第39話 7歳、魔女との邂逅 6
「スゥゥゥ...」
サアァァァ...
ピヨピヨ...
「...フゥ....」
...ペラッ
夏の太陽が照りつける日も過ぎ、少しずつ秋の訪れを感じられるとある昼過ぎの森。
優しい木漏れ日に照らされ、一人の少年が瞑想をしていた。
...ペラッ
そんな少年の近くの木陰には、もう一つ人影があった。
「...」
...ペラッ
無言で本のページを捲り、人形のように座り込む、可愛らしい"少女"。
ふたりがいるその空間は、まるで静止画のように止まって見えた。
「...だいぶ慣れてきたね」
「スゥゥゥ...」
少女が本を読みながら、少年に話しかける。
だが、少年はまるで聞こえていないかのように深く息を吸う。
「...ふっ」
「!?」
ダッ!
少女が何気なくふっと息を吐くと、少年は座禅を解き、瞬時にその場から離れた。
...ズオォォォ!!!
その次の瞬間、突如として地面から突き出た"根"によって静寂は崩れる。
「...危ないじゃないですか...」
「君が無視するのが悪い」
「はぁ...貴女は子供ですか?」
「そう見えるでしょ?」
「まぁ、見えますけど...」
「なら大丈夫だね」
「なにが大丈夫なんですか...」
「...それに、私は君の先生なんだよ?これも一応"授業"なんだから文句言わないでほしい」
("一応"なのか...)
「はぁ...。あまり邪魔しないでくださいよ?」
「...ふふっ」
「返事になってませんよ...」
サッ...
リーゼルは再度瞑想を始める。
...俺が先生...アルテさんと出会ってから1年ちょっと。
7歳になった俺は、毎日師匠にしごかれながら、時々アルテさんから魔力の扱い方を教わっている。
今は、体外に存在する魔力の流れを感じる修行中だ。
だが、これがなかなか難しい。
体内の魔力の流れはもう感じることができるのだがな...(1年くらい前に"結晶"を触れた時、魔力の流れを感じたのが影響している)
魔力を消費するためなら、体内に存在する魔力の流れが分かればいいのでは?と思うだろう。
俺もアルテさんに聞いたことがある。
そしたら、こんなことを言われた。
「...何言ってるの?自分の魔力の流し先のことも知らなきゃ、いざって時に危ないでしょ?」
と、まぁこんな感じだった気がする。
流し先を知る、か...
"魔力"
それはアルテさんでも、詳しいことがほとんど分からない。
そんな分からないものを扱うのだから、少しでも多くのことを知らないといけないのだろう。
...でも、"流し先を知る"ってどうすれば...
(ん〜...。...あ!)
いいことを思いついた!
「...スゥゥゥ」
分からないなら...
「...ん、リーゼル?」
なりきればいい...!!
(俺は、魔力...)
「っ!?まさか...リーゼル!」
「...」
アルテは周囲を必死に見回すが、なぜかリーゼルは見当たらない。
「...息をして!!!」
「!?...ゴホッ、ゴホッ!」
「大丈夫...?」
「ハァ...ハァ...」
(なんだ?...息が...)
それに身体が...暑くて寒い...
「えっと、こういうと...き...」
アルテさん...?
あ、ヤバい...意識が...
クソッ...またかよ...
この世界に生まれてから多いな...
嗚呼...
次は、いつ起きれるかな...?
「...アルテ」
「...お姉様」
"眠った"リーゼルを膝枕するアルテのもとに、"お姉様"と呼ばれたアルテと瓜二つの少女が立つ。
"お姉様"はリーゼルの顔を見る。
「...自然との一体化...」
「まさか、たった1年でここまで至るとは思わなかった」
アルテは悄然とする。
「貴女は悪くない。私も誤算だった。...続けられる?」
「それは大丈夫。私今、とっても楽しいの」
「よかった。私..."資格"がない、から...」
「お姉様...」
「ん、あ...じゃ、私行くね」
サッ...
そう言って"お姉様"が後ろ向きに跳ぶと、その姿が消える。
「...君は飽きないね」
そう呟きながら、アルテはリーゼルを優しく撫でた。
とりあえず、40話まで書いたらストックに入ります。
この作品を読んでくれている数少ない人達には申し訳ないですが、忘れないでもらえると嬉しいです!
※ストックし終わって再開する時には活動報告で連絡します。




