出会い。
この度初投稿となる。新陽古月と申します
初心者が書いたものと思って読んでいただけると幸いです。
「……いや…えっとあの…何してんの?」
目の前の不可解な光、、それを作り出している人に困惑しながら声をかけた
『見て分からない?』
「分からないから言ってるんですけど?」
どこに見て分かる要素があると言うのだろうか
『はぁ、、死のうとしてんだよ~もう生きるの疲れちゃったしさぁ』
「えぇ、まぁ決めてるなら死んでもいいですけど、別の場所にしてくれませんか?」
『えぇ~~なんで?』
「ここ俺気に入ってるんですよ、綺麗でしょう?一面赤の彼岸花」
『だからここ選んだんだもん~いいだろ~死なせろよ~!』
見た感じ若いのになんで死のうとしてんのかねぇ、同い年っぽいから、大体20前半か
「てか、なんで死のうとしてるんですか?」
『なんで初対面のあんたにそんな事話さないといけないの~めんどくさいからNOー』
「死ぬ直前の人見たら知りたくなるに決まってるじゃないすか」
『え~まぁ、確かに気になるか~そうだな、、ビール買ってきてよそしたら教えてあげる』
「ビール…まぁいいですよ教えてくれるなら安いもんです」
近くのコンビニに行って高めのビールとつまみを何個か買って帰ってきた。
まぁまぁ痛い出費になったが…自殺しようとした理由が聞けるなら安いもんだろうと
寂しくなった財布を見つめてそう思おうと思った。
『おぉ、おつまみも勝ってきてくれたんだ~ありがとー』
「じゃあ飲んだら教えてくださいよ?」
『おっけおっけ~飲んだらね~』
嫌な予感がした、、、案の定酔いつぶれ寝ていた。
「…自殺しようとしてたこと忘れてんじゃねぇか?」
目の前の女性をそのまま放置することも出来ず俺は、家に連れて帰った。
【勿論!勿論手は出していない!】
ヨクジツ・・・・
『あれ?ここどこだ?』
「俺の家です。勿論手は出してませんので」
『ん~別に手だしてもどうせ死ぬ人間だったからよかったのに』
平然と笑うが、俺には痛々しく何処か暗さがある笑みに見えた
「……死ぬとしても女性なんですから、大事ですよそういうの」
『そう~?もう何もかもどうでもいいからなぁ…』
「んで、介抱までしたんですから、理由くらい教えて貰えますよね?」
『え~~~ん~~分かった。いいよ』
「じゃあその前に飲み物でも取ってきます」
心の準備ももう少しあった方がいいだろうから。自分の過去を話すのは辛いし
『んじゃあ話すね』
彼女は話し始めた、死ぬという選択をした原因となる過去を
私は普通の家庭に生まれて何不自由なく育ったんだ、大学まで通えて割と良いところに就職出来て
親も優しかったし、仕事仲間もいい人多かったんだけど、突然会社が倒産して無職になったんだ。
そしたら社員寮にも入れなくなって、再就職しようにも家が無いと採用なんてされないし。
仕方がないから実家に助けて貰おうと思って行ったら、いなくなっててさw
家に行ったんだけど数週間前に死んだって言われて……遺産なんかはもうどこにも無かったし。。
何で私に連絡が無かったかは分からないんだけど、、今はもうどうでもいいんだ。
どうせ死ぬし、このまま生きても希望が無いんだよ~w前に進んでも進んでもお先真っ暗w
『んまぁ、こんな感じ~お先真っ暗になって、家族、金、仕事、家無いから死ぬかってなった』
「それはまぁ、悲惨な過去ですね。全部失ったって事でしょうし」
『悲惨って言う割にはあんま表情に変化無いなんて酷いね~人の心が無いよ~』
「いや~すいません。これにも事情がありましてね」
変わりない顔を指さしながら言った。
『まぁ色々あるからね~生きてるとさぁ』
「気になったりはしないんですね」
『ん~気になるっちゃ気になるけど無理に聞こうとは思わないよ』
「聞こうとした俺が悪いみたいな事言ってるようにも聞こえるんですけど…」
『ははwバレた?w』
「クッソ…まぉ俺も無理に聞いたみたいなところあったんで悪いけど」
『そいや何歳なん?』
「23っす」
『え、年上じゃん、なんで私に敬語使っての?』
「死ぬ前の人には礼儀を持って接しようかと思いまして、、と言うのは嘘で癖ですよ
こういう喋り方だと思っててください、敬語外すことも出来ますがどうします?」
『え~じゃあ外してよ、年上の人に敬語使われんのなんか変で嫌だ』
「あぁ、じゃあこれでいい?」
『それで~』
「てか、なんで俺らさっき会ったばっかりなのにこんな普通に会話してんだ?」
『確かに~不思議だよねーw』
「あんたがずっと笑ってばっかだからかな?」
『笑ってないとやってらんないんだもん!いいだろぉ!』
「はいはい、それでさいつ死ぬ気なんだ?」
『今日の夜とか?丁度満月の日じゃん。死ぬにはいい日じゃない?』
「今日かぁ、、早いなぁもう少し生きてみない?」
『なんで?あんたには関係ないじゃん。口出ししないでよ』
「そうだなぁ、関係…ない訳あるかよ!おいおい!お前が死ぬとこ俺がよく行くところって言ったの忘れたか?死なれちゃ面倒なんだよ。だから別の死に場所探してくれよ、、、頼むから!」
『でも私お金ないからどこも行けないし、ここがいいんだよ~』
「じゃあ俺が連れてってやるから、日本中どこでも死に場所に満足するまで
だからあそこだけは辞めてくれよ、な?これならいい条件じゃないか?」
これ以上ない完璧な条件だと確信した。だというのに
『え~~あそこじゃないと嫌だーー!行かなくていいもん~』
クッソ面倒な奴だった、だけどあそこで死なれるのは困る非常に、だから
「じゃあ一生邪魔するぞお前が死ぬの」
『……えぇ…なんだよもぉ…分かったよぉ、、じゃあ連れてけよーー!』
「だからそう言ってるだろ?んじゃ今日から行くか?」
『早いってぇ、、もうちょっと休ませろぉォ…二日酔い抜けないんだからぁ』
「あぁはいはい、じゃあ酔い覚ましに蕎麦作るから待ってろ」
『え~蕎麦作れんの?』
「任せろ、そこで寝ながら待ってな」
『へ~優しいところもあんじゃん』
「なんだ?惚れたか?」
『なぁにバカ言ってんだよ~死ぬ私が惚れてどうすんだぁ~』
「それもそうだ、ははw」
それからは他愛もない会話を繰り返しながら蕎麦を食ってまた他愛もない会話を繰り返して
時間が過ぎて行った。気付いた時には外は暗くなっていて、月が今日は綺麗に輝いていた
「お~い見ろよ、月が見えるぞー」
『え~見る~』
横にちょこんっと座るこいつは月を目を輝かせてみている。さっきまで濁った眼をしていたが
今は綺麗になっていた。このままこいつが後悔なく死ねるならいいんだがなぁ…
そんな事を思いながら俺は月を見ていた。
『月が綺麗ですね』
「ん!?」
突然の告白とも思える言葉に俺は動揺を隠すことが出来なかった。だってしょうがないじゃん
俺恋愛経験も女性経験もほぼ0なんだから
『あははw今ドキッとしたろー!』
「…お前揶揶揄いやがったなぁ!」
『うへへへwざまーみろーw私の自殺を邪魔した報いだーw』
まるで昔から一緒にいた人かの様に過ごしていた。
揶揄い合い、笑い合い。どうしてだろうか。どうしてこんなにも居心地がいいんだろうか
不思議でならなかった、昨日会った相手とこんなに打ち解け合ったのは初めてだったから
だから思った、死んでほしくないと。生きていてほしいと思ってしまった。
自分勝手だとは分かっている。だが死んでほしくないのだ…理由は簡単だ。そう簡単なんだ
ただ、彼女に今はまだ名前すら聞けていない彼女に恋をしたから。
だから生きてもらう、生きたいと思ってもらう。その為に俺はこれから頑張ろう。
そう心に決めたのだった。
「いつかまた月が綺麗ですね、と言って笑い合えるように」
最後まで読んでいただきありがとうございました。
出来るのならば、評価していただけるとありがたいです。
また私の改善点などを言ってくださると嬉しいです。
それではまた次回でお会いしましょう。




