第47話 7歳、新生活 2
「...zzZ」
ガサ、ガサ...
「リーゼル...リーゼル...!」
「...ん、んん...」
「...起きて」
「ん、お母様...?」
(もう、朝か...?)
サッ...
「ん〜...はぁ...」
リーゼルはゆっくりと身体を起こし、大きく背伸びをする。
「...お母様、どうかしましたか?」
「ふふっ...」
「?」
「...着いたわよ」
「!!」
その言葉を聞き、俺は馬車の外を覗く。
「っ...ここが...」
"タブラ"...!!
ガヤガヤ...
外を見ると、沢山の馬車とそれらを乗り降りする人々が見える。
...どうやら、ここは馬車の停留所のようだ。
見た感じ、レドラムの時ほどではないが、人や物の行き来が盛んのようだ。
さすが、中枢都市に指定されるほどはある。
「...ほら、降りるわよ?」
「あ、はい!」
...タッ
...こうして、俺は新しい生活への第一歩を踏み出したのだった...
タッタッ...タッ
「...あの、お母様...」
「ん?」
「また、馬車ですか...?」
「そうよ?」
踏み出したと思ったのだが...
何故か俺の目の前には、豪華に装飾された別の馬車が停まっている。
「長旅で、できればもう乗りたくないんです...乗らなきゃダメ、ですか?」
※村出発から1ヶ月ほど経過。
「ええ。せっかくのフラファイア侯爵のご厚意を無下にすることなんてできないもの」
「そうですか...」
新しい家に向かうついでに、街の散策とかしたかったんだけどな...
「...分かりました」
俺は渋々、馬車へ乗り込む。
ガタガタ...
その馬車は、見た目に違わず良い乗り心地だった。
少なくとも、馬車の荷台に乗るよりはマシだろう。
でもやっぱり、歩きの方がよかったなぁ...
1ヶ月大した運動もできなかったせいか、身体がなまっている。
街の散策も兼ねて歩けば一石二鳥だったのに...
「はぁ...」
「...リーゼル」
「ん、なんですか?」
「ほら、あれ見て」
「ん?」
そう言われ、俺は馬車の窓から外を見る。
「あっ...」
(...でけぇ...)
それを見て思わず驚いた。
俺の視界に入ったのは、巨大な城のような建造物。
...そう
"国立図書館"だ。
(デカイとは聞いたけど...)
まさか、ここまでとは...
前世でも都会に行けばデカイ建造物は見れたけど...
この世界にも、こんな巨大建造物があるんだな...
一体、どれだけの本が納められているんだろう...
「...あ、リーゼル。着いたわよ」
俺が図書館に驚いていると、いつの間にか目的地についていた。
「は、はい...」
図書館を見た衝撃を引き摺りながら、俺はリーニャと馬車を降りた。
「...あの、お母様...」
「ん?」
「ここが新しい我が家ですか...?」
「んー...まぁ、そうね。そうなるわ」
「でも、ここ...」
(庶民の家って感じがしない...)
今、俺の目の前には...
広い庭がある大きな屋敷があった。
本当にここが貰えるならいいんだが、明らかにそう言う感じじゃない。
でもリーニャはさっきの質問に、曖昧だけど"YES"と答えた。
ん〜...
なんだろう。
嫌な予感?がする。
面倒なことをさせられる。
そんな気がする。
「...リーゼル?」
「あ、はい...」
一応、何があってもいいように心の準備をしておこう。
30分後...
「...えっと...」
「ん?どうかしたかな?」
「すみません、もう一度お聞きしても?」
「...君に、私の娘の付き人として、一緒に学校へ行って欲しいんだ」
まぁ...うん。
...そういうことだった。




