可愛い妹に何をしてるの?」

なんか怖い。

「何...と言われましても...見ての通りだが?てか俺の妹なんだが」

こいつは、んん"。この綺麗な少女は俺たちが住む、

アンドレア王国を統べる王の次女である。

名前はノエル王女である。

身なりからも伝わる貴族感。

この服装だけで家が買えそうだ。

いや買えるわ。うん、普通に買える。

「王女様になんて無礼な態度!」

「なんてみすぼらしい服装!」

「こんな奴の父親が勇者なんて信じられん!」

護衛達が騒ぎ出した。

しかも護衛達の顔がしかめっ面してやがる。

あ、2人の時以外は敬語にしなきゃいけないんだった。だからか怒ってんのか護衛くんたち、忘れてた。

てへっ

「んん"」

王女様の咳払いで護衛達が静かになった。

さっすが王女様。

ノエルとは俺の父が勇者として王国に尽くしてきたこともあり、昔から縁があったのだ。あと同い年でもある。

「これは...追いかけっこ?かしら。」

うんうん。そうさ。微笑ましいだろ?

「いや、まって、違うわね...まさか、あんた私の妹にまで手を!?」

ん?だからなんで?それただの変態じゃないか。あと俺の妹な?

「ち、違います。王女様、アンナが...」

「王女様、お兄ちゃんは変態です。」

先に言われた。これは、まずい。

あとからする真逆の説明はかなり信憑性が落ちる。

「説明しなさい。アーロン」

いや待てよ、昔から仲が良い幼馴染でもある。

つまり信頼関係がなきにしもあらず。

良いぞあいつなら信じてくれる!

見えた!隙の糸!

「このアンナが俺についての嘘を言ったのであります。だから弁解させようとしただけです。僕は誓って変なことはしていません。」

さぁ俺を信じろ!ノエル!

「へぇ、どんな嘘ですか?気になりますね。」

まずい。

「え、えーと大変言いにくいのですが...」

ま、まてアンナ!早まるなぁ!

「お兄ちゃんが女の人と遊んでびっしょりです」

あ、オワッタ。 一応これ嘘だかんね!

「フンー!?」

王女様からもこんな声が出るんだ。

王女様、顔赤くなってますよ。

「マリィ姉さん!本当なんですか?」

近くから赤面させた姉さんが見ていた。

姉さん。もう、もうやめてくれ。

これ以上はノエルの必殺技をくらっちまう。

「わ、私は何も、知りましぇん」

弁解の余地無し。

この時悟った。俺はビンタされるのだと。

「こ、この、変態!」

朝から王女にビンタをくらう人間がどこにいるんだよ、ここです。ここにいます。

「私は先に学院へ行きます!」

代償はあったがやっと嵐が去る。そう思い一気に力が抜けた。安堵だ。

だが俺はバカだった。王女の前で安堵など、愚か者がすることだったのだ。

ノエルが安堵していたことに気づき、こちらへやってくる。そして耳元で囁く

「あとで詳しく説明してもらいます。

いい?絶対にだかんな?逃げんなよ?」

こ、怖い。王女恐ろしいよぉ。

次の嵐予報は魔法学院らしい。

折りたたみ傘いるかな。

お願いだから同じクラスメイトじゃありませんように。

「あ、フラグ立った。」

王女がこちらに向かってにっこりと笑い

「それではまた、"魔法学院"で」

と言い怒り混じりの笑顔で出ていった。

不意に時計が見えた。

はぁ、絶対遅刻だ。あと30分で登校しないといけないのに。

床に寝転がりながらイメージする。

通学に急いで走って20分はかかる。

現在汗びっしょりパジャマのビンタ済み頬。

お腹すいた。

うん、無理。遅刻。

流石に初日から遅刻する奴いないと思ってたが、まさか俺なんだ。

へー面白い。

よし、切り替えよう。

朝ご飯何かな。今はジャムパン食べたいや。

こうして俺は登校初日に魔法学院に遅刻するはめになったのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ