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廻生のアリア  作者: jurabisu
第一章
18/107

第18話 4歳、王都レドラム 8

ガラガラガラ...

ペッ


「リーゼル、大丈夫...?」

「多分...大丈夫、です...」

「なら、いいんだけど...」


レドラムのとある路地裏...

俺は口の中を水で洗い流す。


横に立つリーニャがとても心配しているのが分かる。

そりゃあ、自分の子供が続けて体調不良になったら心配くらいするよな...

ほんと、リーニャには申し訳ない。


「...リーゼル、今日は休んだら?」

「?...どうしてですか?」

(まぁ、こう言われるのは当然か...)


「どうしてって...さっきから貴方の体調が良くないみたいだから...」

「ですが...せっかくのお祭りですよ?休んだら勿体ないです」

「そうだけど...休まずに体調が悪化したら嫌でしょ?それに、お祭りは今日で終わりじゃないんだから...ね?」


まぁ、その通りだな。

本当は、今日でこの街のこと、出来れば世界のことを調べたかったが...

星夜祭はまだ2日もある。

一日ぐらい休んだって問題ない。


「...わかりました。宿に戻ります...」

「そう...わかってくれて良かったわ。一人で宿まで戻れる?」

「はい、大丈夫です!」

「...私は明日の朝まで帰れないから、ちゃんとご飯食べとくのよ?」


俺は頷き、大通りへ向かう。


「あっ、何かあったら宿の人たちに言うのよ〜」

「はい、わかりました!」


...まぁ、普通に帰るわけないがな!


タッタッタッ...


俺は大通りを宿とは反対の方向へと進む。


やっぱり、好奇心には逆らえない。




タッタッ...タッ


「お〜...これは...」


あの大通りから歩くこと数十分。

俺は、宿場大通りとは違う雰囲気の通りに出る。


通りの端には立派な街灯が等間隔に設置され、左右には宿と同等かそれ以上の大きさの家が建っている。

人通りは少なく、通る人々は皆高そうな服を着ている。


どうやら、金持ちエリアに来てしまったようだ。

こんな場所に俺みたいな庶民がいたら場違いだろう。


さすがに進む訳にはいかないな...


俺は振り返り、来た道を引き返す。




それから数分後...


「おっ、ここは...」


また違う通りに出た。

今度は、さっきの金持ちエリアとは違って随分活気がある。

雰囲気は今日の宿場通りに似ているが、人ではなく馬車が多く行き交っている。


通りに並ぶのは倉庫や事務所などが多いようだ。

城門から近いから、おそらくここは商業関係の通りだろう。


(ここなら歩いていても浮かないな)


俺は通りを進む。



タッタッタッ...


...それにしても、王都なだけあって並ぶ品も様々だ。


肉や魚、野菜などの食料品。

食器や道具などの生活用品。

テーブルや照明、ベッドなどの家具。

酒や煙草などの嗜好品。


更には、家畜や素材そのものまで、幅広い物が並んでいる。


俺はその中でも特に食料品が気になった。


競りにかけられている肉や魚は、どれも俺が見たことの無いようなものばかり。


牛の倍の大きさはありそうな肉の塊や、太くて長い蛇のような肉。

頭だけなのに俺の身長を越すような巨大魚や、でかくて空気の抜けたボールのような魚。


その場所は、未知で溢れていた。



...トントン


「!?...」


少しの間俺が通りを歩いていると、突然肩を叩かれる。


驚いて振り返ると、手ぬぐいを頭で結んだ怖い顔のおじさんが立っていた。

おじさんは俺に目線を合わせるようにしゃがむと、俺に質問をする。


「お前、名前は?」

「リーゼルです。下(上)の名前はセーレンベルって言います」

「どこから来たんだ?」

「あっちの方です」


俺は来た方向を指差す。


「歳は?」

「4つです」

「...4つ?」

「はい」


おじさんは少し驚いた表情をする。


「...親は?」

「今頃は仕事をしているはずです」

「この辺りで、か?」


俺は首を横に振る。


「ん?じゃあお前、迷子なのか?」

「ん〜...まぁ、遠くは無いですね」

「家の場所は分かるのか?」

「宿ですけど、場所は覚えています」

「ここに来た目的は?」

「観光...ですかね」

「そうか...迷子じゃねぇならいいんだ」


おじさんは立ち上がる。


「僕からも質問いいですか?」

「ん?まぁ構わないが」

「じゃあ、まずは...」


俺はおじさんに色々訊いてみる。



~おじさんのプロフィール~

名前:マーヴル

年齢:48歳

仕事:鍛冶師

家族構成:妻、息子、娘

趣味:道具作り



以上がおじさん...もとい、マーヴルさんのプロフィールである。

まだ1時間も話してないと思うが、だいぶ親しくなったと思う。


まぁ、そんなことは置いといて...


まず、マーヴルさんが俺に話しかけた理由だが、当然ながら俺を迷子だと思ったそうだ。

まぁ小さい子供が一人で歩いていたら、そうだろうな。

あと、人攫いも少なくないから先に話しかけてくれたらしい。


マーヴルさんは、見た目は少し怖いけど優しいおじさんだった。


「...おっと、俺はもう行かないとなぁ」

「あっ、忠告してくれてありがとうございました!」

「礼には及ばないよ。あとお前にコレをやる」


去り際にマーヴルが俺に何かを手渡す。


「これは...?」

「自衛用のナイフだ。もし危なくなったら使うといい」

「ありがとうございます♪」

「じゃあな」


マーヴルはその場から立ち去る。



いやぁ〜...マーヴルさん、良い人だったなぁ〜


「せっかく来たなら楽しみな」


...ってお金を渡してくれたのに、自衛用のナイフまでくれるなんて...


でも、人攫いか...

前世ではあまり馴染みがなかったが、この世界では割と一般的なのかな?

そういえば、人が集まるところに小さい子供をあまり見なかったな...


(...)


何か悪いことが起こらなきゃいいけど...

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