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魔力無しですが溺愛されて聖女の力に目覚めました  作者: しろまり


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21.何不自由ない生活

まさかの急展開から数日経った。

私は貴族のまま学園に通えているし、寝食に困ることもなく暮らせている。


(困るどころか、ふかふかのベッドに美味しいご飯、以前より快適すぎる生活だよ)


以前よりもぐっすり眠れているし、食事もしっかり摂っている。

もちろん、おやつもしっかり食べている!


(この間、初めてクレープシュゼットを食べたけど……最高に美味しかった)


思い出しても、よだれが……おっと!


おやつを除いて食事の量は以前と変わらないけど、質が上がったおかげで栄養が摂れている所為か、お肌に艶が出てきた気がする。いや、それは食事だけではなく、毎朝毎晩の化粧水と、毎晩の全身クリームのおかげでもあると思う。


ちょっとカサカサでザラザラだった私の肌がプルプルに!


(たった数日なのに……化粧水とクリームの力、すごい!)


それから、髪も毎朝毎晩ヘアオイルを塗ってくれているので、貴族の令嬢らしいサラサラでツヤツヤの髪になってきた。


当然ヘアセットもしてもらっているけど、今まで通り三つ編みにしてもらっていて、今のところ……幸いにも縦ロールにはされていない。


いや、別に縦ロールを批判しているわけじゃないよ?

ただほら、ね? 私には似合わないかなーって!


それに、今生の別れと思っていたマリー達とも一緒にいられて、今の私はとても幸せだ。


とても心が落ち着いている気がする。

“衣食住足りて礼節を知る”と言うけれど、本当に衣食住が満たされると心に余裕が出てくるんだね。


あの屋敷を出たことが、まるで悪魔の城から解放されたような気分にさえなる。


(悪魔の城は言い過ぎかな)


あまり気にしてはいなかったんだけど……きっと辛かったんだね、私。

それは多分、気にしないように、気づかないようにしていただけ。


自分の心境を深く考えてしまったら苦しいから、思考を必死に止めて、感情を抑えて“そういうものなんだ”と淡々と受け入れることで、自分を守ろうとしていた。


クラディア家から出て、初めて気づいた……弱い自分。


こうしてクラディア家から離れて、客観的に見られるようになってくると、改めて思う。あの屋敷は……あの両親達の私への扱いは、異常だったのではと。

クロフォード家に来て、貴族の令嬢として当たり前の扱いを受け、当たり前の生活をして、つくづく実感した。


貴族の当たり前といえば、今はフェリシアに貴族の所作とか、立ち振る舞いや言葉遣いなど、色々教えてもらっている。


今まで身に着けていなかったことが多すぎて、私もフェリシアもビックリした。ごめんね、フェリシア。


(お手数お掛けします)


心の中なら、丁寧に言っても許されるよね。

嫌な顔もせず、何も知らない私にしっかりと貴族のあれこれを教えてくれるフェリシアにも、ちゃんと敬意を払いたい。


こうして、クロフォード家に来てからの私はとても充実しているし、シリウス様の言った通り“何不自由ない生活”をしている。


問題は……学園の方だ。

シリウス様と結婚したことで“魔力無し”の私に対する蔑みの目は、少し和らいだ気がする。でもその代わり、嫉妬や妬みといった類の目が向けられるようになってしまった。


そして未だに、本当に結婚したのか疑う声が上がっているし、わざわざ他クラス、他学年から見物に来る生徒達もいる。


見世物みたいにジロジロ見られるのは、正直あまり気分の良いものではないけど……こればっかりは、仕方ないのかな。


まぁ、あれからエリザベス様から何もされていないし、以前みたいに誰かに突っ掛かられることもなくなって、その点は問題なくなった。

何となくだけど、シリウス様が他の生徒達にも牽制してくれている気がする。

時々、どこかを睨んでいるから。




それはそれとして。これは“魔力無し”と判定されてからのことなんだけど、何かと雑用を押し付けられるようになった。


今も、授業で使った道具の片づけを一人でしている。

本来なら係の人がいたり、以前なら皆で談笑しながら片付けていたんだけど……。


「わたくし、この後用事がありまして。貴女、やってくださいますわよね」とか「あら、片付けはわたくしの仕事ではありませんの」とか言って誰一人、片付けることなく教室を出て行ってしまうので、残された私が仕方なく片付けている状態だ。


(まぁ、別に片付けは嫌いではないからいいんだけど)


そう思いながら、今は刺繍糸の色と刺繍針のサイズをそれぞれ分類しながら箱に戻しているところだ。


今日、最後は男女別々の授業だった。

女子は刺繍。男子は武術。そして授業終了後そのまま解散となる。

だからこうして私に片付けを押し付けて、他の令嬢達は先に帰ってしまった。


(今回の刺繍は結構良い出来で……いつもなら、令嬢達と見せ合いっこしているところなんだけど)


それまで私は、言うまでもなく刺繍なんてさせてもらえなかったから、学園で初めて習うことになり……かなり苦戦した。

糸は絡まって解けないし、布が寄ってしまったり、王道の“指に針を刺す“もした。


周りの令嬢達は刺繍なんて慣れたものというように、とてもスムーズに針を使いこなし、出来上がりも綺麗。雲泥の差の出来に「私、不器用で……」なんて言って誤魔化したが、それはもう酷い出来で……。


授業の後、私は屋敷に戻るなりマリーに、針と糸と布をもらえないかと頼んだ。

マリーは「それぐらいなら」と、すぐ用意してくれた。しかも裁縫の本まで!

本当はマリーに教えてもらいたかったけど、父達の目があって難しいので、その本を見ながらせっせと練習した。


そして、たまにマリーが“私の服を直すため”という名目で私の部屋に来て、破れたエプロンで繕い方を教えてくれたおかげで、私の裁縫技術は上達していく。


でも繕うのと刺繍はちょっと違っていて……そこはライラの処世術“周りを見る”の出番だ。


令嬢達の針の動きを見ているうちに何となく覚えていって、段々と糸も絡まず、布もシワにならず、針に指を刺すこともなくなってくる。


(上手く出来るようになると、これが結構楽しくて!)


余裕が出てくると、他にも意識を配れるようになるもので。

針と糸に集中しながらも、皆とお喋りするのも楽しかったし、思い描いた絵柄が出来上がるのも面白かった。


そんな以前の楽しい時間を思い出していると、ふとシリウス様のことが頭に浮かぶ。


「シリウス様は、今頃どうしているのかな?」


今、令息達が受けている武術の授業内容は、基本的に剣術だ。

シリウス様は文武両道と言われているから、武術にも長けているのだろう。

剣を振るう姿を、思わず想像してしまった。


(カッコイイんだろうなぁ)


この男女別の時間は……つまり男子が女子の、女子が男子の授業を見ることは出来ない。


刺繍をしている令嬢の針さばきなんて見たいとは思われないだろうけど、令嬢達はぜひとも令息達の剣さばきを見てみたいと常々思っていて、刺繍をしながらの談笑はその話題になることが多かった。


(それが叶うことはないんだけど……ん、待って)


普通の令息はそこまで鍛錬しないらしいけど、シリウス様が文武両道ってことは、帰宅してから鍛錬していたりするのかな?


そうしたら……もしかしたら私、見られたりする?


ちょっと期待しながら、最後の一箱を仕舞う。


「あ、もうこんな時間! 急がないと!」


放課後の日課である図書館通いは、変わらず行うことにした。

帰りの馬車の関係で、シリウス様に迷惑をかけてしまうのでは? と思ったけど、シリウス様も図書館で勉強するから大丈夫と言われた。有難い。


「シリウス様に『授業が終わったら一緒に行こう』って言われていたから、待たせてしまっているかも!」


私は慌てて、シリウス様がいる教室へと向かった。


折角シリウス様が学園に通えるようにしてくれたのだから、精一杯やれるだけやらなくては。卒業まで残された猶予は短いけど、知識を詰め込めるだけ詰め込もう。

お読みいただき、ありがとうございます(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

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