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廻生のアリア  作者: jurabisu
第二章
68/107

第68話 7歳、魔導学の始まり 3

『...』


ピヨピヨ...


「ん...んん...」


バシッ!

「いっ!?...」


フィドが頭を抑える。


「意識が乱れてますよ?」

「叩かなくてもいいだろ...?」

「叩かれたくなかったら、もっと集中してください」

「分かってるけどよ...」

「だったら、つべこべ言わずに集中」

「分かってるっての...」



...梅雨時の、よく晴れた昼下がり。

学校の隅の広場に、3人の男女が座り込み、瞑想をする。


俺は木刀を持ち、3人の様子を観察していた。



3人が魔力を使える体質になってから1ヶ月弱...

今の所、3人とも健康に異常は見られない。

特にリリは心配だったが、今は魔力も安定している。


これも特訓の成果だろう。


フィドは少々集中力が欠けているが、まぁ許容範囲内。

エルゼは短い間なら凄い集中力があるし、リリは総じて優秀。


初めはどうなる事かと思ったが、この調子なら大丈夫そうだ。


もうそろそろ次の段階に進んでもいいだろう。


...パン!


俺が手を叩く。


『!?』


すると、集中していたリリやエルゼが我に返る。


「はい、皆さん。注目してください」

「おう、急になんだ?びっくりしたじゃねぇか」

「すみません。皆さん、とても集中していたようだったので...」

「...それで、どうかしたの?」

「はい。もうそろそろ頃合いだと思ったので、次の段階に進もうかと...」

「次?」


...ブォァ


俺は指から火を出してみせる。


「次って...もしかして、"それ"か?」

「はい」


シュゥ...


(思ったより熱かった...)


「...で、それ、どうやるんだ?」

「ん...ん〜...」


どうやる?


...


どうやって教えるか考えてなかったな...


かと言って、明確な方法がある訳じゃないし...


強いて言えば、"強くイメージする"、か?


その現象や物質のハッキリとしたイメージが無ければ、"魔法"と呼ばれる現象は引き起こせない。


"魔法"とはそういうものだ。



...だが、コツはある。


それは、"色"だ。


現象や物質に伴う魔力の微妙な違いに"色"を視る。


まぁ、魔力に色を塗るのだ。


自分の中でそれぞれの現象や物質に伴う魔力に色を付け、イメージする際に鮮明にイメージできるようにする...

(例・火→赤)


...しかし、自然と視れるように身体に叩き込む必要があるため、時間がかかる。


「ん〜...。...はぁ、ダメだ」

「フィド...2人みたいに、もう少し粘ってみてはどうですか...?」

「無理だろ。だいたい、イメージってよ...曖昧すぎねぇか?」

「んー...まぁ、一理ありますね」


...と、まぁ、なかなか難しい。


想像力が乏しいフィドには、まず無理だろうな。


「...もっと、こう...簡単な方法はねぇのか?」

「...ない訳ではありません」

「おっ、マジか!?」

「...雷系統(トニト)飛雷(サルバ)


パチン...


...バチィィ...!


「!?」


俺は指を鳴らす。


すると、フィドの頬を電流が掠める。


「...と、これがその方法です」

「っ、危ねぇじゃねぇか!?」

「すみません。実際に見てもらった方がわかりやすいと思ったので...」


今のが、魔法より簡単に魔力を現象に変える方法...


"魔術"だ。


文字や言葉に魔力を宿し、術を発動させる。

まぁ、言霊みたいなものだ。


これは発動のための定型文があるため、強いイメージを必要としない。


だから、フィドみたいな想像力の乏しい奴にはピッタリだ。


「...じゃあ、それ教えてくれよ」

「...わかりました。ですが、準備があるので明日にしましょう」

「おう!」


...だが、一つ問題がある。




...翌日―――


...ドサッ


「...お、おい...なんだよ、コレ」


フィドが目の前に置かれた紙束を指さして言う。


「何って...教科書ですけど?」

「いや、まぁ分かるけどよ...」

「何か問題でも?」

「...いや、なんか分厚い気がしてよ...」


まぁ、そうだろう。


この"教科書"は、俺が"魔導基礎"を読んだ時に要点を整理して書き留めたものだからな。


元の本が分厚かったこと。

俺が要点の整理が下手なこと。

魔術編が元の本の約三分の一を占めていたこと、などなど...


色んな理由があり、教科書も厚くなっている。


普段学校で使っている教科書はこれの2分の1程度だから、驚くのも無理はない。



...さて、肝心の内容だが...


主に4つ。


・魔術文字

・神典文字

・基本詠唱・術式

・発展詠唱・術式


これら、それぞれの一覧と説明を書いている。


更に細かく言うと...


魔術文字は約100字。

神典文字は約10,000字。

基本詠唱は23種。

発展詠唱は約40種。


と、こんな感じだ。


ここまで言えば、俺がなぜ"問題がある"と言ったのかが分かるだろう。


...そう。

面倒臭いのだ。


覚えるのが多すぎて頭がパンクする。


俺も頑張ってみたが、基本詠唱数種類しかまだ扱えない。


アルテさんが苦手だと言ったのがよく分かる。


「...それで、どうしますか?」

「...」


俺が聞くと、フィドが少し考え込む。


...だが、思ったより早く返答はきた。


「あぁ、やるぜ」

「っ...本気ですか?」

「おうよ!だってお前、その、魔術?苦手なんだろ?」

「ん、はい。まぁ...」

「お前が出来ないことを俺が出来たら、お前と助け合えるだろ?だから...な?」

「...わかりました。ですが、僕はあまり手伝えませんよ?」

「分かってるよ」


...フィドは返事をすると早速、1ページ目をめくった。

☆魔力の属性

基本的な属性は以下の通り。


熱系統(ヘロメ)

水系統(ネロ)

風系統(ネモス)

雷系統(トニト)

土系統(ゼムル)

植物系統(ラグド)


〈熱〉火属性(アグニ)

〈水〉氷属性(ヒョール)

〈雷〉磁属性(アーロ)

〈土〉鉱属性(ドゥポン)


※()内の文字は読み。

リシェル神話にでる神や天使、精霊等の名を冠している。



魔術発動時は、


系統>(属性)>技名


この順番で詠唱する必要がある。


(例)

水系統=氷属性・(ユメル)



尚、上記の術式は簡略式であり、元式は魔術文字と神典文字を組み合わせた最低50文字の長文になっている。

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