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廻生のアリア  作者: jurabisu
第二章
83/107

第83話 8歳、後始末 3

「クソッ!...こんなんじゃ、いつまで経っても収束しねぇ...一体どうすりゃ...」


...タッ


「...お困りのようですね」

「!...この声...リーゼルか!?」

「おはようございます。フィド」

「無事なのか?」

「ええ、まぁ」

「...よかった。俺たちだけじゃ分かることが少なくてよ...お前の助言が欲しかったところなんだ」


フィドが、俺の肩に手を置く。

そんなフィドの顔を見てみると、気が休まらない、という感じがよく伝わってきた。


「フィド」

「ん?なんだ?」

「少し、お茶でも飲みながら話しませんか?僕も今の状況を知りたいので」

「...分かった。こっちだ」


フィドが仕切りで囲われた部屋に入り、俺を招く。

そこは机や椅子などが置かれた簡素な部屋であり、中ではリリがお茶(ここでは紅茶の一種)を淹れていた。


「はぁ...。ん、お前も座れよ」


フィドは椅子に深く座り大きく一息つき、俺にも座るよう促した。


部屋にはエルゼも居たが、座るところが無かったからか、机に置かれた資料などを見始めた。


リリがお茶の入ったカップを机に置くと、フィドはそれを手に取り、一口で飲み干した。


「...それで、俺はどこから話せばいいんだ?」

「そうですね...。とりあえず、2日前、僕と一緒に倒れていた女性のことを知りたいですね」

「一緒に...?あぁ、そういえば居たな」

「その方は今はどこに?」

「いや、俺が駆けつけた時近くに男がいてよ。魔力に侵されながら女を運ぼうとしてたから、お前やエルゼを運ぶついでに病院に送ってやったんだ。それから見てねぇから、今の居場所は分かんねぇ」

「そうですか...」


少なくとも、この場所には居なさそうだな。

別に、あの魔女により事態の終息に繋がるわけではないが、俺を敵視する理由は是非知っておきたい。


あの"夢"のこととか、"教会"との関係性も聞いておきたいしな。


「...その女がどうかしたのか?」

「いえ、個人的な用事があったもので」

「そっか...なら、俺からも一ついいか?」

「ん、構いませんよ」

「これからの対策について...と、思ったんだが...」


フィドが話を中断し切り替えようとする。


多分、話の内容は...


「...なぁ、リーゼル」


フィドが真っ直ぐと俺の方...俺の後ろを指差す。



「そいつ、誰だ?」



そう言われチラっと後ろを見ると、背後に女性が立っていた。

その女性はムスッとした顔で、俺をジッと見つめる。


「2日ぶり、ですね。...メリアさん」

「...!?」


おっと、当たりか。


まさかとは思ったが...

この女性が、あの"夢"で出会った少女本人だったとはな...


益々あの"夢"のことが気になってきた。


"能力共鳴現象"と似た現象か?


「なぜ私の名を知っているの...?」

「成り行き、ですかね。...そんなことより貴女、こんな所になんの用ですか?」


メリアは一瞬怪訝な顔をしたが、すぐにリーゼルたちから目を逸らし、申し訳なさそうな顔をする。


「...従者に聞いたわ。この事態は私が引き起こしてしまったのでしょう?だから...」

「..."罪滅ぼし"ですか...」


メリアが小さく頷く。


「まさか、テメェがっ...!?」

「フィド!今は僕が話してます。静かにしててください」

「...っ」


フィドが自身の唇を噛む。


まぁ、そりゃそうか。

フィドはこんなんだが、理不尽や不条理を人一倍嫌っている。


今回は規模が規模だからな...

その元凶が目の前に居たら、気が立ってしまうのは当然だろう。


「...それで?貴女に何ができるんですか?」

「...分からない」

「分からない?よくそれでここに来ましたね...」


メリアが俯き、ばつが悪そうな顔をする。


「...まぁいいです。今はこっちも人手が足りませんから」

「おい!お前何勝手に...」

「人手が足りてないのは事実でしょう!?使えるものは使わないと、いつまで経っても状況は変わりませんよ!」

「っ...」


フィドが黙る。


「...と、まぁ貴女にもこれから手伝ってもらうわけですが...。その前に一つ、貴女に聞きたいことがあります」

「...なに?」

「...なぜ、僕を敵視したんですか?」

「っ...それは...」

「貴女ですよね?"あの路地裏"で僕を襲ってきたのは」


俺が聞くと、メリアは片手でもう片方の腕を触る。


「...貴方が"教会"の関係者だと勘違いしていて...ごめんなさい」

「勘違いって...僕が"地下"に入る所でも見たんですか?」

「そうよ」

「それで、僕の疑いは晴れましたか?」

「...ええ」


やっぱり、この人も"教会"関係か...


...じゃあ、俺がメリアさんと戦ってた時に投げ込まれたあのペンダントって、まさか...ラーミス教の関係者が?


まるで、あれが発端で魔女が暴走するのを知っているようだったが...


...もしかして、"魔法使い"がいるのか?


まぁなんにせよ、追ってみる必要がありそうだな...


「...分かりました。本当なら、もっと貴女のことを聞き出したいところですが...一旦後回しにします」


...パン!


俺は1回手を叩き、皆に切り替えるよう促す。



「...さて、今後の対策について話し合いましょうか?」



...それから2時間近くの協議の末、これからの対策が決定した。

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