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廻生のアリア  作者: jurabisu
第二章
66/107

第66話 7歳、魔導学の始まり

コンコン...


「...どうぞ」


ガチャッ


「...こんばんは、リーゼル君。調子はどうかな?」

「あ、ウェイン様。...そうですね...あらかた終わりました」

「進捗を聞いても?」

「はい」


俺は机に広げていた紙から、数枚をウェインさんに渡す。


渡したのは、前、セレネと名乗った女性から渡された"魔導基礎"と書かれた本の内容をまとめたもの。

その第一章「魔力知覚と魔力伝導」という所である。


内容としては、魔力を知覚する方法と魔力の体外内における意識伝導について。


まぁ簡単に言えば、魔力の流れを感じる方法と意識的に流れを制御する方法だ。


「...これは凄いな...これをすれば、本当に魔法が使えるようになるのかい?」

「おそらく。...ですが、まだ実例が少ないのでなんとも言えません...」

「ふむ...つまり、実験ができればいいのかい?」

「はい。それも、人体実験が好ましいです...」

「人体実験か...厳しいな...」

「ですよね...」


『...』


「...私じゃ、ダメかな?」

「っ、ダメです!リスクが未知数過ぎます...」

「...そうだよね...」


ん〜...


どうしたものかなぁ...


一瞬"奴隷"という言葉が頭をよぎったけど、この国は奴隷の売買が禁止されている。

それに、俺はそこまで下衆じゃない。


「...まぁ、何とかしてみせます」

「あ、あぁ...そうだ。私に出来ることがあったら遠慮なく言ってくれ。出来る限り支援するよ」

「ありがとうございます!」

「じゃあ、私は部屋に戻るよ。あまり無理はしないようにね」

「はい」


ガチャッ


「...はぁ...」


どこかに丁度いい人材、いないかなぁ...





...附属高校・旧第2運動場―――


カン!カン!...


少し湿気った静かな昼下がり。

生徒が2人、互いに木剣を交える。


「...それで?俺に手伝えってか?」

「そうですが...返事は?」

「無理だ。第一、そんな重要そうなことを俺に教えてもいいのか?」

「貴方だから頼んでいるんですよ。それに、貴方からは素質を感じるんです」


カーン...!


「...へぇ。じゃあ聞くが、その"魔法"ってのはどんな使い道があるんだ?」


カッ...


...ザッ


俺は少し後ろに下がると、構えを緩めた。


「そうですね...例えば...」

「...っ、もらった!!」


ダッ!


...ザザッ...


「うぉ!?」


大きく踏み込んだフィドの足に"蔓"が絡まる。


「ふっ、甘いですね」


ガン!...


「いっ!?...」


俺は、転倒したフィドの頭を木剣で叩く。


「いってぇ...追い打ちはねぇだろぉ?」

「ハハッ、ついつい...」

「ッたく...それで、今のが?」

「はい。まぁ、あれだけではありませんが...」


俺はフィドに手を差し伸べる。


「なるほど...すげぇな、魔法って」

「でしょう?」


フィドが俺の手を取る。


「どうですか?使えて損はないと思いますけど」

「ん〜...でもなぁ...俺も一応、貴族だからよぉ...」

「そうですか...」

「...あ、そうだ!...リリ!」


フィドが突然、リリを呼ぶ。

すると、近くの木陰でエルゼの枕になっていたリリが駆け寄ってくる。


「ご主人様...お呼びですか...?」

「コイツが手伝いが欲しいって言っててよ...俺は出来ねぇから、お前がやってくれねぇか?」

「...わ、分かりました...」


リリが俺の方に向き直す。


「...あのっ...私は、何をお手伝いすればよろしいのでしょうか...?」


「...ちょっと」


ザッ...


「な、なんだよ...」


俺はフィドを引き離し、声を抑えて話しかける。


リリは少し困惑していた。


「フィド!何を考えてるんですか?」

「何って...お前の手助けを...」

「何が起きるか分からないんですよ?そんなことに自身の想い人を出すなんて...」

「想い人って...///。まぁ、なんだ。俺はお前を信頼してるからよ...だから、な?」

「な?ってなんですか?」

「いや、だからよぉ...お前の力になりたいんだよ。友ってそういうもんだろ?」


(マジか...想い人と友を天秤にかけて、友の方が重かったのか...)


まぁ、本人がそこまで言うんだ。


好意は無駄にしちゃいけないよな。


「...まぁ、分かりました。ありがたくお借りします。...リリさんも、よろしいですか?」

「はい...大丈夫、です...」




入学より早1ヶ月...

俺は"友達"と、楽しく学園生活を過ごしていた。

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