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廻生のアリア  作者: jurabisu
第二章
75/107

第75話 8歳、演舞 2

シャッッ!!...


(ヒェッ...危っ)


身を反った俺の鼻を、鋭い刃が掠める。

女が足を止めた刹那の事だった。


ギラギラと光る刀身が俺の視界を横切る。


ッー...


(...返し、斜め)


シュッ!


女が振り切った短剣を順手に持ち替え、斜め方向に振り下ろす。


俺は身を捩り、刃を躱す。


ッー...


(...回転斬り、足払い)


シャッ!


女は振り切った力を利用し、足を狩る低姿勢の回転斬りを放つ。


俺は後方に跳びながら避け、女から距離をとる。


パチパチパチ...


観客席から拍手が聞こえる。


どうやら、皆これを演目だと勘違いしているようだ。


ドン!ドン!...


どこからか太鼓の音が聞こえてくる。


サーカスの音楽隊だろうか?


まぁなんにせよ、戦闘BGMみたいで雰囲気でるからナイスだ。

それに、音楽があった方が演技っぽく見えるしな。


「...もう逃げられないですよ?」

「私が逃げると?」

「当たり前でしょう?」

「...チッ」


ドン!ドドド...


太鼓のテンポが早くなる。


...シャアァァン!!


『!』


ダッッ!


シンバルのような大きな金属音が会場に響く。

それを合図に、俺と女は共に力強く地を踏んだ。


タッタッタッ...!


スッ...




...キィィィン!!




"闘技場"の舞台の中心で、2本の"茨"が交差する。


プォーン!パッパパパ...


それと同時にラッパのような音が聞こえ、それに合わせ他の楽器も鳴り始めた。


カン!


互いに剣を押し合い、数歩下がる。


(斬撃...3連)


シュッ、シュッ...


シャッッ!


(武器二本目...双刀の裏回転斬り)


スッ...


シュシャッ!!


「っ...」


薄皮一枚...

避けきれなかった。


コイツ、"本気"だ。


(返しから5連撃...足技込み)


シュッ...


ブォッ!


シュッ、シャッ!


バッッ!


女の蹴り上げた足が、俺の前髪を揺らす。


「...!?」


...なんだ?


さっきから"何か"がおかしい。


俺は未来視を発動しているはずなのに...


何故コイツの動きが、未来視で見た未来より速いんだ?


コイツの別の能力?

別の魔女による介入?


...いや、どっちも違う。


魔女の魔眼は原則一人一つだけだ。

"魔道基礎"やアルテさんによる情報だから確実だろう。


恐らく、別の魔女の線も無い。

もし居たら魔力の揺らぎが発生する。

今、目の前に魔女が居るとはいえ、揺らぎを感じれないことはまず無い。

俺はそういう訓練をしてきたからな。


...だとすれば、なんで未来視の調子が悪いんだ?


カッ...


「!?」


...あ、ヤバい。

足がもつれた...


ふと、俺は女を見る。


女は俺の隙を見逃すはずはなく、剣を鋭く構えていた。

視線の先を見るに、狙いは俺の右腹部。

"払い"ではなく"刺突"のようだ。


...ん?腹?


首じゃないのか?

しかも、刺突じゃ大したダメージににはならないはず。


その刺突に、このチャンスを使うまでの価値があるのか?


...そういえばコイツ、前も急所を狙って来なかったな。


もしかして、それとコイツの能力に何か関係が...?



(...いや、まずは避けるのが先だな)


ッー...


俺は未来を見て、攻撃が当たるまでの大まかな時間を予測しようとする。


ザザッ...


「っ...!?」


俺が未来視を使ったその時、女が一瞬、顔を顰めた。


(表情が変わった?)


俺が未来視を使った瞬間だった。


...多分、俺と女の間で"何か"が起きたんだ。


その"何か"がどういうものかは、まだ分からない。


...でも、今なら...



刺されても、大丈夫な気がする!



スッ...


俺はあえて何もせず、ただ攻撃を受け入れた。


...ズシャッ!


「くっ...」

「!?」


...痛い


俺の腹に刃が突き刺さる。


刺さる直前に少し下がったから、それほど深い傷にはなってないはずだ。


...タッ!


女が俺に刺さった剣を抜き、俺から大きく距離をとった。


その表情には動揺がみえる。



「...ふぅ」


...不発―――


やっぱり、俺の予想は正しかった。


これであとは...



コイツに勝つだけだ。

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