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魔力無しですが溺愛されて聖女の力に目覚めました  作者: しろまり


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57.一世一代の愛のプロポーズ

シリウス視点になります。

「何事だ!」


騒ぎを聞きつけて、外を警備していた兵士達が雪崩れ込んで来ると、すぐさまライオネルは事情を説明しに行った。


王族のライオネルがいるから、その身を案じて兵士達も気が気ではなかっただろうが、無事だと分かって安心した様子だ。


そしてライオネルの指示で負傷した者の手当から、魔獣の処理もされていく。それから、逃げる時に怪我したであろう人達も介抱されている。


その兵士達の奥から、見知った顔が近づいて来た。

父上と母上、後から控えるように続くジュリアンだ。


「シリウス、無事か? 今の騒ぎは一体……」

「父上、実は」


事の次第をざっと説明した後、もしかしてとソワソワし始めたアリシアに僕は向き直った。


「アリシア、僕の父上と母上だ」

「は、初めまして、アリシア・ク……と申します」


アリシアはドレスの裾を軽く持ち上げて片膝を曲げ、フェリシア仕込みの綺麗なカーテシーを決めると、小さく“ク”と言いかけて飲み込んだ。

恐らくクロフォードと言おうとしたけど、名乗っていいのか悩んだのだろう。


同じ家名で名乗るのは不自然だと思っているのか、はたまた今日限りでクロフォードの人間ではなくなるから名乗るのも良くないなんて考えているのかもしれない。


君を平民にさせる気はないんだけどなぁ。


「父上、母上。彼女がアリシアです」

「やっと会えたな。私がシリウスの父だ」

「お会い出来て嬉しいわ。わたくしはシリウスの母です」


初対面(はつたいめん)にアリシアは緊張しているようで、身体が固くなっているのが分かる。


父上、その外向きの威圧を引っ込めて下さい。

アリシアが萎縮してしまうではありませんか!


その時、どこからか声が聞こえた。


「あれは……イングリルド国の国王陛下ではないか」

「本当か?」

「間違いない。私はお見掛けしたことがある。あの方々は間違いなくイングリルド国の国王夫妻だ」


どうやら卒業生の親の中に、父上達のことを知っている者がいたらしい。

これは僕が名乗るよりも効果的で、好都合な展開だ。


「ということは……シリウスはイングリルド国の王子殿下ということか?!」


その言葉を聞いた周りからは、どよめきが上がると同時に、一気に僕を見る目が変わっていく。


アリシアの反応はどうかと様子を見たら、目を丸くしていて驚きのあまり言葉が出ないようだった。


さて、僕の正体が知れたところで良い頃合いだろう。

ジュリアンに目配せするとコクンと頷いた。どうやら手配りは万全のようだ。


(さぁ、僕の戦いはこれからだ)


大舞台を前に、僕は深呼吸してアリシアに向かい合う。


「改めて、僕はシリウス・ジョゼバン・リングリルド。イングリルド国の第一王子だ」


アリシアに見えないように、僕の背後に回ったジュリアンから花束を背中越しに受け取る。想いを込めた99本のピンク色のチューリップの花束は意外と重かった。

アリシアに持てるか不安になるが、受け取ってもらわなければ!


「アリシア・クロフォード伯爵令嬢、君を愛している。シリウス・ジョゼバン・リングリルドの名に懸けて生涯君だけを愛し、何に代えても君を守り、そして誰よりも君を幸せにすると誓う。だから、どうか僕と結婚してください」


僕は花束を掲げ、アリシアの前に跪いた。


予想外の出来事だったのか、アリシアの時は止まっている。

そして一瞬、間が空いてパチパチと瞬きをした後


「わ、私で、いいのですか? わ、私では……シリウス様は幸せには」

「もちろん、君がいい。君でなければダメなんだ」


ようやく動き出したアリシアの口から漏れる戸惑いの声を、僕は遮った。


「僕の幸せはアリシアと共にある。絶対に後悔させないから、ただ君は『うん』と頷いてくれればいい」

「はい……はい、シリウス様」


アリシアはしっかりと頷いて、花束を受け取ってくれた。

彼女の瞳からは感極まったように大粒の涙が零れ落ちていく。それがシャンデリアの明かりに照らされて、キラキラと輝いて見える。そしてアリシアは今までで一番の笑みを、とても嬉しそうに浮かべてくれた。


“悲しい涙が喜びや感動の涙に変わるように”という願いは叶えられたようだと、アリシアの首元のネックレスを見て思う。


「ありがとう、アリシア」


周りから「おめでとう」「カッコイイ」「素敵」など歓声が沸き上がる中、僕は立ち上りながら花束を支えるように手を添える。それから、もう片方の手でアリシアの涙を拭うように頬を撫でると、そっと(ひたい)にキスを落とした。


「良かったな、シリウス」

「はい、父上」


立派だぞという父上の言葉に僕は力強く頷いた。そして母上に向き直る。


「母上」

「分かっています」


母上が「ジュリアン」と呼ぶと、サッと現れたジュリアンは小さな箱を差し出した。


「大事にするのですよ、シリウス」

「もちろんです、母上」


僕は母上から、その箱を受け取った。

中には王家に代々伝わる婚約指輪が入っている。


母上の言っている『大事にする』というのは、何も指輪のことだけではない。

指輪を贈る相手、そうアリシアのこともだ。


もちろん大事にする。一生傍にいて愛し続ける。

何があっても守り抜いて、絶対に幸せにする。


そんな決意を胸に僕は指輪を取り出し、アリシアの左手の薬指にはめると手の甲に口付けた。


途端に、先程より大きな歓声が沸き上がった。

はい、また出ましたね。花の色と本数の意味!

もちろん説明しますよ~(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑


ピンク色は『誠実な愛』、99本は『永遠の愛』という意味があるそうです!!

本当は紫と迷ったんですよ。ほら、アリシアの瞳の色ですし、意味も『不滅の愛』で良い感じだし……でも色味がですね、暗いよね?ってことで明るい色にしました!ここ、赤の『愛の告白』じゃないのは、すでに何度も告白してるからねってことです(笑


あと本数は108本か40本で悩みましたね……108本は『結婚してください』なんですけど、それアリシアが本数と意味を知らなきゃ分かんないじゃん!と却下。

40本は『永遠の愛を誓う』で胸熱!と思ったけど、40本じゃ豪華じゃないなーってアバウトな理由で99本になりました。いや、やっぱり40本でも良かったのかな?(まだ悩むw


ちなみにサブタイトルはライオネルが付けました!(笑

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