表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

第三回なろうラジオ大賞投稿作品

映画みたいな恋がしたくて

作者: 衣谷強
掲載日:2021/12/05

『第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』投稿作品です。

指定キーワードは『映画』。

どうぞお楽しみください。

「あー、映画みたいな恋がしてぇ……」

「は? タケル、君は何を言っているんだ?」


 俺の呟きにミコトが呆れたような声を上げた。


「だって休みだってのに男二人でカフェだべり。クリスマスも近いのにこれじゃ、ぼやきの一つも出るってもんよ」

「僕と休日を過ごすのは嫌かい?」

「嫌ならここにはいねぇよ。お前といる時は誰より落ち着くしな。ただ刺激がねぇなって話」

「……そうか。ならもし僕が女だったらどうだ?」

「は?」


 何言い出すんだこいつ。


「何、暇潰しの仮の話さ。僕はとある名家に生まれたが、僕を産んだ際、母は子を望めなくなった。跡取りは男と決められているため、両親は僕を男として育てた」

「はー、確かに映画でありそうな設定だな」

「そして大学で君と出会い、友人として付き合ううちに、君に恋をした。そんな筋書きがあったらどうする?」


 確かにミコトは顔立ちは綺麗だし、身体も細くて小柄。

 声も綺麗だし女に見えなくも……。

 って俺は何を考えてんだ!

 下手な事言うとからかわれるだろうから、ここは……。


「どうもしねぇ」

「……それは僕が女だったら嫌いになるって事か?」


 何だ急に。

 真面目に答えないから怒ってんのか?


「違ぇよ。お前が今更女だって言われたって、何も変わらねぇって事だよ。大学でも休みの日でもこんだけつるんでんだ。恋人とだってこんなに一緒にいねぇだろ?」

「ふむ確かに」

「だからどうもしねぇし何も変わらねぇ。これまで通り、一緒にいるだけさ」

「ふむふむ成程」


 ミコトは俺の言葉に何度も頷く。

 何だか嬉しそうなのは気のせいか?


「……お前、ホモじゃないよな」

「馬鹿か君は」

「お前の質問がおかしいのが悪い。で? この話のオチは?」

「結論。君は映画みたいな恋には向かないね」

「何だそりゃ」

「映画のような恋をするには、まず君が主人公らしくならないと。現状維持じゃ映画にならない」

「はは、そりゃそうか」


 笑い合いながら、俺はミコトの言った世界を想像してみる。

 ミコトが実は女で、俺の事が好き、か……。

 色々面倒そうだし、今更ときめきもなさそうだけど、こいつから離れる選択だけはなかった。


「じゃあ恋愛映画でも観に行こうか」

「男二人で恋愛映画とか罰ゲームだろ」

「いいじゃないか。参考になるし」

「さてはいじる気だなオメー」


 ひとしきり笑った後、会計を済ませて俺とミコトは映画館へ向かった。


 ……そういえばこいつと風呂入った事なかったな……。

 ふとそんな馬鹿な考えが頭をよぎった。

読了ありがとうございます。


ミコトの真実はどうぞお好みで。


なおこのタイトルで最初に思い付いたのは、女友達同士で冒頭のセリフを言ったら、相手が「私が相手ならどう?」と言うガールズラブ展開でした。

しかしガールズラブって難しいですね……。

オチにたどり着けず断念。

こちらの披露と相成りました。

でも下野さんの女の子役というのもそれはそれで……(取らぬ狸)?


次回キーワードは『鏡』。

どうぞお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] いいです(*´∀`)♪ 二人の離れすぎず近すぎない距離が好きです。 そういう関係ともとれなくもない。 いやぁ、尊い!
[良い点] 2人が楽しそうでつい笑顔になりました。 後書きを読んでからは勝手に脳内再生して楽しませていただきました。 ラジオで読んで欲しいなぁ…。 願いを込めて、評価ボタンをポチッとな。 今回もありが…
[良い点] 男同士のほうが絶対ドキドキします。 私が女なせいだけかもしれませんが。 ミコトちゃん、のクールな物言いがステキ。 主人公よりミコトちゃんに惚れそうなので、ヘテロ男でいてほしいとわがまま言い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ