58.キャロラインの妬み
キャロライン視点になります。
「何よ、あれ!」
何でアイツが私より幸せになっているのよ!!
お父様にお願いをして、ようやくアイツを追い出せて清々したと思ったのに、令嬢達に酷く馬鹿にされて頭に来た。だから閃いた計画を実行したの。
え、どんな計画かって? それはね、アイツの悪い噂を流すことよ!
評判が落ちれば、シリウス様もアイツの本性に気づいて別れるでしょう?
もちろん、私が言ったってバレないようにコッソリとね。
私はアイツから酷い仕打ちを受けた可哀そうな妹にならなくちゃいけないのだもの、うふふ。
少し時間はかかったけど、いい感じに尾ひれがついてアイツは悪女と言われるようなった。
それなのに! シリウス様とアイツが別れる気配は全くないの。
何なのよ、さっさと別れなさいよ!
思惑通りにいかなくて苛立ちを抱えながら過ごす日々。腹立たしくて仕方ない!
でもね、その代わりに良いことがあったわ。
2ヵ月ぐらい前から、急にライオネル殿下との距離が近づいたの。
お話しする機会が増えて、お茶に誘われたりもしたから、殿下は私のことが好きなんだわ! きっと、そうだわ!
このローズクォーツのネックレスのご利益ね。
私は嬉しくて、首元のネックレスを握りしめた。
そうしてウキウキと毎日を過ごしていたら、2週間前とても重要な噂を聞いたの。
『卒業パーティーで王太子殿下の婚約発表がある』
王太子殿下って、ライオネル殿下のことでしょう?
ということは……私とライオネル殿下の婚約発表ということね!
この噂は、お母様も耳にしたというから間違いないわ。
でも殿下からは、まだプロポーズされていないのに……あ、分かったわ。サプライズね! 私に内緒で話を進めて、パーティーの場で私を驚かせようとしているのね。もう! ライオネル殿下ってば!!
私はニマニマと笑って、婚約発表に向けて準備を始めた。
パーティーまで2週間しかないからドレスの手配は間に合わないけど、きっと殿下が贈ってくれるはずだから問題ないわ。あぁ、きっと豪華なアクセサリーも一緒に贈ってくださるわね。
だから私がすべきことといえば、自分を磨くことよ!
美しさと可愛らしさに磨きをかけて、当日は殿下を驚かせみせるわ!!
そう思って、せっせと手入れをしていたのだけど……いつまで経ってもドレスどころかパーティーのお誘いも来なかった。
(どういうことかしら?)
それでもお父様とお母様が婚約発表ならばと、素敵なドレスとアクセサリーを用意してくれたから、それを身に纏って卒業パーティーへと向かった。
受付で「キャロライン・クラディアよ」と告げたけど、名簿に名前がないと言うのよ。どういうことよ!
殿下はちゃんと手配してくださらなかったの? あ、分かったわ。殿下の婚約者として特別だから、わざわざ名簿に乗せなかったのね。この人達は知っていて意地悪をしているのか、それとも忘れている無能なのか、どちらかしら?
そう思っていたら受付係が、ふと思い出したかのように告げた。
「ん、クラディア? あぁ、アリシア・クロフォードの妹か」
「何だ、卒業生の妹か。それなら、そうと早く言いなさい」
確認が出来たと扉を開け会場内に入れてくれけど、何でアイツのオマケみたいに言わなきゃならないの? この人達は無能の方だったのね!
でも、まぁ会場に入れたのだから許してあげるわ。
私は、お父様と同じで寛大な人間ですもの!
(さてと、ライオネル殿下はどこかしら?)
周りをキョロキョロと見回したけど、殿下の姿はどこにもなかった。
その代わり……
「おい、あの綺麗な令嬢はアリシア嬢じゃないか」
「本当だ。あんなに綺麗だったか?」
令息達の囁きが聞こえてきた。
何を言っているのかしら、アイツが綺麗なわけないじゃない。人違いじゃないの?
疑いながら令息達の視線の先を見たら、本当にアイツがいた。
それも凛々しいシリウス様にエスコートされながら、揃いの綺麗なドレスを着て優雅に歩いている。
通り過ぎていく令息達は振り返って、アイツを熱のこもった目で見つめていた。
何よ、あれ! 何でアイツが私より目立っているのよ! 私の方が可愛いのに!
アイツに負けないドレスを着ているのに、私を見る令息は誰一人としていなかった。
それだけでも、むしゃくしゃしたのに!
ダンスの時には令息達だけでなく、令嬢達も華麗に踊る二人に見惚れている。
令息の中にはアイツをダンスに誘おうとしている者までいたけど、3曲ほど踊った後、アイツはシリウス様と共にどこかへ行ってしまったから叶わなかったみたい。
当然よ。アイツをダンスに誘うなんて馬鹿じゃないの?
(それより、何で誰も私をダンスに誘わないの!)
イライラを募らせていたら、いきなり魔獣が現れた。
(何でこんなところに魔獣が?!)
逃げようとしたけど、誰かに突き飛ばされて座り込んでしまったら、後は怖くて動けなかった。するとテラスの方からライオネル殿下の姿が。
(殿下、私を助けに来てくださったのね!)
そう思ったのに殿下はアイツを庇うように一歩前に出ただけで、私の元には来てくれない。そしてシリウス様が颯爽と魔獣を倒したら、何故かアイツが聖女と呼ばれていた。
この人達は何を言っているのかしら? アイツが聖女?
そんなわけないじゃない! アイツは忌む人間なのに。
それなのにシリウス様はアイツに……令嬢なら誰もが憧れるようなプロポーズをしている。
しかもシリウス様は隣国の王子ですって?
何かの間違いよ、そんなの何かの間違いよ!
アイツが私よりも幸せに……いえ、幸せになること自体が許せない!!
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