表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廻生のアリア  作者: jurabisu
第二章
58/107

第58話 7歳、異変 7

タッタッタッ...


「ねぇ...」

「はい...?」

「この臭いは、何なの?」


更に地下への階段を下っている途中、エルゼが俺に問いかけた。


「なんだと思います?」

「...さっさと教えなさいよ」


まったく...

この"異臭"の正体も分からないのに、よく着いてこよう思ったな...


サッ...


リーゼルは足元の"何か"を取り、後ろのエルゼに投げ渡す。


「...あっ...」

「それですよ」

「これ...ネズミ...?」


エルゼは投げ渡されたネズミの死骸を見つめる。


その死骸は新しいものではなく、少し古く腐敗が進んでいた。


「まぁ、ネズミだけではないようですが...」

「?」


...タッ


俺たちは最下層に到着する。


そこは左右に廊下が伸びており、燭台の火の淡い光が廊下を照らしていた。


「着きました...」


俺たちは曲がり角から廊下を覗く。


『!?...』


その廊下を見て、二人はしばらく絶句した。


「なによ...これ...」


まったく同感だ。

趣味が悪いったらありゃしない。


この教会の奴らはとんだゲス野郎だな...


「...」


リーゼルは廊下の壁をじっと見つめる。

だが、それはただの壁ではなかった。


磔にされた大量の"死体"が並んだ壁...


死体は様々な状態で磔にされており、


身体の一部が欠損しているもの。

腐っているもの。

ミイラ化しているもの。

など、様々だった。


(...臭い...)


とんでもない異臭だ。

他の何にも形容し難い悪臭...


吐くまではいかなかったが、さすがに気分が悪くなる。


俺でもこれだからなぁ...

エルゼは...


ガサッ...


エルゼがリーゼルの袖を掴む。


「エルゼさ...ん?」

「う"っ...オ"ェ"ェ"ェ"...」

「...」


エルゼがリーゼルの袖を掴んだまま嘔吐する。

吐く位置が高かったせいか、吐瀉物がリーゼルの足や靴に飛び散っていた。


「ゥ"ッ...」


(やべっ、貰いゲロしそうになった...)


リーゼルは出かけた吐瀉物を寸前で飲み込む。


「はぁ...はぁ...」

「大丈夫、ですか...?」


俺はエルゼに問うが、エルゼには答える気力はないようだった。


だが代わりに、エルゼは俺の腕を強く掴んでいた。


「...引き返しましょう。僕の用事は済んだので」


...ちなみに、俺がわざわざここまで来た目的は、最初の探知に反応があった残り二つの反応を調べることだ。


まだしっかり確認できてないが、今じゃないといけない訳ではない。


反応の片方が消えていて、もう片方がこの廊下の奥にあるのは気になるが...


まずは、エルゼの体調を気遣うべきだろう。


サッ...


ガサッ


リーゼルはエルゼを支えながら立ち去ろうとする。

だが、エルゼはその場から動かず、リーゼルの袖を引っ張る。


「...どうかしましたか?」

「ティナが...ティナが呼んでるの...」

「?」

「行かなきゃ...」


ザッ


「あっ...」


バタッ...


エルゼは俺から離れ廊下の先へ行こうとしたする。

だが、フラフラとした足取りのせいで躓き、転倒してしまった。


「っ!?エルゼさん!」


俺はエルゼに駆け寄り、エルゼの身体を起こす。


「はぁ、はぁ...」


(っ...身体が熱い...)


なんだ?

エルゼの身体が異常なほど熱い...


まさか、熱を出したのか?


呼吸も荒いし、だいぶ重症みたいだな...


「ティナ...」


そんな重症でありながらも、エルゼは廊下の先へ行こうとする。


「今は自分のことを一番に考えてください!」


ガサッ


タッタッタッ...!


俺はエルゼを背負い、階段を駆け上がる。


「...ティナ...」


その時にも、エルゼは"ティナ"の名を呼んでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ