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廻生のアリア  作者: jurabisu
第一章
31/107

第31話 6歳、日常 4

ガチャッ


「ん〜...今日も疲れたぁ〜...」

「お疲れ様です、お母様」


リーニャは家に入ると、大きく背伸びをする。


「...今日は暑いですね」

「そうね...昨日より日が照ってるからかしら?」


俺は着ている服をパタパタして体を冷ます。

気休めにしかならないが、しないよりはマシだろう。


クーラーどころか扇風機も無いこの世界じゃ、暑さを凌ぐ手段が乏しい。

冷蔵庫は無いし、夏場は氷も高価だから食料品も長持ちさせる手段がほとんどない。


普段から不便なこの世界は、夏場になるとその不便さが際立つのだ。


(...さて、今日は何をしようか...?)


いつもなら筋トレをするところだが...

こんな暑さの中、体を動かしすぎるのは危険だからな。

今日はやめておこう。


それなら、何かいい暇潰しがしたいな...

なんかあったっけ?


「ん〜...」


...コンコン


俺がそんな事を考えていると、家の玄関ドアが叩かれる。


誰かな?

この時間だと...占いに間に合わなかった人かな?


「お母様、お客さんです」

「あっ、ごめん、出てくれる?今、手が離せないから...」


台所で昼食を作り始めていたリーニャがそう返す。


俺は座っていた椅子から降り、叩かれたドアへと近づく。


ガチャッ


「お待たせしまし...た?」


(ん?...誰も、いない...?)


俺はたしかに音を聞いた。

だが、ドアの向こう側にあるのは道と畑だけ。

その景色を遮るものは何も無かった。


「...んん?」


俺はドアから身を乗り出し、左右を確認する。


だが、やはり誰もいない。

あの音は幻聴だったのか?


(...ん?これは...)


ふと、足元を目をやると、ドアの脇に何やら紙で包まれた荷物があった。

大きさは学校の教科書より少し大きいくらいて、とても分厚い。

包み紙はそれなりに上質なものに見える。


(一体誰が...?)


とりあえず、それを持ってみる。


...重い。

ずっしりと何かが詰まっている感じだ。


タッタッ


「...すみません、遅くなりました〜」

「あ、お母様」

「...って、あれ?お客さんは?」

「居ませんでした。でも、代わりにこれが」


俺はリーニャに荷物を見せる。


「...何、これ?」

「さあ?」

「ん〜...とりあえず、中見て見よっか?」

「はい!」


サッ、サッ...


リーニャは俺から"それ"を受け取ると、包装紙を丁寧に外していく。


サッ、サッ...サッ


「これは...」

「...本?」

「そう、みたいね...」


何重にも包まれた荷物は一冊の本だった。

厚さ的に数百ページはゆうに超えている。

絵本や小説というより、事典といった感じだろう。


表紙にはフォールネ語で"シエルレコーディア"と書かれている。

意味は多分、"神書"。

つまり、これは神様に関することが書かれていると言うことだ。


...だが、何故そんなものが?

まさか、暇潰しがしたいという俺の願いに応えてくれた訳ではあるまいし...


(...)


「...お母様」

「ん?なに?」

「これ、読んでもいいですか?」

「えっ、ん〜...まぁ、いいわよ」

「ありがとうございます♪」


俺はリーニャから本を受け取り、近くの椅子に座る。


(本か...)


最後に読んだのはいつだったかな?

この世界に生まれてから、読む機会が無かったからな...

大体、6年くらいか。


昔はよくラノベとか読んでたけど...まさか、自分が異世界の住人になるとはな...

人生、何が起こるか分からない。

まぁ1回死んでるけど。


...さて、この本がいい暇潰しになるといいけど...


サッ


そして俺は最初の1ページを開いた。

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