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プロローグ
「最後に言い残すことは?」
目の前の黒ずくめの男は言う。
俺は、迷わず答えた。
「俺は......俺は誓う!!」
「もし生まれ変わることができたなら、次は必ず人の生を謳歌すると!!」
「あらゆるものが俺の前に立ち塞がろうと、全てねじ伏せてみせる!!!!!」
「そしてお前を――」
バンッ!
一発、銃声の音が響いた。
黒ずくめの男は吐き捨てる。
「寝言は、寝て言え」
腹に空いた穴から血が流れ出る。
土砂降りの雨の音が徐々に遠くなる。
俺の意識は夜雨の闇に消えてゆく。
ああこれが、死か――
......い出せ。思い出せ。
お前の名は............。
第六天魔王――