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第六話 「嘲笑」

 



 僕がつい、口を滑らせてしまった言葉に、三島さんの父親は笑っていた。



「アッハッハ。そうしてしまいたいのは山々なんだが、なにぶん私はデザイン性にこだわっていてね。ちゃんとしたルールを守ってやってもらわないと困る」



 彼はそんなことを言っていた。もしかすると彼らには、これが盆栽のように見えているのかも知れない。


「デザイン性…………ですか」

 と僕は言った。


「ああそうだ、ミミズがより高く、よりウネリを生じるように、しっかり剪定するのさ」



 三島さんの父親は、そういうと自分が持っていたハサミで、ブチブチとミミズの剪定を始めた。


 白い体液が床に飛散し、汚れている。僕はいま、どんな現象を見ているのか理解出来なかった。



 おぞましさ、イビツな感じ、恐怖、興奮、全ての感情が胸の中で渦を巻いている。



「以外と、躊躇わずに切っていいんですね」


 困惑の感情のまま、僕は彼女の父親に向かって聞いてみた。極めて冷静に、困惑の感情を読み取られないように。



「アッハッハ」

 と、彼女の父親は再び笑う。



「切らないと、変な形で生え来てしまうんだよ。これは素人がデタラメに切っても、ある程度の見映えにはなるから、切らないまま放置しているよりかは、遥かにマシなんだ」



「切っちゃいけないミミズとか、ありますか?」



 僕が聞くと、今度は三島さんが答えた。



「壁から直接生えているやつは、なるべく切らないで、壁から直接生えているミミズから分岐して伸びている子とか、分岐して延びている子から下に向かって生えている奴は、切ってもいいの」





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