表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廻生のアリア  作者: jurabisu
第三章
93/107

第93話 8歳、フランデモラの大地にて 2

「...そんじゃ、改めて自己紹介といこうか」


リビアと名乗った女が、手綱を握りながら俺を横目で捉える。


「アタシはリビア。家名(※苗字)はアパラント。へローム地方で砂鮫団(シャルシャネラ)の船長をしている」

「砂鮫団?」

「あー...なんつーか、砂漠でやる海賊みたいなもんだ」

「へローム地方というのは?」

「知らねぇか?ダームアレン大陸でも有数の砂海が広がる地方だよ」


ダームアレン大陸...

フォルスティア大陸の西に位置する大陸だったな。

大陸の大部分が砂漠で、砂海と呼ばれる流砂で構成された地形がある...と、学校で聞いたことがある。


「えっと、その...お母様との関係を聞いても?」

「ん?そうだな...妹弟子って感じか?一緒に居た期間は短かったけど、結構仲良かったと思うぜ?」

「リーニャは嫌がってたけどね」

「そうだったか?」

「"酔うと執拗いから嫌い"って愚痴こぼしてたよ?」

「それは、ほら...嫌いは好きの裏返しだって言うだろ?」


この人達は、俺の知らないリーニャの事を知ってるんだな...

なら、もしかして俺の父親の事も...?


「ぁ...」

「ん?」「あ?」

「今、なんか言ったか?」

「い、いえ...何でもないです」


...今聞くべきことじゃなかったな。


「...じゃ、次は私」

「っ!?」


突如真横から聞こえた声に、リーゼルは驚く。

リーゼルが横を振り向くと、そこには、先程まで御者席にリビアと同席していたはずのセレネがいた。


...え?

今、前の席にいた...よな?


やっぱり、この人只者じゃない。


「私はセレーネス・レベレシオン。略名はセレネ。アルテの双子の姉で、昔は"呪いの魔女"って呼ばれてた」


"呪い"、ね...

アルテさんの姉なら、魔女だって言われても納得だけど...


...ふむ。

そんな力を持ってるようには見えないな。


「よろしくおね...」

「ねぇ」

「はい?」

「今、私の身体を見たでしょ?」

「え?まぁ、それはそうですけど...なにか問題が?」

「私、君よりずっと年上だから」

「...え?」


いや、たしかにアルテさんにそっくりで、小柄だから幼く見えるけど...姉と紹介された時点で、俺より下に見てるとかは無いんだけどなぁ...


俺がポカンとしていると、リビアが口を開いた。


「気にすんな新入り。ちょっと前からそんな感じなんだ」

「ん、私は気にしてほしい」

「はぁ...えっと、何かあったんですか?」

「...」


セレネがそう言うため、リーゼルは理由を聞いてみる。

だが、セレネは口を噤み何も話さない。


「あー、それについてはアタシから」


何も話さないセレネに困惑していると、リビアが代わりに口を開いた。


話はそこそこ長かったが...

まぁ簡潔に言うと、"再三子供扱いされて気が立っている"という事らしい。


なんでも、こっちに来る時に子供だからと船賃をまけてくれたそうだ。


得をしたなら、そこまで怒る必要は無いと思うのだが...

本人は納得してないらしい。


...というか、この人何歳なんだろう。

アルテさんの双子ってことは、この人も成人(この世界では16歳)は超えてるはず...


少なく見積っても23、4ってとこか?


いや、待てよ...

そういや昔、アルテさんが言ってたな。


「...私達"竜人(セドネラ)"は、人よりずっと長生きなの。そして、その生涯の殆どを若い姿で過ごす。だから、もし君が塵になったとしても、私は変わらず君を...」


...ん?

アルテさん、そんなこと言ってたっけ?


...ダメだな。

まだ記憶が混雑してる。


アルテさんの記憶を追体験?出来るのはいいけど、存在しない記憶を呼び起こすのは、あまり気分のいいものじゃない。


せめて自分で制御できたらいいのだが...


何故か、この記憶は意思を持っているかのように、俺の干渉を拒むのだ。


自分の身体なのに制御できないとは、なんとも奇妙な感じだ。


「ん?今のは...」

「うん。紛れもない、あの子の魔力」


なんだ?

2人で話してるみたいだけど...

視線を感じる。


「...どうかしましたか?」


スッ...


「!」


リーゼルが聞くと、御者席に顔を出していたセレネが振り向き、突然リーゼルの眼前まで距離を詰め、ジッと顔を見つめ始めた。


揺れる髪がふわりと匂う。

突然の出来事に、リーゼルは思わずドキッとした。


「ねぇ」

「は、はい」

「ホントにアルテは死んだの?」

「え?まぁ、恐らく...」

「質問を変える。さっきの話は、君が実際に体験したことだって言える?」

「それは...」


あの時、"記憶"については言及してなかったはず...

なのに勘づかれた?


だとしたら、何故聞いてきた...?

...何かを探ってる、のか?


「あ、急に聞いてゴメン。でも、とても大事なことだから」

「大事なこと、とは?」

「...君の"魔眼"について」


「...詳しく」

「その答えは、Yesと捉えていいの?」

「はい」

「分かった。じゃ、話を続ける」




...魔力と魔眼。

魔導黎明期とも言えるこの時代において、それに関する情報は宝石よりも価値がある。


ましてや、神々と対立する者にとっては...。


...そして、それはリーゼルにとっても同じだけの価値を持っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ