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魔力無しですが溺愛されて聖女の力に目覚めました  作者: しろまり


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24/105

24.いざ、デート!

シリウス視点になります。

馬車の前で待つと、すぐアリシアがやってきた。


「お待たせしました」


そう声を掛けながら、ジッと僕の……服を見ている?


「いや大丈夫だよ。どうしたの?」

「いえ、その……いつもと少し雰囲気が違うなと」

「あぁ、街へ行くのに貴族らしい服装もなんだからね」


そう、特に市場へ行くのなら。

浮かないようにするため、今日はいつもと違ってラフな格好にした。

そんなアリシアも、今日はいつもよりカジュアルなワンピースを着ている。

その淡い黄色がアリシアの柔らかい雰囲気と、とてもよく合っていた。


「アリアシも、そのワンピース可愛いね」


僕がそう言って、馬車に乗り込もうとアリシアの手を取ると、彼女は照れたように俯いた。


このワンピースは、フェリシアが選んだものだ。

アリシアが、この屋敷に来た時に持っていた荷物はトランクケース2つだけ。

令嬢にしては荷物が少なすぎるのだが、僕はそのトランクの中身にまで考えが及んでいなかった。


気づいたのは、同じ服を着ているのを何度か見た時だ。


(最初に「必要な物があれば言うように」と言っておいたんだけど……“欲しい物”と言わなかったのがいけなかったのか?)


遠慮しているようで、僕が新しい物をと言っても「今、持っている物で十分です!」と断られてしまう。


ここで活躍したのは、またもフェリシアとマリーだった。

デートプランが決まった時に用意しておいたこのワンピースを、二人は言葉巧みに上手いことアリシアを説得して、着せることに成功したらしい。

そして徐々に、衣装を増やしていくと言っていた。本当に頼もしい二人だ。


(何となく、二人は似ている気もするな)


そんなことを思っていると、馬車は目的地に到着した。

馬車を降りて、少し歩けば市場だ。


「どこへ行くんですか?」

「まずは市場へ行こう」


“市場“という言葉に、アリシアの身体は嬉しそうに跳ねた。



市場へ行くと、そこには沢山の店が立ち並んでいて、大勢の人で賑わい、活気に溢れていた。


「アリシア、はぐれるといけないから手を繋いで行こうか」


そう言って手を取るとアリシアは少し照れた様子だったが、すぐ市場の雰囲気に飲まれたのか、右に左にとキョロキョロと頭を動かし始めた。


(これじゃあ本当に、はぐれないための綱になってしまったな)


思わずクスリと笑ってしまう。でも分かるよ。

僕も初めて街に来た時、見るもの全てが新鮮で興奮してしまって、気づけば何時間も経っていた。本当は、ほんの一時間程度、抜け出すだけですぐ帰るつもりだったのに。


(それでバレてしまったんだよな)


それ以降も、実は護衛の目を盗んで抜け出しては街へ遊びに行っていたのだが……。



アリシアは、あれは何? これは何? と興味津々な様子で、はしゃぐように聞いてくる。それに一つ一つ答えていくと「シリウス様は物知りですね!」と笑顔を向けてくれた。


良かった。何度も街に遊びに来ていて。

知っているからこそ言えること、知らなければアリシアを喜ばせることは出来なかっただろう。


まぁ、その場合は事前に下調べをしているところだけど。


そう思った時、一つの疑問が湧いてきた。

フェリシアのことだから予想して、下調べするようにと僕に助言してきそうなものだが……。


(まさか、何度も抜け出して街へ来ていたことが……バレていたりしないよな?)


思い起こされるフェリシアの目が、何かを物語っている気がした。



市場には様々な野菜や果物を扱う店や、ハチミツ、ビネガー、自家製ピクルスなど瓶詰にした物を扱う店がそれぞれあり、ソーセージやハム、魚など色々な食品を扱う店が所狭しと並んでいる。


その中で最初にアリシアが興味を引かれたのは、果物を扱う店だった。

赤、黄色、オレンジのカラフルな果物が山積みになっている。


「あら、お嬢さん、オレンジは好きかい?」


リンゴやバナナなど沢山の果物が並ぶ中、ジッとオレンジを見つめているアリシアに店主が話し掛けてきた。


アリシアの、ここ最近のお気に入りはクレープシュゼットだと言う。

クロフォード家に来て初めて食べたらしいが、その時アリシアは満面の笑みで「美味しいです! オレンジの甘さに、ほどよい酸味と苦味。そこにフワッと香るバターの風味!」と言っていた。


(もしかしたらオレンジを見て、思い出しているのかもしれない)


アリシアが「はい!」と元気に答えると「じゃあ、味見をどうぞ」と店主は、小さくカットしたオレンジを差し出してきた。


瞬間、アリシアは戸惑ったように僕を見る。

きっと試食をしたこともないのだろう、食べていいのか迷っているようだ。

それとも、食べ方を気にしているのかな?


僕は手本になるように店主から受け取り、パクっと外皮を残して食べる。

それを見て、アリシアも真似るように頬張った。


「お、美味しいです! 甘い中にほんのりと感じる酸味と、オレンジの良い香りが果汁と一緒にジュワ~って溢れ出してきます!」


目を輝かせるアリシアに、店主は気を良くしたようだ。


「ありがとうね~。朝摘みのオレンジは美味しいでしょう? どうだい買っていくかい? 沢山オマケするよ」


そう言われてアリシアはハッとしたように、また僕を見た。

お金のことを心配しているのか、買う気ではなかったのに試食してお店の人に悪いことをしたと思っているのか、どちらにしろ―――


「いただこう」


僕は、そう言って硬貨を取り出した。

お読みいただき、ありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

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1月30日、二話に分割しました。

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