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魔力無しですが溺愛されて聖女の力に目覚めました  作者: しろまり


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42.シリーとアリー

夢を見た。

シリウス様が私を抱きしめていて「して欲しいことは?」と聞いてくる。


夢の中なら甘えても許されるよね。


そう思って、頭を撫でて欲しいと言ったら優しく梳くように触れてくれた。

とても心地よくて、なんて幸せな夢だろう。


ん、本当に夢? 夢にしてはリアルすぎる気がする。

本当にあったことのような……いやいや、まさか。

ところで今、何時だろう……あっ!


慌てて飛び起きたらグラ~と目の前が揺れる。


「アリシア、急に起き上がってはいけないよ」


声のする方を見たら、ベッド脇の椅子からシリウス様が立ち上がっていた。


何故シリウス様がいるのだろう?

いや、いつからここにいたのかな?


時計を見ると、もうすぐで屋敷を出て登校する時間だ。


「具合はどう?」

「もうすっかり元気です! だから、学園に」


行く用意をと言おうとしたら、シリウス様に遮られてしまう。


「アリシアのことだから、そう言うと思ったけど……たった今、起き上がる時にフラついたのに学園へ行けると思ったの?」

「うっ……」


シリウス様は微笑んでいるけれど、纏っている雰囲気は全然穏やかではない。


「まったく君は……そうだ! アリシア、良い子にいていたら、ご褒美をあげよう」

「ご褒美ですか?」

「そう、ご褒美。良い子にしていられるよね、アリシア」


シリウス様の笑顔の圧に、私は「は、はい……」と答えるしかなかった。


「それでは、行ってくるね」

「行ってらっしゃいませ」


私はシリウス様の背中を見送る。

淡い期待は見事に打ち砕かれてしまった。


考えてみれば、この3日何もしていない。寝て起きて、食事しかしてない!

勉強が、勉強が……あ、ダンスの練習も……身体が忘れてしまっていないかな?

刺繍もまだ出来上がっていないのに。


何も出来ないことが、もどかしくて仕方ない。


せめて本を読ませてもらえないかマリー達に聞いてみたけど、ダメだった。

今は頭も休めなくてはいけないと言われてしまった。


でも考えてみると私は疲れていたみたい。あれだけ寝たのに違和感がないのだもの。「普通は寝すぎると気持ち悪くなったり、身体がダルくなるんですよ」と、お見舞いに来たジョンが教えてくれたけど、全然そんなことはなく、むしろスッキリしている。

本当に過労だったのだと今更になって実感してきた。


そうね。

身体や健康についても、ちゃんと学ばなくては!



******



夕方、馬車と馬の蹄の音が微かに聞こえてきた。

シリウス様が帰宅したみたいで、すぐさま私の部屋の扉がノックされる。


「アリシア、体調はどう?」

「もう大丈夫です!」


元気に答えたけれど、シリウス様は私の言葉を疑っている様子だ。


そうだよね。昨日“もう治った!”と思ったけど、熱も下がっていなかったみたいだし……。


自分でも自分の判断が当てにならないのだと、つくづく実感しているのだから当然シリウス様もでしょう。


「ちゃんと良い子にしていたかな?」

「も、もちろん」


マリー達が監視していることもあって、ベッドから出ることすら出来なかったですからね。


「それは良かった。では……はい、ご褒美」


そう言って、シリウス様が差し出してきたのはシリーと同じウサギのぬいぐるみ。

鮮やかな亜麻色の毛並みに、綺麗なアメジストのような紫の瞳がはめ込まれている。


「可愛い!」

「一匹だけでは寂しいだろうと思ってね」

「わぁ、ありがとうございます! とても嬉しいです!」


私はニッコリ笑うと、シリウス様からぬいぐるみを受け取った。


「アリーという名前なんだ」

「素敵な名前ですね」


私はシリーを手に取ると、膝の上でアリーと一緒に並べる。


とても可愛い。

二匹はとってもお似合いで、お揃いな感じがする。


あぁ、同じデザインということもあるけど、アリーの首に結ばれている銀色のリボンが、シリーの茶色のリボンと色違いだからだわ。


「アリシア。その二匹はずっと一緒に、そして大事にしてくれるかい?」

「もちろんです!」

「良かった……ねぇアリシア、そのぬいぐるみと同じように、僕も君とずっと一緒にいたいと思っているよ」

「え?」


シリウス様が優しい表情で、でも真剣な眼差しで言うから、一瞬思考が飛んでしまった。


その時、フェリシアがノックしながら部屋の戸を開ける。


「お医者様がいらっしゃいました」

「あぁ、それでは僕は行くね」


お医者様と入れ違うように、シリウス様は行ってしまった。


『ぬいぐるみと同じように、僕も君とずっと一緒にいたい』


お医者様に診てもらっている時も、夕食を食べている時も、短い時間ならと許可されたお風呂に入っている時も、そしてベッドに入っている今も、その言葉が頭の中でずっと繰り返されていた。


ぬいぐるみと同じように―――

シリーとアリーを二匹並べて眺める。


ん、んんん? あれ?


(この色合いって……茶色の毛に、紫の瞳……私と同じ??)


ふわぁぁぁ! いやいやまさか!! たまたまだよね? シリウス様は意図していないよね?


でもアリーって、私の名前から捩っている?

もしかしてシリーがシリウス様に似ているって気づいて?

だとしたら、その二匹をずっと一緒にって……。


一匹では寂しいだろうからと言っていたけど、シリウス様は寂しいのかな?

そうだよね、ご両親が不在なのだもの。寂しいよね。

使用人が沢山いても、家族とは違うものだから……。


(やっぱり私、メイドになろう)


そしてクロフォード家に雇ってもらおう。

使用人という立場にはなってしまうけど、元クラスメイトの私をシリウス様は他の使用人よりも親しく感じてくれるかもしれない。


(メイドならシリウス様の傍にいられるよね?)


今までシリウス様が私を助けてくれた分、お返しが出来るように傍にいよう。

少しでもシリウス様が寂しくないように、ずっとずっと一緒にいよう。


私はメイドになる以外、シリウス様の傍にいる方法が分からなかった。

お読みいただき、ありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

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8月30日、書くべき所はそこではない!と気づいたので冒頭修正しました。

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