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廻生のアリア  作者: jurabisu
第二章
67/107

第67話 7歳、魔導学の始まり 2

「そ、それで、私は何をすれば...」

「そうですね...とりあえず、初めは魔力を感じてもらいます」

「感じる...?」

「はい!では早速...」


サッ...


「ひゃっ...」


俺はリリの両手を握る。


「まず目を閉じて、大きく深く呼吸しながら意識を体の内側に向けてください」

「す、すぅ...ふぅ...」

「いい感じですよ、続けてください。...では、今から魔力を流します。もし途中で苦しくなったりしたら、僕の手を振り切ってください」

「は、はい...」


フゥゥ...


リリと一体化したイメージで、微弱な循環を...


...サァァ


「っ!?」


リリが一瞬ビクつく。


この感じだと、上手くいってるみたいだな...

このまま少しずつ流れを強くして、魔力の流れをハッキリ感じるようにしていく...


...サァァァ


「んっ...///」


リリの呼吸が少し乱れる。


それと同時に、握る手の力が少し強くなった気がした。


「お、おいリーゼル...大丈夫なのか?」

「少し、静かにしててください」

「おう...」


...あと、もう一段階か?


ザァァ...!


「ひゃあ!?なんかぁ、入ってぇ...んっ///」

「っ!?...」


サッ


ドサッ...


俺はリリの手を離す。


リリが地面に倒れ、息を荒らげる。


「リリ!?...おい!大丈夫か!?」


フィドがリリに駆け寄り、手を伸ばす。


「フィド!まだ、触れないでください!!」

「なんでだよ!?」

「今、リリさんの中で魔力が渦巻いてます。もし触れれば、魔力がフィドに流れて体が破裂しますよ?」

「くっ...お前は何とかできないのかよ?」

「...外部から、魔力の安定をはかってみます。フィドは離れてください!」

「お、おう」


俺は、横たわるリリに触れる。


(っ!?...思ったより凄いな...)


身体が熱いし震えてる...


しかも、この魔力量...


異常だ。


(...ん?)


まさか...


コォォォォ...!


(チッ...抑えきれねぇか...)


「お、おいリーゼル!本当に大丈夫なのか!?」

「くっ...大丈夫に見えますか!?」

「ん...えっ!?おい、マジかよ!」


フィドが慌てふためく。


「ハァ、ハァ...ん...///はぅぅッ!?」


リリの息が更に荒くなる。

その呼吸が荒くなる度に、放出される魔力は濃く、多くなってゆく。


ッー...


「!?」


...マズイ、来るっ!...


ヒュッ...!


ダン!!


「うぐっ!?」

「リーゼル!!」


その時、突然俺の身体は飛ばされ、運動場の壁に叩きつけられる。

...と同時に、謎の力によって壁に固定されてしまった。


(動けない...)


やっぱ、魔女だったか...


おそらく、"これ"はリリの能力...


効果は...多分"固定"とか"束縛"かな?

シンプルかつ面倒な能力だ。


「お、おい、突然何が起きたんだよ...?リリは苦しそうだし、お前は飛んでいくし...」

「リリさんはイレギュラーだったみたいです...僕の見立てが甘かった...」

「そ、それは分かったけどよ...どうすんだよ?」


どうする?だって?

分からねぇよ。


こんなことになるなんて想定してなかった。


...どうやって抑える?

どうやって...


...


抑える?...


...そうか!出力量を制限できればいいのか!

それならいいものがあった。


「...フィド!」

「なんだ?」

「僕に触れてください!」

「触れる?なんで...」

「早く!」

「おう...」


フィドが俺の胸の中心に触る。


(これなら...)


「...よし」

「もういいのか?」

「はい。ではフィド...」

「なんだ?」


「リリにキスしてください」


「おう...って、え?」

「え?じゃないです。早くキスしてください」

「な、何言ってんだよ!?」

「恥ずかしがってる場合ですか?早くしないと、間に合わなくなりますよ?」

「うぐっ...わかったよ...」


フィドがリリに近づく。


だが、フィドは一向にキスをしない。

よく見ると、フィドは喉を鳴らし緊張しているようだった。


(...早くしてくれ...)


少しずつ喉を絞められている感覚。


俺の意識は飛ぶ寸前だった。



ゴクッ...


「...ふぅ...」


(やるしかねぇのか...)


「...すまん、リリ!」

「っ!?」


フィドがリリの唇にキスする。


一瞬リリの身体が跳ねるが、すぐ力が抜け、気を失った。


サッ...


「はっ...」


(拘束が解けた...?)


それに、魔力が薄くなってる...

フィドがやってくれたのか。


「フィド、助かりました...」

「...」

「...フィド?」

「...」


まだキスしてる...?


サッ


「ぶっ!?」


肩を触ってみると、フィドが吹き出しながら驚く。


「ゴホッ、ゴホッ...な、なにすんだよ...!?」

「ふふっ...唇に、したんですね...」

「悪いかよ...」

「いえ...ただ、どこでもよかったんだけどな、と思っただけです」

「...///」


フィドが頬を赤らめる。


「まぁなんにせよ、助かりました」


俺はフィドに手を差し出す。


「...おう!」


フィドが俺の手を握る。



タッタッ...


「...あれっ?リーゼル...何かあったの?」

「あ、お嬢様。起きたんですか?」

「起きたっていうか、トイ...お花を摘みに...」

「そうですか。まぁ、なんでもないですよ」

「ふ〜ん...あっ!リリ!?」


タッタッ...


エルゼがリリに駆け寄る。


(...あれ?そういえば...)


さっきフィドと握手したとき、魔力の流れを感じたような...


サァァ...


(...!?)


「お嬢様!お待ちください!!」

「...えっ?」


...サッ



「!?」

ドクッ...!!



「...あ」




...この日、午後の授業は休むことにした。

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